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転校!小百合ちゃんに話しかけてきた子かな🥺
「母さん。」
「どうしたの、直哉。」
「…………………。 」
「お母さん、家事しないといけ ないから、
後でいい?」
「…………、うん!」
「じゃあ、行ってくるね。」
「行ってらっしゃい!」
笑顔、笑顔、笑顔…。
小さいときからのクセだった。両親に呆れられないように、嫌われないように…。
両親はいつも喧嘩ばかりだった。だから、俺にそれがこないように必死に顔色を見て来た。
「あ、直哉〜、パンはメロンパンでいいわよね〜?」
「あ、うん!!」
ガチャ…。
いつも。いつもだ。
俺の気持ちは聞いてくれはしなかった。
好きなものはこれだと決めつけ、
苦手なものはこれだと決めつけ。
メロンパンは好きだ。
でもそんなものは関係ない。
俺からの一番の願いは…ただこれだけ……。
「家族みんなで楽しく過ごしたい、」
父親を含めて。
でも、もう無理な話だ。
数日前、親が離婚した。俺…、僕の願いはもう、叶わない。
元になんてもう、「戻れない」
「直哉〜。」
「直哉、……」
「…………。 」
「直哉!起きなさい!」
母さんが起こしに来た。
でも今日俺は起きたくない。
「直哉、今日転校の日よ、」
「楽しみにしてたじゃない。」
本当は楽しみになんかしてない。
親が離婚して、引っ越すことになって
急に転校。
自分的に、転校して新しい学校に行くということは、両親の離婚を受け入れたということだ。
俺は叶えたかった。
俺を通じて、家族みんなで楽しく過ごしたかっただけだった。
それだけ考えていた。
両親が喜ぶいかなる方法を考えて、 実行した。
けれど、無理だった。
転校を認めると、俺からしたら今までやってきた全てのことが無駄だったとも実感させられる。
だから本当はいきたくない。
けれど、行かないと。
母さんは今までの「俺」を見てるから。
今更やめられない。
「母さん…今起きるよ…」
「おはよう、直哉。」
「おはよう。」
せめて母だけとでも、願いが叶えられるように。