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最後は、滝原くんのありがとうございました、にみんなも続くと教えてもらった。
一通り流れを教えてもらい、少し書く練習もしたので片付けをし着替えることにした。
女子着替え部屋に入ると、棚の上にかばんが残っていた。最初着替えたときは気づかなかった。誰かの忘れ物かな。
中を見ると、5,6冊の少女漫画が入っていた。
「凪ごめん!あの今入れへん!?」
違う部屋で着替えていた滝原くんが突然やってきてドアをノックした。
「、え、うん、いいよ 」
滝原くんは部屋に入ると、さっき私が見たかばんを取り中を確認した。
「、、これ、中見た、、?」
「え、あ、うん」
「、、あああ、、、」
滝原くんは手で顔を覆った。
「それ滝原くんの?」
「いやその俺のっていうか、借りてて」
「借りて、、?」
「うわあ黙っとったらよかった、、俺ってバレんかったのに、、」
少女漫画、滝原くんの、、?
「瑠衣にこれ貸してもらうってなっててんけど瑠衣から部屋に置きっぱなしやってさっきスマホ見たらLINE来てて、、」
「そうなんだ、、?恋愛系の漫画好きなの?」
「まあ、うん、、あーー凪にはバレたくなかった、、恥ずいわほんま、、」
滝原くんはまた手で顔を覆った。
「あなんか変な漫画ちゃうで!?変なシーンとかないから!普通になんかきゅんきゅんして読んでるだけやから!どんなんか見る!?」
慌てた様子で滝原くんはその漫画を私に見せようとした。
「や、あのそんなこと疑ってないよ」
「、、ほんま、ならいいんやけど」
滝原くんが少女漫画が好きだなんて意外だった。乙女な部分があると知って少し笑いそうになってしまった。
「凪これ一緒に食べよーや」
着替え終わり練習場に戻ると滝原くんがお菓子をかばんから出して座っていた。
「これなーレアなやつやねん、あの3人に言ったらあかんで、俺に貰ったって 」
「レアなやつ?」
「コンビニ限定のやつなんやけどさ、全然売ってへんねん。まあこの辺ちょっと田舎やからっていうのもあるけど」
かわいい袋に入ったラングドシャだ。なんかちょっと高そう。
「これあげるからさ!後輩には漫画のこと言わんといて!!」
「、、う、うん、誰にも言うつもりないよ」
「ならよかったけど、、3人は知ってるからええねんけど後輩には言ってないんよ、バレたくないねん絶対!だから言わんといてな!?」
「うん、言わないよ」
男の子が少女漫画を好きでもなんの問題もないと思うけど、本人は気にしてるのかな。
「あそういえばなんやけどさ、凪の袴、地区大会までには届くって。よかったな」
「ほんと?、、嬉しい」
「地区大会やねんけど、いつもなら新しい文章考えるねんけど今回時間がないから中庭と同じ文で行くってなったんよ」
「あ、そうなんだ、じゃあ中庭で大会のイメージできるね」
「そうそう、こんな感じっていうのだけでもわかってるといいと思う」
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帰り、分かれ道のところで止まった。
「じゃあまた明日」
「うん、オフなのにありがとう」
「全然、俺が付き合ってもらったって感じやし」
滝原くんは笑って言った。
「気をつけて帰りや」
「うん、じゃあね」
最近、滝原くんの笑顔を見ると、
なんだかすごく引き込まれる。