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「ん……」
あ…寝てた…
ガタガタと小さな心地よい揺れに眠気を誘われて──
あれ?そういえばだけど俺、変な人に連れてかれたんだよな…
?「…起きたか」
「ッわ…!」
この人だ…!!
?「俺は」
gr「グルッペン。お前はシャオロンで合ってるな?」
「はっ、はい……」
赤く光る眼差しに思わず返事をする。
リーダーシップがあって、情熱があって…
そんなこの人の背景が伺える。
gr「お前は── この国の悪役として生きていたということは知ってるか?」
「……?はい、」
gr「…幽閉されていたことも?」
「はい…」
グルッペンさんは苦虫を噛み潰したような表情をする。
どうしてそんなに顔を顰めているのかは分からないけど…
「あの、なんかおかしなこと言いましたか…?」
gr「いや………なんでもない」
gr「俺のことはグルッペンと呼び捨てで呼んでもらっても構わないよ。敬語も外して」
「え、でも…」
gr「俺は君の敵国の総統なんだよ」
「!な、ならよりだめです…」
gr「君の国に勝ったんだよ俺は。だから、命令してもいいやろ?」
「………」
グルッペンさんの圧に負けて受け入れることにした。
この馬車の行先は分からないけれど…
なんだか、お外がキラキラしていてワクワクする。
さっきまで天気は極悪だった。
でも、今は真っ青な空に美しく光る太陽。
ふわふわと筋のように広がる雲は、まるでわたあめみたいで美味しそう…
奥には緑が広がっていて、沢山の人々が走り回って遊んでる。
更に奥にはお店がいっぱい並んでて、まるで絵本の中の世界みたい!
「こんなの初めて…」
gr「なにがだ?」
「あッ…えっと、なんか色々…」
gr「……そうか」
gr「こんなので驚くのか」
「こここんなの!?!?」
すっごく綺麗なのに…!
俺が見てた世界は、薄暗くて灰色で、閉ざされた空間だったのに…
今はこんなに色とりどりな世界を見れてる!
こんなに驚けることない……
gr「これから飛びっきり驚くことがある」
「えっ」
なんやろ…?
そう思って再び窓へ目を向けると──
「ええっ!?」
とても高くて、大きくて、綺麗なお城があった。
「なにこれ……現実にもこんなんがあるの…!?」
gr「ああ。これが俺の住んでるところだよ」
「すごい……絵本でしかないんだと思ってたのに…」
gr「…よし、降りるぞ。」
…あれ?
グルッペンがここに住んでるってことは…
俺もここに住むってこと?
こんな所に住めるなんて…
夢みたいやな…!
これが夢なら冷めないで欲しいな……