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渡会雲雀side
教室に向かえば、
久しぶりだからか
ザワザワガヤガヤしている教室。
「⋯はよ」
なんて入れば「あ、雲雀じゃん、おはよ~」
なんて色んなやつから返事が返ってくる。
中学の同級生が来ない高校を選んで、
自分が色が分からないってことも
隠してるからかある程度話す人は出来て。
それでも、色が分からないってことが
バレるのが怖くて基本は1人だけど。
「あ、ね、雲雀くん、宿題やった?」
席に着けば早速話しかけてくるのは、
隣の席に座る女子。
何かと話しかけてくるし、
化粧も濃いから正直苦手な部類。
「⋯ん、いや、やってないけど」
宿題とか今まで存在すら忘れてたし、
見て欲しい俺の机。
中に宿題入れたまんまだから。
「じゃあ、私の見る?貸してあげるけど!」
いかにも俺の気を引きたいって
目で見てくるから
「いや、大丈夫。他から借りる」
そう言えば
「素直に私から借りればいいのに〜」
なんて言いながらもまた別の話をしてきて。
ちょうどそれに飽きてきた頃、
担任が入ってきて体育館に駆り出される。
仕事はまぁ、受付とか校歌歌うとか
新入生の誘導とかその辺。
言われた仕事を淡々とこなしていれば
入学式が終わって。
「んじゃね〜」
なんて誰よりも早く教室を出て、玄関を出た。
携帯を取り出して音楽⋯と思ったところで
「あの!」
なんてまた後ろから声をかけられて
「朝、ありがとうございました!
助かりました!」
振り向けば、朝一緒に登校してきた子で。
朝もお礼された気がするけど⋯
なんて思っていれば
「朝、お礼言ったんですけど
気づいてないみたいだったんで!」
なんてニコニコしながら話しかけてくる。
⋯⋯けど、気づいてはいたよ?
あの声量で気づかないはおかしいと思う⋯
聴覚に問題がない限り。
「⋯聞こえてたし、
それにお礼言われるようなことはしてないよ」
なんて言えば
「聞こえてたんですか?
なら反応してくださいよ!
寂しいじゃないですか」
そう言って俺の隣を歩こうとするから
「⋯帰んの?」
チラッと見ながら聴けば
「はい!終わったんで、入学式」なんて
言ってきて。
入学式終わったあとって、
友達作る~とかそういうので大変じゃないの?
俺は例外としても。
「⋯友達、作んねぇの?」
学校を出て歩き出せば、
自然と俺の口から質問が出ていて。
「んー、いらないかな?って思ってはいます」
そう言われるからびっくりして顔を見れば、
切なげな顔で。
聞いちゃいけねぇこと聞いたかな⋯
なんて考える。
「⋯あの、僕。風楽です。風楽奏斗」
少しの沈黙があったあと、
思い出したように自己紹介を始めて。
「⋯風楽⋯ね」
俺も友達とかいらないタイプだから、
自己紹介されても⋯って感じだけど。
「あの⋯名前聞いてもいいですか?」
あっちも友達作んないって言ってたから
言わなくても⋯なんて思ってたら聞かれて。
「⋯渡会、渡会雲雀」
ボソッと名前を言えば
「渡会さん ?で大丈夫ですか?」
なんて確認をしてくる。
渡会さん⋯なんて言われたことなくて
ムズムズするから
「⋯あだ名でいいよ」
そう言えば
「じゃあ⋯ひばで!」
なんて俺の事を笑顔で見てきて。
「俺、こっちなんですけど、ひばは?」
自己紹介の後特に話すことも無かったのに、
全然苦じゃなくて。
いつの間にか今日の朝、
風楽と会った場所まで来ていて。
風楽は駅の方を指さして、
俺は真っ直ぐを指さす。
「⋯じゃ」
「じゃあ、また!」
なんて歩き出した風楽の後ろ姿を見て
「不思議な奴」なんて呟いた。
それから音楽を聴いて家まで歩いていれば、
ドンッと誰かがぶつかってきて。
慌ててイヤホンを取って振り向けば
「⋯ったい⋯」
そう言って座り込んでるのは、
隣の席の女子で。
「⋯なに⋯してんの?
「歩いてたら、雲雀くん見つけたから
一緒に帰ろうかと思って!
追いつこうと思ったらぶつかっちゃった」
なんて、あぎとく言ってくる。
あざとさ。なんてもの俺には必要はないし
どう頑張っても俺は振り向きはしないのに。
「⋯大丈夫?」
それだけ声をかけて立つのを待っていれば
「⋯手、貸して?」
なんてお願い。
本当は貸したくもないけど、
周りの目もあるから渋々貸せば
嬉しそうに握って立った。
「雲雀くんって、好きな人いる?」
そこで1人残して帰るのも
また周りの目があるから
そうするわけにもいかなくて
並んで歩けば何回目かのこのセリフ。
「いないよ」
1年の頃から、ことある事に聞いてくる。
⋯好きなやつ。
好きなやつがいたら、
今の俺はこんな白黒の世界で
生きてないっての。