夜、晩ごはんを食べたあと、旅館の大浴場でさっぱりした4人は、浴衣に着替えてまったりタイムに突入。
畳の上にはお茶とお菓子。
そして、ふとんの上では……
「くらえ〜〜!!枕の舞ッ!!」
「お返しだァ!!」
「ああぁぁっ、ffidyll!こいつら暴れてるから、避難っっっ!!」
「うん、これ、もはや戦争だね」
ふわっと宙を舞う枕たち。ふとんはすでに一部めくれ、bowgartは頭を抱えながらも笑っている。
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そして枕投げが一段落ついた頃、部屋の照明がふんわり暗くなる。
「……なあ、お前ら、恋バナでもするか?」
hyeheheがぽつりと言って、全員が一瞬黙る。
「おっ……意外とロマンチスト?」
「そっちが言う〜?じゃあじゃあ、最初に好きなタイプ聞こっか!」
hoolaがそう言ってみんなを見回すと、ffidyllが「ふむ」と顎に手を当てて考える。
「僕は…そうだな、いつも自然体でいてくれる人かな。落ち着く感じの人。あと、落ちてる小銭を一緒に見つけてくれる人だと尚よし」
「ハードルたけぇな!!」
「じゃあbowgartは?」
「…べ、別に答える義務ないし。でも……真面目すぎなくて、でも清潔感があって、音楽の趣味が合う子。…とか?」
「わ〜!弦楽器系好きな子じゃないとダメじゃ〜ん!hyeheheは?どーなの?」
「俺?……そーだな。ちょっとウザいけど、ほっとけないやつ?」
hyeheheは、ちらっと横目でhoolaを見る。
hoolaは一瞬、目を丸くして──
「ちょ、なに?なにその目〜!まさかあたしのこと〜!?」
「言ってねーし。勝手に照れてんじゃねーよ」
「うぅ〜〜、いちいちムカつく〜!///」
その場は爆笑に包まれたけど、bowgartはそっとそっぽを向いて、ぼそっとつぶやいた。
「……ふたりとも、いいな」
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翌日。最終日はお土産タイム。
「このまんじゅうセット、先生にあげよっかな〜。あと、cherubbleにはクッション、pompomには髪飾り、roobaにはリップ……」
「…多くね?」
「うるさ〜いっ、友達多いのはあたしの才能だもーん!」
ffidyllは何かを買うたびにお釣りの下をさらりとチェックし、小銭を見つけては得意げにポケットにしまっていた。
bowgartはガイドブックと、おしゃれな紙の栞を購入。
「こういうの、落ち着くんだよね」って笑った顔がちょっとだけ子供っぽくて、hoolaは内心、可愛いな〜と思った。
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帰り道のバス。夕暮れのオレンジ色が車内に差し込み、生徒たちは疲れ果てて、あちこちで眠っていた。
hoolaは、自分の荷物をぎゅっと抱いて眠りかけていたが──
「おい、寄っかかんなよ」
隣にいたhyeheheが、ぼそっと言った。
そして、hoolaの肩にそっと頭を乗せた。
「……あー……。やっぱ、修学旅行、わりーもんじゃなかったな」
「……うん……また、行きたいね」
「つぎは…2人だけで」
「……んふふ、じゃあデート旅行だね、決定〜……」
ふたりはそのまま、寄り添いながら眠りに落ちていく。
夢の中でも、ずっと一緒にいられるように。
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