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《一刻 刀祭》開始まで、残り5分
人々が続々と入場し、店内は込み合って来た中
3人の零財団と、裏社会の支配者が、刀を構え睨み合いを続ける
北河 英二『では、我が妖術を見せてやる…』
北河 英二『蒼炎 展開 (そうえん てんかい)』
バチ バチ バチ バチ ィ!!
その瞬間、北河の二本の刀に、青い炎が纏われる
東条 楽(やっぱり…妖術使いか…)
ゴクリと唾を飲み、次の一手を待ち構える東条
南雲 悟郎『妖術が何だぁ…?あぁ?』
南雲 悟郎『先手必勝っ!!くたばりやがれぇ!!』
しかし、南雲は妖術に驚きもせず北河に突進
東条 楽『おいッ!?一人で行くんじゃ…!!』
バッ ガチンッ!!ギンッ!!ガガガッ!!
南雲は北河に次々と刀を振り回し、猛攻を仕掛ける
全ての攻撃は防がれながらも、南雲一人で、北河に隙は与えない
白叉 黒子『東条、お前は妖術の準備を…俺は奴を食い止める』
東条 楽『クソッ…わーったよ…』パシッ
東条は両手を合わせ、目をグッと強く瞑むり、妖術の力を溜める
そして白叉は走り、北河に向かい抜刀
その抜刀と共に、辺りの建物を真っ二つにする
北河 英二『おっと…』
しかし北河は、その刃を後転で回避
東条 楽『ぐッ!!?』
さらに二人を掻い潜り、隙だらけだった東条を切り裂く
白叉 黒子『速ッ…!!?』
白叉と南雲は振り返り、刀を構え直す
北河 英二『雷豪 (らいごう)』
そう言うと、北河はニマリと笑い、葉巻の煙をはーっと吐く
東条 楽『あ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!!?』
そのまま東条の傷口に、一本の雷が落ちる
バヂヂヂヂッ…!!
東条 楽『く゛っ…あ゛っ…』
ジュワァ~ッ…!!
黒い煙が立ち上がり、白眼を剥く東条
そして北河の、雷を落とす妖術《雷豪》により…
ドサッ…
東条はその場に倒れ、気絶する
白叉 黒子『東条………!?こんな簡単に、零財団が…』
周りの人々は騒然、客が次々と店内から逃げ出す
北河 英二『援護役の妖術使いは先に排除…基本だよな?』
不適に笑う北河は、蒼炎に包まれし二本の刀を持ち、歩き迫る
南雲 悟郎『仕方ないナ~…やんぞ、白叉』
白叉 黒子『おうよ…』
そして二人は肩を並べ、迫り来る北河に構えを取る
北河 英二『秘策でもあるのか…?それとも………』
北河は突如にして、二人の目の前から消え去る
北河 英二『最後の抵抗かッ!!?』
その時 北河は二人の背後に音も無く現れ、刀を振りかざす
チャギィッ!!
白叉と南雲は、その刀をなんとか受け止める
白叉 黒子『ぐッ…!!南雲ォ!!』
ギギギギギギギィ ッ…!!
しかし、北河の力を前に少しずつ押される白叉と南雲
南雲 悟郎『分かってるッ…!!もう準備は出来た頃だぜぇ!!』
南雲は冷や汗を垂らしながらも、余裕の笑みを浮かべる
南雲は、北河の刀を弾き返す
弾き返された反動により、体勢が崩れる北河
南雲 悟郎『…地形・変動 (ちけい・へんどう)』
そして南雲はカッと目見開いて、唾を飛ばして叫ぶ
南雲 悟郎『レベル 5 (れべる ふぁいぶ)』
その瞬間
北河 英二『ッ…!!?』
地面が勢いよく盛り上がり、北河が衝撃で空中に放り出される
白叉 黒子『こいつで、終わりだ…』
バッ
そうして白叉は、北河に向かって跳躍で飛び上がり
北河 英二『う゛く゛ぁ゛ぁ゛…!!?』
抜刀
真っ赤な血が宙を舞い、白叉は、チャキンと空中で刀を納める
南雲 悟郎『ヨッ…シャーイッ!!いっちょあがり~!!』
腹に深い傷を負った北河はそのまま落下、血まみれで倒れ込む
北河 英二『ぅ゛っ…ぁ゛ぁ゛…』
白叉はスタッと華麗に着地し、
北河の胸ぐらを掴んで持ち上げる
白叉 黒子『お前……零刀がどこにあんのか知ってる?』
血で濡れた刀を半分鞘から抜き、北河を睨み付ける白叉
北河 英二『ぁぐッ……知らねぇな…』
北河は苦しそうに息を荒げ、腹の傷を右手で押さえる
白叉 黒子『言わねぇんなら……分かるな?』
白叉は、ピッと刀の刃先を北河の首元に突きつける
北河 英二『ッ…………言う…さ…』
ゴクリと唾を飲み込み、北河は口を開く
北河 英二『あのお方たちは、今日はここには来ないだろう…』
北河はそう言うとニヤリと笑い、そのまま目を瞑る
白叉 黒子『あぁ?誰だよソイツ……おい、起きろっ!』
激しく揺さぶるも、北河は全く起きない
南雲 悟郎『ケッ…まっ、とにかくぅ…東条は病院行きだナ』
すると…
黒嶋 一葉『テメェら帰るぞ……零刀の様子はねェ』
黒嶋 宝島 檪原 藤原の四人がやって来る
檪原 快晴『東条くんがやられたか…早いとこ病院行くで』
檪原は、妖術の《影雲》で東条を浮かせる
黒嶋 一葉『檪原…一応、北河も連れてくぞ』
檪原 快晴『はぁ~?影雲にも定員あるっちゅーのに…』
そして檪原はまた《影雲》を使い、北河も浮かせる
宝島 神楽『重いか?ダイジョブか?』
檪原 快晴『聞く暇あんなら手伝おか~…神楽』
そうして零財団 7人はリムジンに乗り込み、刀市場を抜けて行く…
一方…
《一刻 刀祭》競り会場にて… 異様な空気を醸し出す3人がいた
青峰 晶『さっきぃ…北河が零財団に捕まったって連絡が…』
青峰 晶 白髪オールバックに赤い目 黒いコートを羽織った男
赤死 真人『へ~……まあ、あたし達の囮にはなってくれたよ…』
赤死 真人 黒髪ロング 鋭い八重歯が生えた 容姿端麗の女
黄々 小金『アイツ…口うるさくて嫌いだったから嬉しい…』
黄々 小金 黒髪パーマに青の目 真っ黒いダボダボパーカーの男
スタッ
そんな3人の目の前に、黒いマントを揺らす 例の女が着地する
黒いマントの女『依頼の品を持って来たよ~…三人』
女はニチャリと笑い、黒いマントの中から…
チャキッ
《零刀》を取り出す
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