涼ちゃんの覚悟。
「やっぱり大学に入ったんだから卒業はちゃんとしないとって。親にも悪いし、それにこれからバンドやってくにしたって音楽の知識はあった方がいいでしょ?」
そう真面目な顔で涼ちゃんは続ける。
「だから今の正直な気持ちを教授に伝えて相談したんだ」
そこまで涼ちゃんが真剣に考えてくれてるなんて…。
「そうしたら教授が、真面目にやったって課題できなかったり、遊び呆けて留年する人も毎年いっぱいいるんだから、少しくらい落としたってかまわないんだよ。自分で決めたのなら応援するから好きにしなさいって言ってくれたんだ」
俺は呆然と涼ちゃんの顔をみつめる。
「まぁ留年するとか親には絶対怒られるだろうけど…。もしかしたら卒業するの元貴と一緒になったりしてね」
フフッとおかしそうに涼ちゃんが笑う。俺はその笑みに引き寄せられゆっくりとキスをした。
「涼ちゃん、本当にいいの?自分で言っといてなんだけど、涼ちゃん子供の頃からずっとピアノとかフルートがんばってきたんでしょ?」
「なんだよ、元貴は俺がいない方がいいの?」
絶対ヤダ!とギュッと強く抱きしめる。
「俺、別に音楽家になりたい!って思ってやってきたんじゃないんだよね。ウチ音楽一家で家族みんなやってるし、俺バカだから勉強するの嫌だっただけ。でもバンドはすっごく楽しいしやりがいを感じてる。それにここでも今までやってきたピアノやフルートは活かせてるわけじゃない」
何かを決意したような、吹っ切れた顔で涼ちゃんは笑う。
「だから、とりあえず今やってる課題だけは済ませておこうと思って、最近がんばってたんだ」
そうだったんだ…。
「それならこれからはもっと練習に参加できるね」
「まぁ、もちろん単位はなるべく取らなきゃだけど、教授にはわかってもらえたし、そろそろバンド優先にしても大丈夫でしょ」
「じゃあ俺にももっとかまってくれる?最近音楽科の奴らばっかり優先で全然遊べなかったじゃない」
「そうだなぁ、これからあいつらも課題で忙しいだろうから、しばらくは顔出し控えようかな。…俺も元貴ともっと一緒にいたいし」
上目遣いでちょっと照れたように言う涼ちゃんにドキッとする。
「俺ね、バンドも元貴と一緒だからやりたいんだよ。ライブで元貴と同じステージに立ってる。元貴の音楽の一部になってる。その瞬間がすっごく好きなんだ」
「…涼ちゃん」
俺は感動して言葉をうしなう。
「俺にとって元貴はやっぱり色んな意味で特別なんだ。心配かけてごめんね」
「俺にとっても涼ちゃんは特別だよ。もしかしたらバンド辞めて俺からも離れていっちゃうかもって思ったら夜も寝れないくらい…」
そう言ってお互いに見つめ合いながらキスをした。
次はこのままの流れでエッチの後、締めになります。
それにしてもなんて話のわかる教授なんだ😅
コメント
2件
涼ちゃんの優しさが心に染みる🫠教授天才!ありがとう!(´▽`)
教授天才ですね👏✨