テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
39,490
お母さんは、悲しくない転校だと思っているけど、本当は、先輩と離れるなんて悲しい。
足が重くなりながら、学校へ行く。
「咲希さんから、お話があるんだよね。」
全員の前だから、もっと緊張する。周りを見渡すと、ざわめいていた。
「ら、来週、転、校する、こと、に、なりま、した。」
相変わらず、こんな風になってしまう。
「そうなんだよね……」
「今まで、ありがと、うござい、ました。短い間だ、ったけれど、楽しか、った、で、す。」
楽しかったのは、先輩だけ。ただ、それだけだけど、こう言った。
もう、転校するのか……
先輩に、言わないと……あと、連絡先も交換したいな……
先輩の靴箱の中に、手紙を入れよう。
二年三組。と、確認しながら、佐々希奇空という、名前を探す。
他の学校とは違って番号ではないから、わかりやすい。
あ、あった。
誰かにばれないように、こっそりと、隠して、入れる。大丈夫かな……
次の日、先輩から話があると言われたので、緊張しているけど、行ってみる。
「こんにちは!」
「こん、にちは」
手紙のことかな?
「何の、ことで、すか?」
「転校、するんだよね?」
突然、先輩の顔がくもった。
「は、はい……」
「そっか……」
「連絡先、交、換しても、いい、ですか?」
「やりたい!やろ!」
先輩は、いつものように明るい笑顔で満たされているけど、心のなかでは泣いているんだろうな……
もう転校か……本当に、時の流れは、はやいな……
「今、まで、ありがと、うござ、いました。」
それが本当の気持ち。
そう言って、桃山高校を後にした。
_先輩、またどこかで、ね
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!