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⚠️注意⚠️
夢小説です。
名前は〇〇ですが自我ありです。
今回はハデス様の夢小説です。
なんで大丈夫な方だけどうぞ。
冥界は、今日も休む暇がない。
死者の管理、魂の裁定、神々からの無茶な書類、ついでに戦乙女絡みの報告書。
冥王ハデスの執務室には、朝も夜も存在しなかった。
「……またですか」
机の向かいで、〇〇は静かにため息をつく。
彼女は知の女神。膨大な知識と計算能力を持ち、冥界の補佐役としてここに常駐している。
「少しはお休みになられてください。冥王様」
淡々と書類を整理しながらそう言うと、ハデスはわずかに眉をひそめた。
「いや、まだ行ける…これを終わらせねば」
「それ何回目ですか?」
そう答え、〇〇の視線はハデスの顔に一瞬だけ留まる。
隈。明らかに深い。
それでも本人は気にしていないらしい。
「冥王たるもの、多忙は当然だ。睡眠など贅沢に過ぎぬ」
「その認識が問題なのです!?」
〇〇はペンを置き、静かに立ち上がる。
「三徹が“当たり前”になっている時点で、既に判断力は低下しています。
このままでは冥界全体の効率が落ちます」
「……冥界の効率を案じるとは、ずいぶんと冥王寄りだな」
「事実ですから💢」
きっぱりと言い切るその声に、ハデスは小さく息を吐いた。
反論できないときの、彼の癖だった。
「ではどうする」
「今日の裁定を私が半分引き受けます。
その間、あなたは最低三時間、横になってください」
「拒否権は」
「ありません」
即答だった。
ハデスはしばらく〇〇を見つめ、やがて苦笑する。
「……知の女神というより、冥界の管理官だな」
「冥界が崩壊するよりはマシです」
そう言って、〇〇は彼の机にそっと温かい杯を置いた。
冥界特製、眠気を誘わないが神経を落ち着かせる調合。
ハデスはそれを見て、少しだけ目を細める。
「……君がいるから、余は倒れずに済んでいるのだろうな」
「評価として受け取っておきます。ので早く寝てください」
淡々と答えながらも、〇〇の指先はわずかに緩む。
冥界は今日も忙しい。
明日も、きっと同じだ。
それでも――
この冥界には、無理を“当たり前”にしない女神が一人いる。
そして冥王ハデスは、その存在に気づいていながら、
忙しさにかまけてまだ言葉にできずにいるのだった。