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《妖術》それは、無限の可能性を秘めし想像を、力にする手段
その力は持つ者によって形を変え、その者の個性を反映する
しかし、想像の力《妖術》にも弱点がある…それは溜め
《妖術》には《念》と呼ばれる、体内に余る力が必要とされる
その《念》を一定時間、一ヶ所に集め《妖術》として放つ…
それが《妖術》=想像を力として扱う手段 である
ただ、それも…
想像を扱う たった一つの手段に過ぎない
対 北河 英二から三日後《零財団》本部にて
激しい揺れと共に、大きな爆発音が響き渡る本部
監獄室からは看守たちが逃げ出し、焦げだらけで倒れる者も
ドサッ
看守『く゛ぁ゛……!?はぁー…はぁー…』
その場に、急いで黒嶋 一葉が駆け付ける
黒嶋 一葉『何が起こった…!?警備は万全のはずっ…』
看守『黒嶋さっ……北河が…突然、ダルマになって爆発して…』
黒嶋はそれを聞き、走って爆煙が上がる監獄室へと入る
黒嶋 一葉『ダルマ…どっかで聞き覚えが…』
そして、北河 英二がいたはずの監獄には…
強烈な焦げ臭さと、真っ黒な灰だけが残っていた
《零財団》会議室 ー 緊急会議
刀市場に向かった団員の内 6人 さらに、
零財団の会長の計7人が椅子に座り、険しい顔を浮かべていた
円藤 壮一『………北河が、ダルマになって爆発した…と』
円藤 壮一 真っ黒いゴーグルを掛け 白髪の長い髭を蓄えた男
《零財団》現 会長である
黒嶋 一葉『はい…看守全員、口を揃えて言っていました』
黒嶋は淡々と、書類を片手に持って話す
檪原 快晴『ちな看守は皆、一命は取り止めたと報告が』
しかし檪原は眉をひそめ、何かが突っ掛かる様子で
檪原 快晴『せやけど、爆発するダルマ…聞いた事ある…』
そこで腕を組んだ白叉が、口を開く
白叉 黒子『丸ノ内戦争………』
辺り一同はざわつくも、檪原は目を見開いて頷く
檪原 快晴『せやせや!丸ノ内戦争ん頃の、赤死 十条の妖術…』
赤死 十条=丸ノ内戦争にて名を轟かせた 妖術最強の男
宝島 神楽『丸ノ内戦争…?なんなんだぁ?それ』
何も知らずぽかーんと口を開ける宝島
藤原 早大『600年前に起こった…零刀の取り合いみてぇなもんさ』
檪原 快晴『へっ、バカ丸出しやな神楽』
クスクス笑いながら、檪原は椅子から立ち上がり
檪原 快晴『ま、東条くんトコ行こか…妖術で何とかしてもらお』
それから、10分後…
《零財団》近くの《零 病院 (ぜろ びょういん)》にて
会長以外の6人は、《東条 楽》と書かれた病室の扉を開け
宝島 神楽『オッス~!元気してっか~楽ちゃん』
躊躇なくズカズカ入って行く
東条 楽『ッ…!?ノックくらいしろバカ!!』
ベッドで寝ていた東条は、バッと起き上がって赤面で怒鳴る
檪原 快晴『なんや~?エロ本でも読んでたんか?』
黒嶋 一葉『んな事どうでもいい…東条、妖術使えるか?』
丸椅子に座り、黒嶋は東条に問う
東条 楽『妖術………?あぁ…使えるけど…』
東条はベッドに座り直し、6人を見る
檪原 快晴『これ…一旦見てみてくれんか?東条くん』
そう言い、檪原は布の小袋を取り出して東条に渡す
東条 楽『んだコレ………開けていいのか?』
檪原 快晴『どぞ』
東条は袋の紐をほどき、中からは灰がサラサラ~と出てくる
檪原 快晴『一時間前くらい…北河がダルマんなって爆発した』
東条 楽『はっ…!?そ、それの灰?』
そして東条は人差し指で灰に触れ、グッと目を瞑る
黒嶋 一葉『流石、飲み込みが早いな…見えそうか?発信源』
東条 楽『あ、あぁ……頑張ってみる…けど…』
東条 楽の妖術=相手の 妖術 その 発信源 を探り当てられる
そのまま、じっと灰に触れ 20秒後
東条の心拍数が急激に上がり、カッと目を開く
東条 楽『ッッッ………!!?』
ジワリと冷や汗が滲み、ポタポタ…と布団に流れ落ちる
宝島 神楽『ど、どうした?大丈夫か?』
見つめる一同
そこで東条は、ゆっくりと口を開く
東条 楽『は……発信源……赤死 真人…赤死家の問題児…』
6人は驚愕、後ずさりし
東条の手には、さらに汗が滲み出る
一方 とある高速道路にて…
真っ赤なバイクに跨がり、街々を駆け抜ける一人の女がいた
赤死 真人『ふーっ………』
赤死 真人 煙草を燻らせながら、次々と前の車を抜き去る
革ジャンが風に強くなびき、中には白いタンクトップを着ている
赤死 真人『零財団………本拠地はこっちだっけ~…?』
煙草を一吸いし、高速を降りる赤死
その先に見えるのは、《零財団》本部
ニヤリと笑い、躊躇なく赤死は本部の駐車場に入る
赤死 真人『もーそろ、テメェらも潮時だ………そうだろ?』
そのまま本部にバイクを駐車、煙草をピンッと弾き捨て
パキッ ポキッと拳を鳴らす赤死
その、赤死の目の前には………
横並びで迎える、零財団 六人の姿
赤死 真人『ふはっ…!これはこれは………歓迎されてんな~』