「先生、私生きてていいの?」
私は言った。
先生は、別にお前が生きてても死んでても私には関係ない、と言った。
だけど、少しは悲しい…と思う、と先生は小声で言う。
空き教室、揺れるカーテン、散った葉が窓から入る。
嬉しかった。先生が少しでも悲しんでくれるなんて。
じゃあ、今ここで死んでみようかな。危険な妄想が頭を巡る。
ここで私がナイフを取り出し、自分の首を切ったら? ああ!考えるだけでわくわくしちゃう!
血に染まっていく地面を見て、先生はどう思う?驚く?悲しむ?それとも、何とも思わない?
こんなイかれた妄想。私大好き!
もっと先生に私を見てほしい!先生の脳に一生焼き付いてこびりついて離れない。そんなトラウマになりたい。
私は言った。
「先生、どうせ私の頭の中見えてるんでしょ?」
先生は何も言わなかった。
「今思ったこと嘘だと思う?」
先生の顔が変わった。でも、もう遅い。
妄想癖の私の妄想。今から現実になるよ。
ああ、先生!大好き!
ナイフを取り出し、自分の首に持っていく。刃が少しずつ自分の肉を抉っていく。そう、この感覚。
今、いっちばんしあわせ!
「先生、一生憑いていくよ」
妄想は現実となった。
血に染まっていく地面の上にある屍にそっとキスをした。
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