薄黄色の月明かりに照らされて、ぬらぬらと腰を揺らす様がなんとも隠微で下腹部から与えられる快感をより鮮明にさせていた。彼の首筋にある噛み跡は、数日前に俺がつけたもの。その隣には真新しい赤い花弁を散らしてある。そろそろ薄着になる季節ではあるが、ほぼ家にいて作業をしている俺らにはあまり関係ない。強いて言うなら、月に1度ある実写のラジオでどう隠すか……くらいか…。
「はぁはぁ……何考えてるの?」
腰の動きを止めて、ウザったそうに前髪をかきあげながら言う彼の顔は、少し不機嫌になっていた。多少独占欲の強い彼は、行為中の考え事を嫌う。自分に集中して欲しいからだと以前言っていた。そんな彼を安心させるように、俺は手を伸ばして彼の首に腕を回し、首を傾げた。
「月明かりで照らされてるニキ、エロいなぁって」
「ふふふw……そんなこと考えてたの?余裕あるねw」
「余裕は無いけど、興奮するんやもん」
「じゃあ、遠慮しなくていいよね♡」
「え?どういう…………っぁぁぁ」
止まっていた腰を一気に奥まで貫くように打ち付けられて息をするのを一瞬忘れた。息を吸うのもわすれてただ喘ぐだけになった俺を、彼は嬉しそうに見つめながら腰を打ち付け続けた。
「んぁぁぁぁ……はぁぁぁんっ……」
「ほら…もっと可愛い声聞かせて……」
「んんんんっ……むりぃ……やぁぁぁぁぁ」
「ふふふ……ほんとに可愛い……」
「ひぅ……あっあぁぁぁ……」
俺が喘ぎ声を出す度に悦ぶニキに、ぐちゃぐちゃに中を掻き回されて訳が分からなくなってきた。俺が贈ったネックレスだけがニキの胸元で揺れている。腰の動きと連動してチャラチャラと動くそれがまたいやらしくて結構好きだ。目の前で揺れるネックレスを指に絡ませ、ニキの顔を見つめた。それにきづいたニキは、ちらっとこっちを見つめて腰を止めた。
「なぁに?邪魔だった?」
「いや……ちゃうくて……」
言葉を考えて口に出すのが面倒になって、もう片方の手でニキの首を自分の方に寄せた。そして目の前まで来た唇にそっと自分のソレを押し付け甘噛みを繰り返した。暫くそれを繰り返していると、そっと口を開いて舌を口内へとねじ込まれた。どちらから漏れているのか分からない水音が部屋中に響く。口の端から飲みきれなかった唾液が零れていく。それを感じながら互いの舌を吸い合うことを辞められずにいた。
「んっはぁ……んぁぁぁぁぁぁまっ……」
「キスハメ……好きだったよね♡」
「んんんっ……かっはっ……んぉ……」
止まっていた腰を思い切り動かされ、俺は自然と腰を振って誘うように動いた。それにきづいたニキが、口を離してニヤッと笑った。
「ふふふ……腰、動いてるよ?」
「んぁぁ……もっと……おく……」
「もう、訳わかんなくなってるかw」
「やぁぁ……はやくぅ……」
「おっけ……」
情欲に掠れた声で囁くように言うと、俺の膝裏を掴んで上からのしかかるように体重をかけてきた。その反動で、いつもより深い所までニキを感じ、俺は目の前がチカチカとする感覚に襲われた。
「んお”……ぁ”ぁ”ぁ”……んんん」
「あー奥までいったね……音変わった……」
「やぁぁ……クル……きちゃう……」
「いいよ……堕ちて……」
「んんんんんんっ……はぁぁぁぁ」
奥の奥まで突かれ続けて、俺は思いっきりニキ自身を締め付けながら潮を吹いた。きつい締めつけに、ニキも眉間に皺を寄せながら苦しそうにしている。その顔が色っぽくて、もっと感じて欲しくて中がキュンキュンと反応をする。
「ばっ……締め付けすぎ……」
「しらん……んんっ中でビクビクしとる……」
「だめだ……出る……くっ……」
ニキは一際苦しそうな顔をしたかと思うと、中でひと回り大きくなって、奥の方へ熱を吐き出した。肉壁に熱が当たる感覚が目眩がするほど気持ちよくて、俺も身体をビクビクとさせながらイキ続けてしまった。目の前が真っ赤になるような、深い深い海の底に沈むような不思議な感覚に堕ちていく。そのフワフワとした感覚に身を任せながら、目の前で脱力しているニキを抱きしめた。そんな俺に、フワッと笑って頬に優しく口付けして抱き締め返してくれる。それだけで、心の中にじんわりと甘い痺れが浸透していき、幸せな気持ちになった。
そして、息を整えながら中からズルリと自身を引き抜いたニキは、ゴロリと俺の横に寝転がり、当たり前のように腕枕をしてきた。腰の鈍い痛みと甘い痺れで動きの鈍い俺は、されるがままに引き寄せられ、ニキの胸に顔を埋めようにした。鼻先には、ニキが吸うタバコの香りとボディミストの香りが混ざりあって安心する。この匂いが俺は好きだ。無意識のうちにスリスリと顔を擦り寄せていた俺に、ニキは面白そうに笑う。
「可愛いなぁwどうしたの?」
「んー?ニキの匂い落ち着くんやもん」
「そ?俺には分からないけどw」
「……なぁ、タバコいくんか?」
「あーそうだね。行こうかなぁ」
「……もちょいこのままじゃアカン?」
「ふふふw いいよ?甘えたいの?」
「そう……なんかな……もう少しこうしてたい」
「じゃあ、後で一緒に吸いに行こうか」
「おぅ……」
行為後にこうやって2人でくっついている時間かたまらなく幸せで、俺は好きだ。特に話すこともないし、やることも無いのにただ黙ってくっついていたい。俺よりも広い胸にこうやって抱かれている。そんな時間がかけがえのないもののように感じる。ニキもそうであって欲しいと願うのは、きっと欲張りなんだろう。コイツといるとどんどん欲張りになっていくし、貪欲になっていく。でもそれすらも楽しいと思えてしまうんだから、俺はきっとここから抜け出すことは出来ないのだろう。
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