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コメント
6件
神〜 や〜本当に好き!
コメント(リクエスト) の書いてくれてありがとう! 大好き(*^ω^*)⸝⸝⸝>⸝⸝⸝<⸝⸝⸝
なぁんでそんな最高な物語が書けるわけぇぇ!!
——
朝。
カーテン越しのやわらかい光が、部屋を静かに満たしていた。
「……ん……」
〇〇は布団の中で身じろぎして、ぼんやり目を とうとして——
「……?」
頭の上で、なにかがぴくっと動いた。
「……気のせい……?」
そう思って、もう一度寝ようとする。
でも、また。
ぴこっ。
「……なに……」
ゆっくり手を伸ばして、頭の上に触れた瞬間。
「……っ!?」
ふに、っていう
あきらかに“耳”の感触。
飛び起きて、スマホのインカメを開いた〇〇は、数秒固まった。
「…………え」
そこに映っていたのは、
猫耳が生えた自分。
しかも、驚いた拍子に、耳がぴんっと立つ。
「ちょ、まっ……なにこれ……!?」
混乱しているところに、ドアがこんこん、とノックされる。
「〇〇ー、起きてる?」
もとの声。
「……い、今行く!」
慌てて帽子を探そうとして、
ない。
「……あれ……」
クローゼットを開けて、閉めて、ベッドの上を探して——
「……にゃい……」
自分で言って、固まる。
「……え、今……」
考える間もなく、ドアが開いた。
「おは——」
もとが、言葉を失う。
「………………」
その後ろから、ひろとりょかも顔を出して、
三人そろって完全停止。
「……〇〇?」
「……耳……」
「……夢?」
〇〇は一歩下がって、腕を組む。
「ち、違うし!
起きてたらなってただけ!」
強気に言った瞬間、
耳がぴこっと動く。
「……動いた」
「感情ダダ漏れ」
「かわい……」
「かわいいとか言わないで!」
そう言いながら、無意識に、もとの服の袖をきゅっと掴む。
「……あ」
もとが目を細める。
「離れないんだ」
「……べ、別に……」
「別に、なに?」
「……寒いだけ」
ひろが笑いながら近づく。
「今日はあったかいけど?」
「……それでも」
りょかが頭を傾ける。
「朝ごはん食べよっか」
「……うん」
キッチンに移動して、〇〇は冷蔵庫を開ける。
「……あれ?」
中を見て、眉を寄せる。
「……卵……」
もう一回確認して、
「……にゃい……」
一瞬の静寂。
「今の聞いた?」
「聞いた」
「“にゃい”って言ったよね」
「言ってない!」
即否定。でも耳はぴん。
「言ってたよ」
「無自覚なのが一番かわいいやつ」
「かわいいって言うなって……!」
塩を探して棚を開ける。
「……塩も……にゃい……」
「また!」
「もうだめ」
「猫語が混ざってる」
〇〇は顔を真っ赤にして口を押さえる。
「……ちが……わざとじゃ……」
もとがそっと頭に手を伸ばす。
「撫でるよ?」
「……だめ」
「耳、下がってる」
「……」
でも、拒否のわりに逃げない。
指がそっと耳の付け根に触れた瞬間。
「……っ」
小さく、喉が鳴る。
「……今の」
「聞こえたね」
「完全に猫」
「……っ、鳴ってないし……!」
そう言いながら、
〇〇はもとに少し近づく。
「……その……いなくならないよね」
ぽつりとした声。
三人の表情が一気に柔らぐ。
「なるわけないじゃん」
「ずっと一緒だよ」
「むしろ、離れられない」
その言葉に、耳がふわっと立つ。
「……ばか……」
でも、その声はやさしかった。
ツンデレで、強がりで、
「ない」が「にゃい」になっちゃう、
甘々な猫。
その日一日、
三人は何度も「にゃい」を聞いて、
何度も笑って、
何度も〇〇を大事に抱きしめた。
———
なんかあんまわかんなかったー
ごめん!
