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〇〇「ぁ・・・・・・ぁ・・・」
頭の中によぎった、この上なく恐ろしい光景。
私がみんなと共に生きたいと願うほど、その恐ろしい未来が近づくというのか。
私が、この手で。
今度はみんなを手に掛けてしまうのいうの?
行き場のない恐怖が涙となって頬を濡らし、虚ろな視線は行き先を探して宙を彷徨う。
ヴォックス「まあ焦ることはない・・・お前の答えは、1週間後に聞こう」
ヴォックス「よぉ~く、考える事だ」
ヴォックス「なあ?darling・・・・・・ハハハハ!!」
そう私に言い残して、彼は目の前から一瞬で姿を消した。
シン、と嫌な静けさだけが残り、自分自身の心臓の音だけが聞こえる。
アラスター「おや、お話はもう済みましたか?〇〇」
〇〇「・・・・・・ッ!!」
後ろから聞き慣れた声がして、びくりと肩が大きく震える。
足音が徐々に近づいてくるが、今の私には振り返ることも・・・その顔を見ることさえできやしない。
アラスター「私の方もようやく片付いたところですよ」
アラスター「まったく・・・本人より手下たちの方が厄介・・・というのも困りものですねぇ」
アラスター「まあ、所詮私の相手としては力量不足ですケド、ね」
普段通りの調子の声が、私のすぐ側まで近づく。
アラスター「さ、そんなところで座っていないでここを出ましょう」
アラスター「どうにもここは居心地が悪い」
おどけた様子のアラスターはそう言いながら、私の顔の前に手を差し出してくれる。
そんなたったひとつの優しさが、今の私には何よりも鋭く突き刺さる。
心が痛い。
ギリギリと締め付けられて、もう限界だと悲鳴を上げているのが分かる。
ヴォックス『お前はまた、大切なものをその手で壊すんだよ』
耳にこびりついて離れないその言葉。
脳裏に焼き付いたお姉ちゃんの最期が、一瞬だけアラスターの姿に映り代わる。
〇〇「ッッ―――!!!」
アラスター「!」
その生々しい恐ろしさに全身が総毛立ち、私は弾かれたように立ち上がる。
そしてその手を取ることも、顔を見ることもないままにアラスターの横を走り抜けた。
〇〇(――――もう二度と、間違えちゃいけない)