〇〇 「さむ…」
秋が終わり、本格的に冬が近づいてきた
今日もただひとり
朝ごはんを食べて学校へと向かう
母 「朝からうるさいなぁ…」
〇〇 「ごめんっ…」
母 「早く出てけよ」
〇〇 「ごめんなさい」
私は日頃から母親の虐待に苦しんでいた
母 「お前さぁ、なんで生きてるわけ?」
母 「気持ち悪いんだよ」
母 「おい聞いてんのかって!!」
〇〇 「痛いっ…」
〇〇 「やめて、」
もうこんな生活がずっと続くのなら
死んでしまいたい
そう思ってマンションの屋上に向かう
なんども躊躇したけれど今日なら…
私はフェンスを超えた
寒いなぁ、雪みるまでは死にたくなかったな
そんなこと思いながら手を離そうとした時
「待って!!!!」
男の人の叫ぶ声が聞こえて振り返る
?? 「待って、お願いだから」
〇〇 「来ないでください、!!」
〇〇 「あなたまで巻き込みたくない…」
?? 「辛かったよな、しんどかったよな」
〇〇 「ッ…」
思わず涙が溢れてしまう
?? 「俺と一緒に逃げよう」
そういって手を差し伸べてくる彼
その手を取るつもりはなかったけど、
彼の泣きそうな顔を見ると
その手を取るしかなかった
屋上に戻ったとき、
私は彼の腕に包まれて声を上げて泣いた
ああこんなつもりじゃなかったけど
あったかいなこの人
?? 「行こうか」
〇〇 「どこに…?」
?? 「誰にも見つからない場所」
?? 「俺の実家太くてさ、海の見える別荘があるんだよ」
?? 「誰も住んでないし、親もそんなのあることなんて忘れてるだろうから」
?? 「そこに住もう」
〇〇 「2人で…?」
?? 「なんかうるさい奴らはいるけど、ㅎ」
?? 「それでもいいなら」
きっとこの人も色んなこと経験してきたんだろうな
痛みがわかるから私に手を差し伸べてくれた
彼の出す車に乗って向かった
〇〇 「別荘って、どこにあるんですか?」
?? 「ここよりもっと北のほう」
〇〇 「あの、名前は…」
?? 「じふん、好きなように呼んで」
〇〇 「じふんさん、」
じふん 「〇〇ちゃんでしょ?」
〇〇 「えなんで」
じふん 「生徒手帳、さっき拾った」
〇〇 「なるほど、」
じふん 「高校生かー若いなー」
〇〇 「じふんさんは、?」
じふん 「大学生」
〇〇 「そんな変わんないですよㅎ」
じふん 「お、笑ったね」
〇〇 「私だって笑いますよㅎ」
じふん 「あ、雪だ」
車の外を見ると雪が降っていた
〇〇 「初雪…ですね」
じふん 「雪、好き?」
〇〇 「はい、好きです」
じふん 「そっか」
〇〇 「じふんさんは好きですか?」
じふん 「俺は、嫌いだよ」
〇〇 「なんでですか、?」
じふん 「色々あって、ㅎ」
彼の笑顔は苦しそうで切なそうだった
一体何があったんだろう
じふん 「寝てていいよ疲れたでしょ」
〇〇 「ありがとうございます…」
目を瞑るとすぐに寝てしまった
「おい、馬鹿」
「きもいんだよ」
「いなくなって清々するわ」
「邪魔虫」
やめて、もう
「〇〇?〇〇」
目を開けるとじふんさんが私の顔を覗き込んで心配そうな表情でこっちを見ていた
目にはありえない量の涙が
〇〇 「あぁ…夢、」
じふん 「嫌な夢みた?」
〇〇 「はい…」
じふん 「そっか、怖かったでしょ大丈夫だよ」
じふんさんに頭を撫でられて
また涙が出てしまう
じふん 「もうすぐで着くから」
すっかり暗くなった外には 海の光が見えていた
〇〇 「海だ…」
〇〇 「じふんさん、海は好きですか?」
じふん 「好きだよ」
〇〇 「よかった、」
じふん 「なにが、ㅎㅎ」
〇〇 「いえ、ㅎ」
じふん 「着いたよ」
外を見ていたら着いていたらしい
沢山の照明に飾られた大きな家が見えた
ここに住むの…?デカすぎでしょ
じふん 「どうかした?」
〇〇 「あ、いや!大きいなと思って、」
じふん 「いくよㅎ」
〇〇 「お邪魔しますー…」
じゅんぎゅ 「やーじふな!プリン食べたでs…」
じゅんぎゅ 「どちらさま、?」
〇〇 「あ、えっと、」
じふん 「今日から一緒に住む〇〇」
じゅんぎゅ 「お!?やったね!可愛い子きた!!」
〇〇 「わ、えっと、よろしくお願いします」
じふん 「そんな緊張しなくていいから ㅎ」
じゅんぎゅ 「よしやー!!可愛い子来たよ!」
芳典 「じゅんぎゅ何言ってんのー…」
芳典 「ほんまや…」
〇〇 「あ、えっと、〇〇です。」
芳典 「よろしくね、俺芳典」
〇〇 「芳典さん…」
芳典 「よしのりでもいいしよしでもいいでㅎ」
〇〇 「じゃあ、よしくん、?」
芳典 「うんㅎ」
じゅんぎゅ 「中入りなよ!寒かったでしょ」
〇〇 「ありがとうございます」
じゅんぎゅ 「俺じゅんぎゅよろしくね!」
〇〇 「じゅんぎゅさん、」
じゅんぎゅ 「〇〇ちゃんだよね」
〇〇 「はい」
じゅんぎゅ 「寒かったでしょーどこからきたの?」
そう言ってもふもふのブランケットを膝にかけてくれた
優しい
じふん 「じゅんぎゅ質問攻めやめろよㅎㅎ」
じゅんぎゅ 「ごめんごめんㅎ」
〇〇 「じゅんぎゅさんとよしくんとじふんさんだけで住んでるんですか?」
芳典 「あと2人おんねんけど寝てるんかなー」
じふん 「まー寝てるだろうなㅎ」
〇〇 「なるほど…」
だからこんな家が広いのか…
目の前には海が広がっていて大きなプールが横にある
二階建てだけど2階に行くまでのエレベーターまだついてる
何者なの…
じふん 「〇〇、今日は一緒に寝よっか?ㅎ」
〇〇 「えっ!!?」
思わず大きな声が出てしまった
じふん 「大丈夫だよㅎㅎ」
芳典 「いやあかんやろ」
じゅんぎゅ 「絶対だめ」
〇〇 「私はどっちでも…」
じふん 「ほらㅎ」
芳典 「そーゆう問題ちゃうやろー!」
じふん 「うそうそㅎちゃんと部屋あるから」
じゅんぎゅ 「部屋行くね^^」
じふん 「おい」
〇〇 「ㅎㅎ」
〇〇 「トイレ借りますね」
芳典 「はーい」
トイレの場所…ここかな
「〇〇?」
振り返るとそこには
私の初恋の人でもあり兄の
朝光がいた。
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コメント
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え 、 さ い こ う