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翌日の放課後。
咲は教室で課題を広げていたが、ペンを持つ手は何度も止まった。
昨日の言葉が、まだ胸に残っている。
「気をつけて帰れよ」
ただの一言。
でも、何度思い出しても心臓が跳ねる。
帰り道、校門を出ると――
「お、妹ちゃん」
不意に声をかけられて顔を上げると、そこに悠真が立っていた。
「偶然だな。買い物ついでに来ただけなんだけど」
そう言って手に下げたコンビニ袋を見せる。
「……あ、はい」
驚きで強ばった声に、悠真が小さく笑った。
「一緒に帰るか?」
その言葉に、咲の胸はまた大きく鳴りはじめていた。