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『BLUE AMBER THE LUV』
〜俺の気持ちに気付いて欲しいです〜
FIRST COLOR 恋の始まりは
『おはようございます。主様。』
『おはよう、フェネス。』
主様を起こし朝を迎える。それが俺の1日。
今日は俺を担当執事にしてくれたので昨日は寝坊しないように早く寝た。
『今日の予定は…あ、お仕事が入ってますね…。夜は遅くなりそうですか?』
『ううん。大丈夫だと思う。』
『…!そうですか、良かったです。』
俺はニコッと微笑む。
『お帰りをお待ちしておりますね。主様。』
俺は主様に手を振る。
『うん、行ってきます。』
主様は俺に笑顔を向け、元の世界に帰る。
『……行っちゃった。』
(夜にまた会える。それは分かっているのに、
ついわがままを思ってしまう。)
何を隠そう、俺は主様のことが好き。
執事としても、1人の男としても。
この気持ちに気付いたのはいつ頃かは分からない。だって、気付いた時にはもう、あの人に心を奪われていたから。でも…1つ言えることはあの日だ。
あの日は1日失敗続きで、いつものように落ち込んで居た時――。
見張り台
『はぁ…。俺って本当ダメだな…。みんなに迷惑かけてばかりで…。』
と、落ち込んでお酒を飲んでいた時だった。
『どうしたの?フェネス。』
『あ、主様…。』
俺は後ろ手にお酒のグラスを隠す。
『何かあったの?』
『えっと……。』
『……。』
主様は黙って俺の隣に座る。
『話したくないこともあるよね。私なら尚更。でも、話して楽になることもあるからさ。』
主様俺の頭を撫でる。
『…!』
『話したくなったらいつでも話して。』
『主様…。はい、ありがとうございます。』
単純かもしれないけど、その優しさとそのぬくもりに…俺は恋に落ちたんだ。
『でも、この気持ちは伝えちゃいけない。困らせることになる。それに執事として主様にこんな気持ちを抱くなんて…。よし、仕事しよう。』
俺は主様の部屋を出て書庫に向かう。
本棚の整理
『あ、この本面白かったやつだ、主様におすすめしよう。あ、これも…。』
数分後。
『あ…整理してたつもりが主様に勧めたい本の山になっちゃった。』
(主様がいないのに主様の事ばかり考えちゃうな…。)
俺はテーブルの上を片付ける。
『大浴場の掃除でもしようかな。』
俺は大浴場へ向かう。
『よし、主様は仕事でお疲れだろうから疲れ癒せるように薔薇の花を後でアモンに貰って…。入浴剤は主様の好きなこの香りにしよう。って、俺はまた主様のことばかり…。』
(でも…好きだから仕方ないよね…。その人の事ばかり考えてしまうのは。)
俺は庭へ向かった。
『アモン、薔薇の花を貰えるかな?』
『フェネスさん!いいっすよ。あ、主様にあげるんすか?』
『ううん。お風呂に浮かべようと思って。』
『いいっすね!了解っす。ちょっと待っててくださいっす。』
アモンは薔薇の花を何本か用意してくれる。
『ありがとう、アモン。』
『どういたしましてっす。主様の為なら容易いっす。』
『ふふ、アモンらしいね。ありがとう。』
薔薇の花を抱え大浴場に戻る。
『これでよし…。』
(主様が帰ってくるのは夜だからその時間に合わせて入れよう。よし、完璧。)
『主様が帰ってくるまで本でも読もうかな。』
俺は書庫に向かう。
『……。』
(やっぱり本はいいな…癒される。)
『ん…ふわぁ…少し疲れたな…。主様が帰ってくるまでまだ時間あるから…少し寝よう…。』
俺は本を枕にして目を閉じる。
数時間後。
『ただいま〜。』
『おかえりなさいませ、主様。』
『今日も疲れた…。お風呂に入りたいな…。フェネスって今どこにいるかな?』
『フェネス君なら書庫だと思います。先程からずっといましたので。』
『分かった、ありがとう。』
私は階段を登り、書庫に向かう。
書庫
『すぅ、すぅ…。』
『寝てる…。』
(疲れてたのかな。起こしちゃ悪いよね…。)
私は書庫を出ようとした時だった。
『ん…主様…?』
『フェネス…?』
『!す、すみません。俺寝てしまって…。おかえりなさいませ主様。』
眠い目を擦り、俺はモノクルをかける。
『ふふ、おはようフェネス。今日疲れちゃったお風呂に入ってもう寝ようかなって。』
『かしこまりました。すぐにご用意しますね。』
『うん、ありがとう。』
『お待たせしました。ではごゆっくり。』
『…フェネス。』
『はい?』
『お風呂上がり髪乾かしてもらってもいいかな?』
『…!』
俺はつい顔を赤く染めそうになる。
『か、かしこまりました。』
『ありがとう。』
バタンッ。
『……。』
嬉しくてはしゃいでしまいそうだ。ただ甘えられただけなのに好きな人だからなのかとても嬉しい。
『幸せだな……。』
主様の部屋
『ありがとう、フェネス。今日は疲れたからつい甘えたくなって…。いい大人になって恥ずかしいよね。』
『そんなことありませんよ。俺嬉しいです。』
主様の髪に触れながらそう告げる。
『えと、俺はこのわがままなのですが…。安眠サポートも…俺に任せて貰ってもいいですか?』
『いいの…?』
『は、はい。主様が良ければなんですが…。』
『もちろん、むしろ嬉しいよ。ありがとう。』
『ありがとうございます。』
俺はずるい男だな。担当執事だからって…。
甘えてるのは俺の方か……。
『すぅ…。』
主様は寝息を立て眠る。
『ふふ、おやすみなさい。主様。』
主様の頭を撫でる。
『……寝てる時くらいしか容易く貴方に触れられるなんて。貴方が寝てる時くらいは執事としてではなく…。』
男として貴方に触れたい。主様。ずるい俺をどうか許して下さい。
主様のおでこにチュッとキスを落として俺は部屋を去る。
『っ……。』
翌朝――。
『はぁ、はぁ…!』
(いけない、主様の担当執事なのに俺が寝坊するなんて…。今日は確かお休みだって言ってたけど…。)
ガチャッ!
『主様…!』
『あ、おはよう。フェネス。起こしに来てくれたの?』
『え、あ、はい…。』
出迎えた主様はあらかた支度を終えていた。
『ありがとう。でも、ハウレスが起こしに来てくれたの。』
『おはよう、フェネス。昨日は夜更かししたのか?』
『あ、いや…。』
『疲れてたんだよな。だから今日は俺が代わりに主様を起こしに来た。』
『……。』
ただ…主様を起こすのを代わっただけ。
そんなの今までもあったのに。でも……なんなんだろう。この気持ちは。俺の中に湧き上がるこのモヤモヤは……。相手が君だからこそ抱くこの気持ち……。
『今日はお休みだからゆっくり屋敷で過ごせるね。』
『はい。ゆっくりお休み下さい。』
ぶわっ……。
――あぁ。分かった。この気持ちの正体は…
『嫉妬』だ。
次回
SECOND COLOR 向ける笑顔を
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MAKO
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