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第2話「地獄の路地裏、黒羽の目覚め」
見上げれば、血のような真っ赤な空。自分の手を見ると、生前に自分を苦しめていた全身の醜い痣は消え去り、なぜかスラリとした大人の女性の体になっている。
「……ここは、どこ……?」
少し低めで、落ち着いた自分の声に戸惑うノア。その時、路地裏の影から、トゲトゲの服を着た下品なチンピラ悪魔たちが3人、ニヤニヤと笑いながら道を塞いだ。
「おいおい、見ろよ。上等な新入りが落ちてきたじゃねえか」
「おいネエちゃん、地獄の歩き方を教えてやるよ。まずはその綺麗な黒髪と、持ってる魂を全部俺たちに寄越しな!」
ナイフをチャキチャキと鳴らし、凄んでくるチンピラたち。生前の10歳のノアなら、恐怖で泣き叫び、暗い部屋の隅に閉じこもるしかなかったはずの光景。しかし、今のノアの胸に湧き上がったのは、恐怖ではなく、どこまでも静かな「怒り」だった。人間たちに疎まれ、孤独だった自分に、やっと見つけた大切なカラスたちがくれた、このふわっとした黒髪。それを、この者たちは今、奪うと言ったのだ。
「……私の髪に、触らないで」
ノアが低く、冷徹な声で呟いた瞬間。彼女の少しふわっとした黒髪が、地獄の魔力を浴びて逆立つように大きく揺れた。普段は前髪で隠されていた「左目」が、カッと怪しく見開かれる。
――ガァアアアアッ!!!
地獄の空を切り裂くような、凄まじい鳥の鳴き声。ノアの影、そして背中から一気に噴き出した「漆黒の翼」から、黒い嵐が巻き起こる。その嵐の中から飛び出してきたのは、くちばしを血に飢えさせた30羽の異形なカラスの軍勢。
「ひっ、な、なんだこいつ、ただの新入りじゃねえ、オーバーロード(上級悪魔)の器かよ!?」
腰を抜かすチンピラたち。その軍勢の先頭で、一際大きな黒いカラス――「レイン」が、ノアの肩に力強く止まり、チンピラたちを鋭く睨みつける。ノアは隠されていた左目で冷たく彼らを見下ろし、落ち着いた低い声で、静かに引き金を引いた。
「レイン、みんな。……お掃除の時間よ」
次の瞬間、路地裏は黒い羽とチンピラたちの悲鳴で埋め尽くされ、数秒後には、静寂だけが戻っていた。ノアは翼を閉じ、何事もなかったかのように、肩のレインに 「ありがとう」 と微笑みかけるのだった。
地獄に落ちた初日、路地裏で30羽のカラスと漆黒の翼を覚醒させ、チンピラどもを塵に変えたノア。その圧倒的な光景を、地獄で最も恐れられるあの「ラジオ・デーモン」が影からじっと見つめていた……。
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第2話終わりぃ!
次のお話は?
(コイツは深夜テンションです☆)
第3話「血の路地裏と、不敵なラジオ・ノイズ」
次回もお楽しみに☆
#アラスター
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