「どこに向かってるんですか?」
「第2準備室」
「第2、、?」
「いずれ分かるさ」
そう言って木村はそさくさと歩き出す。逃れようとしても無理だった。
「ほら、着いたぞ」
手を離してくれた。
そこは、空き教室のようだった。
木村はポケットから鍵を取り出し、鍵を開けた。中を覗くと、教室の3分の1にも満たない狭い部屋だった。木村が、中に入っていく。
「及川、早く入れ」
僕は部屋の中に1歩足を踏み入れーー
「ゆき」
後ろから右腕を掴まれ、後ろに引っぱられた。振り返ると、そこには京介がいた。
「京介、?」
「ゆき、行こう」
「え、でも」
先生が、と続ける前に木村が口を開いた。
「高崎か。起きたんだな」
先生がこっちに来る。
京介は後ずさりながら先生を睨んだ。
「教師が、こんな事して良いんですか。」
「何の事だ?先生はまだ何もしていないぞ」
そう言って木村は笑った。いや、目が笑っていない。
廊下には、冷たい空気が張り詰めていた。
「……?」
「でも、これは予想外だった。こんなにはやく起きるなんてな。さすが剣道部のエース」
「……」
「起きる?」
俺が首を傾げていると、京介が囁いた。
「俺、アイツに殴られて気絶されられたんだ。」
「え」
「コソコソ話すのは辞めてくれないか?」
木村がさらにこちらに近ずいて来る。
京介はさっと僕は後ろに庇った。
さきの喧嘩とはまた格が違う。
「……」
2人は、睨みあっていた。
なんとかしないとやばい。
考えるんだ。どうすれば、何事も無く事を終わらせられるか。
早くしないと、取り返しのつかない事になる気がした。
どうすれば、、、
ズキッ
あ、れ、
瞬時に、頭が真っ白になった。
ズキッ ズキッ
頭が、、 、、痛、、い
視界がガタガタと揺れはじめる。僕は床に崩れ落ちた。
「「ゆき!?」」
2人の声が聞こえた。それと同時に意識が遠のいていった。
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