↓
———
「……日付変わるまでには帰ってきてね」
玄関で靴を履きながら、〇〇は振り返って言った。
「はーい、大丈夫だってば」
「ほんとに?」
もとが念押しする。
「心配性すぎ」
ひろが苦笑して、
「でも連絡はちょうだいよ」
りょかも付け足す。
「わかってるって。いってきまーす」
軽く手を振って出ていった〇〇を、
三人は並んで見送った。
——それから。
23:30。
既読、なし。
0:00。
既読、なし。
0:30。
「……遅くない?」
ひろが時計を見る。
「絶対酔ってる」
りょかが腕を組む。
「……約束したよね」
もとの声が、少し低くなる。
1:00。
がちゃ。
玄関の鍵が開く音。
「た、だいまぁ〜……」
ふらっふらで、靴もちゃんと脱げてない〇〇が、
へらっと笑いながら立っていた。
「……〇〇」
三人同時に名前を呼ぶ。
「えへ……みんないた……」
一歩進んで、よろける。
「ちょ、危ない!」
ひろが慌てて支えると、
〇〇はそのまま抱きついた。
「……さみしかったぁ……」
その一言で、
三人の怒りが一瞬ぐらつく。
でも。
「……帰る時間、言ったよね」
もとが静かに言う。
「……んー……ごめ……」
完全に酔ってる。
りょかが小さく息を吸って、にやっと笑った。
「じゃあさ」
「お仕置、ね」
「……おしおき……?」
ソファに座らされて、
目の前に並べられたのは——
・警察の帽子
・魔女のとんがり帽子とマント
・なぜか手錠(おもちゃ)
「選んで」
ひろが言う。
「……えぇ……」
〇〇はふにゃっと笑って、
一番目立つ魔女の帽子を取った。
「これぇ……?」
被った瞬間、
ずるっと帽子が傾く。
「……っ」
三人、無言で顔を覆う。
「……だめ」
「かわいすぎる」
「反則」
「なにぃ……?」
次は警察の帽子。
「はい、逮捕でーす」
呂律が怪しい声で言って、
自分で笑う。
「……もうやめて」
「心臓がもたない」
「怒る予定だったのに……」
最後に、
りょかがそっとマントを羽織らせる。
「魔女さん、反省は?」
「……してまーす……」
そう言いながら、
〇〇はもとの袖を掴む。
「……怒ってる……?」
その不安そうな目に、
三人は完全に負けた。
もとがため息まじりに頭を撫でる。
「……心配したんだよ」
「約束守らないから」
「……ごめん……」
ひろが頬を緩める。
「でも、ちゃんと帰ってきた」
「それだけで、ちょっと安心した」
りょかが小さく笑う。
「可愛すぎるお仕置だったね」
「俺たちが悶絶するやつ」
〇〇は目を細めて、
そのまま三人に寄りかかる。
「……すき……」
その一言で、
全員、完全にノックアウト。
「……はい解散」
「もう無理」
「今日は抱きしめる係に戻ります」
魔女の帽子を被ったまま、
警察の帽子をずらしたまま、
〇〇は三人に囲まれて、静かに眠った。
怒りも心配も、
ぜんぶ「好き」に負けた夜だった。
———
↓
———
〇〇は、滅多に甘えない。
それは三人とも、ちゃんと知っていた。
くっつくのも、腕を引くのも、
「ぎゅーして」なんて言葉も、
〇〇から出てくるのは決まって——
熱を出したときだけ。
だから普段は、
少し距離を保って、
どこか大人びていて、
「大丈夫だよ」って先に言う側だった。
その日も、いつもと同じ夜だった。
ソファに並んで、テレビをつけて、
それぞれスマホを触ったり、ぼーっとしたり。
〇〇は静かに座っていて、
特に変わった様子もなかった。
……はずだった。
もとがふと横を見る。
「……〇〇?」
気づいたら、
〇〇がすごく近くにいた。
肩と肩が触れる距離。
いや、触れてる。
「……どうしたの」
「……別に」
そう言いながら、
〇〇はほんの少し、体重を預けてくる。
一瞬、空気が止まった。
ひろが、ゆっくり顔を上げる。
「……熱、ある?」
「ない」
りょかが眉をひそめる。
「頭痛い?」
「……ちがう」
三人とも、無言になる。
その沈黙が耐えられなくなったみたいに、
〇〇は小さく息を吸って——
もとの服の裾を、きゅっと掴んだ。
