脱衣所で、もぞもぞと服を脱ぐ。ブラとショーツ姿だけになると、緊張がピークに達した。
あーもう、恥ずかし過ぎて……っ!
思わず床にしゃがみ込むと、その拍子に両足を踏み鳴らしたらしく、ガタッと音が響いた。
「来たのか?」
と、中から彼の声がかかり、
「は、はい! すぐに行きますから!」
反射的に答えて、そう言ってしまったからには、ぐずぐずしてもいられないと思う。
ブラを外しショーツを下ろすと、そろそろと浴室のドアを開いた。
彼が浴槽に入っているのが見えて、羞恥でまた閉めたくなるのをなんとかこらえると、中折れのドアを思い切って引き開けた──。
前から行くのはどうにも照れくさくて、後ろ向きになり摺り足で入って行くと、よもや濡れたタイルに滑って転びそうになった。
「大丈夫か!」
湯船から急いで上がる水音と共に、彼に背中を抱き留められる。
「あっ、ごめんなさい!」
「はぁー、無事でよかったよ」
ホッとしたように、彼が吐息を漏らす。
「……危ないだろう」
腰に手が回され、強く抱き締められる。
「そんなに怯えなくてもいい。ほら、もう入浴剤も入れたから、もっとこっちに」
バックハグで肩にチュッと優しく口づけられると、身体の強張りがふぅーっとほどけていくようにも感られじた……。
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