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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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中庭パフォーマンス、前日。

何度も通し練習をし完全というところまで仕上がってきてあとは細かい調整だけだ。


「ありがとうございました!!」

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」


「藍斗ここもうちょい詰めて書いてほしいかも、瑠衣が結構スペース要るからさ」

「了解、気を付ける」

「で1年生やねんけど、初めてのパフォーマンス参加で緊張すると思うけど、、楽しく元気に踊ってな、笑顔で!」

「「「はい!」」」


「恩田先生何かありますか?」

「いつも言ってるけど、書くときの姿勢も意識してね。膝付かずに書くとき背中だけ曲げるより前の足ちょっと曲げて書く方が美しく見えるから。あと一つ一つの所作も丁寧にね、書き終わったあとはゆっくりめに姿勢を戻して、礼」

前の学校の書道部のみんなも所作が綺麗だったが、恩田先生が姿勢を細かく指導していることもあって、この4人の所作は本当に丁寧で美しくて、その中に迫力もあって見応えがある。


「あと野仲さん、パフォーマンスには慣れてないと思うけどとても綺麗にできてると思うよ。元◼︎◼︎高の書道部だったとかは関係なく、もともとの努力だったり才能があるから自信持って」

「、はい、ありがとうございます」

「なーぎーめっちゃ褒められてんじゃん、さすがなーぎーよ」

瑠衣ちゃんが私の方を向いて言った。


「じゃあ次ラストにしようか」

先生がそう言うとみんなは返事をして新しい紙を用意した。




まず、部長の滝原くんが挨拶をする。

お願いします、に私たちも続く。

出番まで後ろで待機。最初に滝原くんと皆川くんが書き始める。

「「はいっ!!」」


2人が半分ほどまで書き終わったら、日高くんと瑠衣ちゃんと私も上がり、声を合わせる。

「「「はい!!!」」」

『後ろには 私の一歩を押す風のみ』

私の担当の文、特に好きな一文だ。

後ろを振り返れば、私たちの背中を押す追い風があるんだと教えてくれる。


音楽が聴こえる。 周りで1年生が一生懸命踊ってくれている。


前と違って一文が長い。長ければ長いほど上手くバランスを取るのは難しくなる。でも、自分で納得のいく字が書けたときの嬉しさは何にも変えられない。

書き終えたら、ゆっくり姿勢を戻し礼をして、後ろに戻る。


『仲間』『全力』


赤い墨で書く部分だ。


『が始まる今      でただ前へ』

瑠衣ちゃんが書いた文の空いているところに、『仲間』を書く日高くんと一緒に、赤い墨でさっきより力強く大きく『全力』という字を書く。

「「はいっ!!」」


日高くんと私が書き終え、礼をしたタイミングで滝原くんが一人、紙に上がる。


青い墨がついた大きな筆で、思いっきり、力を込めて書く。


滝原くんが書き終え5人とも後ろに並んだ状態になったら、1年生が紙の向きを校舎にいる人たちが読める向きに回転させる。


「ありがとうございました!」

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」


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