「……ちょっとだけ」
声が低くて、静かで、
でも、はっきり甘えだった。
「……一緒にいたいだけ」
——その瞬間。
もとの思考が一回止まる。
「……え」
ひろは目を見開いたまま固まり、
りょかは口を押さえて天井を見る。
「……え、待って」
「今の……」
「幻じゃないよね」
〇〇は視線を逸らして、
少しだけ頬を赤くする。
「……今だけだから」
「変な意味じゃないし」
そう言いながら、
さらに距離を詰める。
完全に、くっついた。
もとが、信じられない声で言う。
「……〇〇が、熱ないのに甘えてる……」
「……事件だよね」
ひろが小声で言う。
「……心臓の準備できてない」
りょかが真顔。
〇〇はその反応を聞いて、
ちょっと困った顔で言う。
「……やっぱ、だめだった?」
その一言で、三人同時に首を振った。
「だめなわけない」
「むしろ……」
「ずっと待ってた」
もとが、そっと腕を回す。
「来ていいよ」
「離れない」
〇〇は一瞬ためらってから、
ゆっくり、もとの胸に額を預けた。
「……あったかい」
その声が、
三人の心臓をまとめて撃ち抜く。
ひろが、頭を撫でる。
「甘え方、忘れてないんだ」
「……忘れてないよ」
「じゃあなんで普段しないの」
りょかの声はやさしい。
「……迷惑かなって」
その答えに、
三人の表情が一気に変わる。
もとが低く、はっきり言う。
「迷惑なわけない」
「〇〇が甘えてくる日は、全部特別だよ」
〇〇は何も言わず、
ぎゅっと袖を掴む。
それだけで十分だった。
テレビの音だけが流れる中、
〇〇は静かに、三人に囲まれていた。
熱もない。
弱ってもいない。
ただ、
甘えたくなっただけ。
それがどれだけ嬉しいことか、
三人は、言葉にしなくても分かっていた。
———
↓
今日は文化祭。
校内は朝からざわざわしていて、
廊下には飾り付け、教室からは笑い声、
あちこちから甘い匂いが漂っていた。
〇〇は——
自分のクラスの控室で、鏡の前に立っていた。
「……最悪……」
鏡に映るのは、
猫耳をつけたメイド服の自分。
「なんで私が……」
理由は単純だった。
くじ。
完全なハズレ。
「猫耳メイド喫茶、〇〇ねー!」
「え、無理無理無理!」
「大丈夫大丈夫、可愛いから!」
——その結果がこれ。
〇〇は、あることだけは絶対に避けたかった。
もと、ひろ、りょかに見られること。
だから昨日、
三人にこう言った。
「……私、文化祭あんまり参加できないから」
「体調?」
「……うん、そんな感じ」
嘘だった。
三人は納得してない顔をしつつも、
それ以上は聞かなかった。
——そして文化祭当日。
「……〇〇のクラス、行くだけ行こうか」
もとが言った。
「参加できないって言ってたけど」
ひろが少し寂しそうに言う。
「顔見れたらいいし」
りょかも頷く。
三人は、〇〇のクラスの前に立った。
——猫耳メイド喫茶。
「……え?」
「……メイド?」
「……猫耳?」
入った瞬間、
目に飛び込んできた光景。
そして——
「……いらっしゃいませ……」
聞き慣れた声。
三人が、同時に振り向く。
そこにいたのは、
猫耳メイド姿の〇〇だった。
一瞬、時間が止まった。
「………………」
〇〇は、三人を見た瞬間、
完全に固まった。
「……っ」
逃げたい。
でも逃げられない。
「……〇〇?」
もとの声が、震える。
「……なに、その格好……」
ひろが、目を見開いたまま。
「……可愛すぎない……?」
りょかは、もう言葉を失っている。
「……ち、違……!」
〇〇は慌てて言う。
「強制で……!
本当は言いたくなくて……!」
耳まで真っ赤になって、
視線を逸らす。
「……見せたくなかった……」
その一言で、
三人の表情が一気に変わった。
もとが、一歩近づく。
「……なんで?」
「……恥ずかしいし……
からかわれると思って……」
次の瞬間。
三人、同時に——
ぎゅっ。
〇〇を囲むように、抱きしめた。
「からかうわけないでしょ」
「むしろ、心臓がもたない」
「可愛すぎて、どうしたらいいかわからない」
「ちょ……!
