翔は暗い穴を抜け、光の差し込む場所にたどり着いた。
周囲を見渡すと、彼は見覚えのある図書館の中にいた。
まるで夢から覚めたような感覚が彼を包み込んだ。
仲間たちと過ごした日々が、まるで幻のように思えた。
「戻ってきた…」
翔は小さく呟き、感情が込み上げてきた。
彼は無事に現実世界に戻れたが、同時に仲間たちを失った現実に胸が締め付けられる思いだった。
図書館の静けさの中で、翔は一冊の古い本を手に取った。
かつて彼が見つけた本の表紙には、薄い埃が積もっていた。
彼はその本を開き、ページをめくり始めた。
「ここに、全てを書こう。」
翔は心の中で決意した。
仲間たちの思い出や、鬼との戦い、そして彼が直面した恐怖と勇気の物語を記すことにした。
彼の中にある痛みと後悔を、言葉として残すことで、彼らの存在を永遠に忘れないために。
翔は、物語を綴る中で、仲間たちのことを思い出していた。
智也の笑顔、麻衣の優しさ、他の仲間たちの助け合い。
彼らとの絆は決して消えることはない。
翔はそれを記録しながら、涙を流し続けた。
「私たちは、恐怖に立ち向かい、共に戦った。」
翔はその言葉を本の中に刻み込んだ。
彼は物語の最後に、仲間たちへの感謝の言葉を添えた。
「仲間たちよ、ありがとう。君たちの勇気は、私に生きる力を与えてくれた。絶対に忘れない。」
書き終えた本を、翔は図書館の奥にある本棚の一角に戻した。
そこには、誰も見つけられないような隠れた場所があった。
翔はその本が、仲間たちの記憶として、いつか誰かに見つけてもらえることを願った。
「いつか、誰かがこの本を読んで、私たちの物語を知ってくれることを祈っている。」
翔は小さく微笑み、図書館の出口へと向かった。
完
はい主です。
これで全て終わりです。
最後まで見てくれてありがとうございます!
主は感激です。
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