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息を飲ませる展開ですね、、!思わず食い入ってハッとしました✨次の小説、お待ちしております!✨
episode6 仕事
所夜side
早朝5時
まだ少し薄暗い雲の中、太陽の光で目を覚ました
昨日は少し飲みすぎたかもしれない。
だけど、早めに寝ておいて良かった。もう酔いはとっくに覚めたみたいだ。
昨日泊めた彼女が部屋で寝ている事を確認し、仕事に行く用意をする。
仕事と言っても、会社や店に出勤する訳では無く、自国の仕事だ。
日本に逃げてきた際、やり残した仕事を片付けるのだ。
自国の政府からは元は重要な人材だったからという理由で許されている為、仕事をして少しでもお金を稼がなければならない。
だって、うちには今可愛らしい居候がいるから。
なんの仕事か詳しく伝えていないので、夜遅くになると紙に書き出し家を出る。
外出後
仕事と言っても、自国にいた時と仕事は大きく異なる。
今の仕事は、サーバーに入り込もうとする物を片っ端から排除する作業だ。
入り込もうとするもの。それはウイルス。
簡単に言ってしまえば、コンピューターウイルスから貴重な情報を守る、というもの。
警察に見られれば終わりだが、私は自分の能力で何とか補う事が出来ている。
ただ1箇所に集中して排除するだけなら簡単だが、東京は異様にウイルスが集う場所が多い。
だから、夜遅くに帰ることは日本にきてもざらにあるのだ。
しかも、ウイルスという名に恥じぬよう、しっかりと感染症の基質を持っている。
人間がウイルスに侵されれば、高熱を出して寝込んでしまうのだ。
しかも、ウイルスなのでただの風邪では無い。治す薬はオブサーバーにしかないのだ。
今の日本のどこを探してもこのウイルスを治す薬は絶対にない。
だから、人間を守るためにも大妖怪である自分がウイルスを狩らなければならないのである。
携帯で時計をみたら、午前7時になっていた。
さあ、今日は1日頑張らねば。
ブライド視点
午前8時
耳障りな目覚ましの音で目が覚める。
時刻は午前8時。
土曜日の朝にしては早く起きれたと思う。
今日は所夜が仕事で1日家にいないらしい。
先程見つけたメモ用紙には夜遅くまで帰れないことも記されていた。
見送ろうと早く起きたつもりだったが、想定よりも早く出勤したみたいだ。
今日は一日中暇だ。昼をすぎたら東京の地を覚えに行こう。
午後8時
東京というのは本当に人が多かった
どこへ行っても人、人、人。
村が一体いくつ作れるのだ。
でも、ある程度の地や形は覚えられた。
たまには1人で気ままに散歩も悪くないかもしれない。
ブライドは1人、そんな事を考えながら帰路に着いた。
ビルの明かりが目立つ時間帯になると、白い息が出て寒くなる。
だが、イギリスの冬に比べれば暖かいものだ。
もう少しで家に到着する、家に帰ったら料理を作っておこう。
何を作ろうか考えていたら、路地裏からなにか嫌な気配を感じとった。
人間とはいえ、指揮官として育てられたのだ。気配の善し悪しの区別くらいはつく。
この気配は人間では無い。かと言って、動物という訳でもない。
なにかもっと禍々しい何かだ。
気配を感じ取ってしまったら、今度は異臭がしてきた。
鼻が壊れそうになるほどの、死臭に近い匂い。
ブライドは背中に着けている自身の武器を手に取り、誰にも見られぬようこっそり路地裏へと入った。
匂いの元が近づいて来たのだろう。
異臭はさらに激しく漂うようになってきた。
眉間に皺を寄せ、鼻をつまみながら前へと進む。
その瞬間、目の前に得体の知れない物体が現れた。
青紫の炎のような物、気配と異臭はまず間違いなくこいつだと確信した。
焦ることはない、とりあえず攻撃を仕掛けてみるのが私のやり方だ。
ブライドの武器は、先が刃でできた長い槍のようなものだ。
こんな路地裏、一本道での戦いとの相性は良い。
まずは、敵の真ん中を一突き。
まるで刺した感覚がない。だが貫通している。
貫通しているなら、絶対にダメージは入っている。
そう信じてまた一突き。
そうしたら、相手も攻撃を仕掛けてきた。
紫色の煙。吸ったら危険だと脳が警告していた。
近くの排水管を上手く使い、後ろへと回り込む。
上手く回り込んでもう一突きしてやる
そうしたら弱ったのか、路地裏のさらに奥へと逃げていった
急いで後を追ったが、敵はもう既に消えている。
どこへ行ったのかと辺りを見回していると、敵はブライドの後ろへと回っていた。
まずいと思った矢先、敵は先程の紫色の煙を出してきた。
今度は思い切り吸い込んでしまった。
胸が苦しい、咳き込んでしまって上手く呼吸が出来ない。
ブライドは胸を強く押えて座り込んでしまった。
早く立たなければ。こんなに危ない攻撃をしてくる者を放っておくのは危険だ。
だが、収まれと自分に何度念じても苦しさと咳は収まってくれない。
敵も次の攻撃をしようと構えている。
ヤバい、この状態だと避けきれない。
すると、次の瞬間。