ここ教室……!」
そう言いながら、
〇〇は逃げない。
りょかが、そっと頬に触れて。
「猫耳、似合いすぎ」
ひろが笑って。
「世界一の看板メイドだよ」
もとが、額に軽く口づける。
「……見せてくれてありがとう」
「……っ」
〇〇は完全に照れて、
猫耳がぴこっと動く。
「……もう……ばか……」
でも、その声は震えていて、
嬉しさが隠しきれてなかった。
三人は顔を見合わせて、
同時に言った。
「もう一回いい?」
——ちゅ。
今度はほっぺたに。
「……やめ……」
「やめない」
「文化祭の奇跡だから」
教室のざわめきの中、
猫耳メイドの〇〇は、
世界一大切にされていた。
———
↓
外は、最初からおかしかった。
窓を叩く雨の音が、
いつもよりずっと重くて、
空が低く唸っているみたいだった。
——ゴロゴロ……
その音を聞いた瞬間、
〇〇の肩がびくっと跳ねた。
「……やだ……」
雷。
〇〇は、昔から雷がだめだった。
音も、光も、
“来る”って分かるあの一瞬も。
今日は、
もと、ひろ、りょかは仕事で帰りが遅い。
「……大丈夫、大丈夫……」
そう言い聞かせながら、
カーテンを閉めて、電気をつけて、
布団に潜り込む。
——ドンッ!!
空が割れたみたいな音。
「……っ!」
思わず耳を塞いで、
布団の中で丸くなる。
「……こわい……」
スマホを見るけど、
連絡はまだ来ていない。
——ゴロ……ドン!!
「……っ、やだ……」
震えが止まらない。
布団を握る手に、力が入る。
時間が、異様に長く感じた。
雨の音、雷の音、
時計の針の音。
全部が、〇〇を追い詰める。
「……早く……帰ってきて……」
声に出しても、
誰もいない。
涙が、少しだけ滲んだ。
——そのとき。
がちゃ。
玄関の鍵が開く音。
一瞬、雷かと思って固まる。
でも——
「ただいま……!」
聞き慣れた声。
次の瞬間。
「……え?」
布団を蹴飛ばして、
〇〇はそのまま部屋を飛び出した。
廊下も、足元も見えてない。
「……っ!」
玄関に立っていた三人の姿が見えた瞬間——
〇〇は、何も言わずに。
ぎゅっ。
思いきり、飛びついた。
「……こわかった……!」
声が震えて、
身体も震えている。
もとが反射的に抱き止める。
「……〇〇……!」
ひろがすぐに背中に手を回して、
りょかが頭を包む。
「一人だったんだよね」
「ごめん、遅くなった」
「もう大丈夫」
雷の音が、また鳴る。
——ドン!!
〇〇は、さらに強くしがみつく。
「……やだ……」
もとが、低く、落ち着いた声で言う。
「聞こえてるよ」
「俺たちがここにいる」
ひろが、ゆっくり背中を撫でる。
「怖かったね」
「我慢してたんだ」
りょかが、額にそっと触れる。
「離れないよ」
「今日はずっと一緒」
その言葉に、
〇〇の呼吸が少しずつ落ち着いていく。
「……ごめ……」
「急に……」
もとが首を振る。
「謝ることじゃない」
「飛びついてくれてよかった」
ひろが、優しく笑う。
「むしろ、嬉しい」
「頼ってくれて」
りょかが小さく言う。
「雷より、〇〇の方が大事」
玄関でそのまま、
四人はしばらく動かなかった。
外は相変わらず嵐でも、
その輪の中だけ、静かだった。
「……もう少し……このまま……」
〇〇が小さく言うと、
三人は同時に答えた。
「もちろん」
「離さない」
「大丈夫」
雷の夜は、まだ続いていたけど、
〇〇はもう、一人じゃなかった。
——
長かったねお疲れ様でした!
リクエスト受付中!!そして出すの遅れて申し訳ございません🙇♂️
寝てましたすみません