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さくなべ
佐久間side
「”遅くまで昨日ありがとう”」
昨晩彼の行きつけだというバーに連れていって貰った上に奢ってもらってしまった。申し訳ない気持ちもあったけれどバーテンダーと俺たち二人しかいない隠れ家的な場所で話していると普段はしないような話もできるわけで、彼の新しい一面をいくつも知れたことが本当に嬉しかった。今日はお互いに休日だったから朝の5時くらいに解散して帰って寝て起きて。何も予定がないからと適当に車を出して、次に会う時少しでも違う自分を見せたいからと新しい服を買って、気分転換に髪を切って。帰ってアニメを観ていたら気付けば夜の11時。寝る前に送ったあのメッセージにレスはなく、既読さえもつく様子がない。彼とのトーク履歴を少し見返して、昨日のことを思い出して再び余韻に浸る。そういえば彼がおすすめしてくれたあのカクテルはなんだったのだろうか。晴れやかな彼の笑顔を想起させる、レモンのような爽やかな香りが印象的だった
「…ブルームーン、か」
アルコール度数は吃驚するくらい高かったけれど、今まで飲んだカクテルの中で一番綺麗に見えたし一番美味しく感じた。何より、同じものを飲んでいる筈なのに細いグラスの足を持つ彼は今まで見た誰よりも美しくて、俺にとっては特別な景色だった。
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岩本side
珍しく佐久間のストーリーに見たことない酒の画像が上がっていた。こいつこんなもん一人で飲むようなやつだっけ。てかいつの間にこんなもん上げるようになったんだ……ん?グラスの向こう側に誰か居んのか。いやどっかで見たことあるなこのコート。舘さん、?じゃねえよな。てか舘さんだったら俺わかるし二人きりなんであれば佐久間のこと殴っちゃいそう。てことは似てんの持ってる翔太か。
【”佐久間~お前翔太とバー行ったん?”】
「”そうそう、いいっしょー!”」
【”そうだなぁ、てか珍しくね?二人でバーとか。そこ二人ってできてんの?笑”】
「”できてたら苦労してねえって笑”」
わお、冗談で聞いたつもりだったのに踏み込んだ話になってしまった。へー佐久間って翔太のこと好きなんだ。あれ、でも翔太って…いや確信はないし佐久間を傷つけるだけだし言わないでおこう。とりあえず俺から言えるのは
【”まあ頑張れよ、可能性0では無いだろうし”】
「”ん、ありゃと~。うわ、朝まで一緒に居たのにまた会いたくなってきたわ。今何してんのかなー”」
やっぱり俺には言えない、翔太は今ラウールと一緒に居るだなんて。
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佐久間side
照の言う通りわんちゃんあれば良いんだけどな。今のところ俺には一切脈無さそうなんだよなぁ。でももし、もしも少しでも俺に可能性があるならちょっと練習してみても良いのかな
“…ちゅーして?”
いつか買ったシナモンのぬいぐるみを彼に見立てて呟いてみる。一人で何やってんだろ俺、これは翔太じゃないしこんなことしてても虚しくなるだけなのに。てか照なんで翔太とバー行ったってわかったんだろ、涼太とかと間違えそうなのにな。ぬいぐるみをベッドサイドに置いて寝っ転がれば時計が視界に入って、蓮の家を出てから丁度1日が経ったことがわかった。
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渡辺side
《ちょっと早いけど誕生日プレゼントあげる!》
その一言で彼が家に来ることになった。収録の時にでも渡してくれれば良いじゃん、と思ったがプライベートで会えることなんて滅多にない。ならばと思い彼と二人で会えるように佐久間と飲みに行って昼間に寝て夕方に起きてあくまでナチュラルに見えるように少しだけメイクをする。仕事の関係で11時頃来ると言う彼を待ちながらスマホを弄っていると玄関のチャイムが鳴った。