ブライドの目に写ったのは、青い火花だった
「落ち着いて、ゆっくり呼吸してください。あなたならそれくらい、1人で大丈夫でしょう?」
「所……夜、?」
午後6時
所夜side
夜遅くになる、と言ってしまったものの、予想よりもだいぶ早く終わってしまった。
まだこの時間なら、もし彼女が出かけていても帰ってきていない可能性だってある。
でも彼女はスマホなんてもちろん持っていない。連絡を取るのは無理だ。
どうしようかと悩んでいたら、仕事用のスマホに連絡がひとつ入った。
ナイスタイミング。ちょうど仕事だ。
本部から送られてきた内容はシンプル。路地裏に現れたウイルスが現れたから倒せとのこと。
同時に送られてきた地図をみたらなんと、出現場所は自宅のすぐ近く。
これまたラッキー、ここから自宅まではそれなりの距離があるので、歩いていけばもう夜だ。
いつも能力に甘えてろくに歩いていないのだ。たまには少し歩こう。
午後8時
自分はこんなに体力がなかっただろうか。
やっぱり能力にずっと頼るのはやめといた方が良かったかもしれない。
とはいっても、この仕事が終わればすぐに帰れる。
まだ言うても夜遅くでは無いけど……
「お、気配ビンビンしてますね。ここの路地裏」
2時間弱かけてようやく目的地まで到着した。
ちゃっちゃと倒しちゃおう。
そして帰ったらすぐ風呂だ。汗が滝のように出てしまっている。
だが、ひとつ疑問が浮かんだ。
路地裏にある気配がウイルスの気配だけではないのだ。
明らかに人間の気配。これはまずい。一刻も早く行かなければ。
路地裏に入り、自身の武器を手に持つ
もう既に攻撃がされた痕跡あり、もう少し早く来れてれば。
そんなタラレバを言ってももう遅い。早く路地裏にいる人間を助けなければならない。
が、次の瞬間目にした光景は所夜を心底驚かせた。
自分が匿っている少女、ブライドが座り込んでいる。
オマケに咳き込んでいたり、胸を抑えて苦しそうにしているのだ。
その前にいるのは自国の敵、ウイルス。
恐らくウイルスに攻撃されてしまって上手く呼吸ができていないのだろう。
それらを脳内で迅速に処理し、刃物で攻撃をしようとしているウイルスをぶった斬る。
遅れてごめんなさい。能力に甘えていれば良かったですね。
「落ち着いて呼吸してください。あなたならそれくらい、1人で大丈夫でしょう?」
「所……夜…?」
とりあえず呼吸をさせなければ。
でも、自分が手伝う程彼女も弱くは無い。
汗を拭い、鎌で敵の急所を切る。
もちろんその間、煙を吸わないよう息を止めてだ。
2本目の鎌でもう一度切ってやると、ウイルスは消滅した
やけに倒れるのが早い。恐らく彼女がダメージを入れてくれたのだろう。
そうだ。彼女の容態を確認しなければ。
ブライドside
その長い髪が見えた時、なぜだか心底安心してしまった。
言われた通りに呼吸を整える。大丈夫。私なら落ち着いてやれば出来る。
胸の苦しさは消えないが、はぁ、はぁ、と呼吸を摂ることには成功した。
肩で喘ぐように呼吸をする。苦しい。外は寒いはずなのに自分の体温が暑い。汗が背中にまとって服について気持ち悪い。
気づくと、敵を殲滅した所夜が心配そうな顔でこちらへと飛んできた。
所夜は自分のおでこに手をつける。何をしているんだろう。
「熱い、熱がありますね。ごめんなさい。来るのが遅くなりました。」
「症状、言えますか?家まで歩けますか?そもそも、立てそうですか?」
そんな一気に質問するな。
あと、そんな心配そうな顔するな。
「苦しい、あと……ちょっと気持ち悪い。」
「すまない、少し歩けそうにない。」
「分かりました。じゃあおぶるので、つかまってください。」
意識が朦朧とする。世界がなんだかぐるぐる回っている気がする。
でも、これだけ言っておきたい。言わなきゃ、私の疑問が収まらない。
「帰ったら……お前の仕事と……その力についてたっぷりと尋問してやるから……。楽しみにしとけ……。」
そこで私の意識は途絶えた。
同時刻
所夜side
すごく体調が悪そうだ。
はっきり言って顔色がほぼ死人みたいな色してるし。
自分の判断ミスでこうなってしまった。なんと謝ればいいんだろう。
とりあえず、ゆらさないよう細心の注意を払い、彼女をおぶる。
体温はやっぱり異様に暑い。
この通りを曲がれば家はすぐそこだ。もう少し頑張ってくれ。
そう願っていると、彼女の口からか細い声が聞こえた。
帰ったら私尋問されるらしいです。怖すぎる。
でもまず、薬を自国に取りに行かなければならない。
こっちの方が怖いですね。
自問自答を繰り返すうちに、自宅へ到着した。
彼女をベットへ寝かせ、とりあえず応急処置をする。
薬を取りに行くなら、彼女が寝ているいまだ。
ごめんなさい。もう少しの辛抱ですから。
私は能力を使い、自国へと帰国した。
完全なる自己感想。
なんか書くの下手すぎて泣きそうになってきた。
あとこの小説書き終わったらこの小説に出てくる子を使って2j3jの夢書くかもしれないです。
(主は夢女子&腐女子です)