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「私、上野小雪、頑張ります!」
私はそう言い、大袈裟に頭を下げた。
上司はため息をつき、肩ひじを机につけ、呆れたように言う。
「お前たちでもう6組目だ。今回、また”調査員が消える”ようなことがあれば私が向かう」
上司は少し分厚い紙の束を私に渡す。
「その資料に基本の情報がのっている。それを見て行動しろ」
「今回のリーダーは、小雪。お前に任せる」
「ってことだから、よろしくね!」
私は上司に言われた通り、リーダーとして場を盛り上げるために明るく挨拶する。
…が、一向に返事は返ってこない。
私を含め5人のこのチームは、女2人、男3人の構成でできている。力がある男の人を多くしたかったのだろう。かといって、全員男にするというのも人数的に無理があるので、この構成なのだろう。
なんてことを考えていると、私と同じくらいの年の少女が答える。
「私は九条奏と言います。よろしくお願いしますね、小雪さん」
彼女は奏といい、とても美しい少女だった。黒い髪を頭の左の方にまとめていて、少し大人びていた。
「私の役職は医師。何かあったら、私が手当てしてあげますから」
少女はそう言い微笑んだ。