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「美咲・・。ホントに私幸せモノだね」
改めてその幸せを噛みしめながら美咲に伝える。
「そうだね。透子は樹くんに愛されたことで、その周りの人達からもたくさん愛をもらえてる。だけどそれは透子が透子だからだよ。透子だから皆こんなに気持ちを返してくれる。だから透子が幸せでいられるのは自分で手に入れた当たり前の幸せだよ」
ホントに樹に出会わなければこんな幸せに巡り合わなかった。
ただ何気なく樹との出会いを繰り返していて。
どの瞬間も、きっとまだそんなに運命的な出会いだなんて気づかなくて。
だけど、なんとなく、自分の中でずっと存在し続けていたであろうその運命。
だけど、きっとその幸せも樹が樹じゃなければ存在しなかった。
樹が今の樹でいてくれてるからこそ、私もこんなに幸せでいられる。
「美咲にもホント感謝してる。ずっとどんな時も見守って来てくれて勇気づけてくれて」
「どれだけ長い付き合いだと思ってんのよ。私はどんな透子でも見守って来たし、これからも変わらず見守っていくし。だけど親友として透子が本当に幸せを見つけてくれたことが私は何より嬉しい」
ホントに美咲だけはきっとどんな私でも見守ってくれる。
樹に出会うまで、運命の人と出会えなくても、仕事でも恋愛でもどんな時も私が私でい続けることが出来たのは、きっと美咲がいたから。
時には厳しく意見を言って引き止めてくれたり、時には勇気が出ない私の背中を押してくれたり。
美咲はどんな時も優しくて厳しくて、最高の私の親友でいてくれた。
きっと誰より私の幸せを願ってくれていたのは誰よりも美咲だったと思うから。
「そしてその幸せの相手が樹くんであることもすごく嬉しい。透子のすべてを愛してくれて受け止めてくれてわかってくれるのは樹くんだけだと思うし、樹くんを一番わかってあげられて樹くんを受け止めてあげられるのは透子だけだと思う。きっとお互い他の人ではあり得なくて、出会うべくして出会った二人なんだと思うよ」
ずっと見守ってきてくれて、私も樹も知ってくれている美咲だからこそ言える言葉。
その言葉は素直に優しく温かく心に響く。
きっと美咲も私の知らないところで支えてくれていた。
きっと樹とのこの縁を美咲が繋いでくれていた。
美咲がいてくれたから、きっと私も樹との時間を始めようと思えたから。
「ありがとう。美咲」
「その言葉、樹くんに伝えあげて。きっとこの日の為に、樹くんすごく透子のことを考えてくれて、時間もかけていろいろやってきてくれたんだと思うよ」
「そだね。私の知らないところで、樹がいろいろしてくれてて、もうすでに胸がいっぱい」
「憎いよね~。樹くん。そんな女がキュンとするようなことホント、スマートに自然に出来るヤツなんだよね。でも昔はそんなの出来るような男じゃないのも知ってるし、それは透子のことがそれだけ好きだから単に透子を喜ばせたくてしてることなんだろうけどさ」
「うん。ホント樹はいつも予想しないことやってくれていつも驚かされる。そんな樹に私の気持ち返せてないのが申し訳ないなって思うくらい」
「まぁ透子はきっとそのままでいいんだよ」
「でも樹だけが伝えてくれてるから・・」
「ってか今更だよ透子。樹くんはどんな透子でも好きでいてくれたんだから、そんなの全然気にしないと思うよ。透子が他の人を想ってる時から、樹くんはずっと一途に想い続けてたんだからさ。今の透子なんて別にたいしたことないって」
「そうなのかな・・・」
「樹くんはありのままの透子を好きになってくれたはずだから。時には自信を持っていきな透子」
うん。私の知らない時から樹はずっと私を見てきてくれて。
もしかしたらそこにカッコ悪い自分もいたかもしれない。
情けない自分もいたかもしれない。
だけど、きっと樹はそんな私も見ててくれていたんだろうな。
だからこそ考える。
そんなずっと見てきてくれた樹に、私はどれだけ想いを返したらその分の想いが追いつくのだろうと。
ずっと想い続けてくれて、きっとツラい想いもしてきた樹の為に、今の私がどれだけその時の分を埋めることが出来るのだろうと。
でもきっとそれは今の私に返せることは限られているから。
きっと全部は返せないから。
だからその分これから一緒に樹と過ごしていく時間の中で、幸せを返していきたい。
樹のその時望む想いに応えて、幸せを感じてほしい。
「だからそれが今日という日なんじゃない?透子。透子が樹くんに今の透子として素直に想いを伝えられる、その想いを返せる絶好のタイミングなんじゃないかな」
うん。樹はこんな機会や場所を用意してくれるほど、私に尽くしてくれていて。
樹のその想い全部に今の私で全部返せるかどうかはわからないけど。
でも、今日はこんなに綺麗に輝ける姿を樹に周りの皆に用意してもらえて、今なら自信を持って、きっと伝えられる。
今の感謝の気持ちを。
今の樹への愛しい想いを。
今の自分でちゃんと伝えよう。
こんなにも幸せでいられることを、愛する樹へ。
「うん。こんなに皆に力もらえて綺麗にしてもらえたから。今なら樹にちゃんと伝えること出来る」
「頑張んな。透子。ありのままの透子で樹くんに気持ち返したら、それだけで樹くんも喜んでくれるから」
「うん。ありがと」
きっと樹はどんな自分でも受け止めてくれる。
どんな私もきっと笑顔で受け止めてくれる。
樹が私をいつでも特別な女性にしてくれる。
樹の特別な存在へと樹が変えてくれる。
樹がいてくれれば、私は樹の特別になれる。
「じゃあ準備出来たからそろそろ会場行こうか。樹くん呼んでくるね」
「ありがと美咲」
そう言って美咲が樹を呼びに行ってくれる。
この時間が少しドキドキする。
樹この姿見てどう思うかな。
どんな風に感じてくれるかな。
樹もきっとまたカッコよくキメてきてるんだろうな。
いつだってどんな姿でも様になってカッコよく決まっちゃう人だからな。
樹と顔合わせたら最初になんて伝えよう。
樹に届けたい言葉も気持ちもたくさんありすぎて、まだ全然まとまらない。
何から伝えればいいのか、その気持ちをどう伝えようか。
どう伝えればちゃんと樹に伝わるのか。
そんな樹に今会うことが少し照れくさくて、だけどちょっと期待してドキドキして。
まだまだ樹への想いはとめどなく溢れて来る。