すの短編

目黒蓮は雑誌やテレビのインタビューで、交際相手を束縛しないとたびたび発言している。渡辺はそれらを目にするたびに、笑いを堪えている。

世間へのイメージ作りだか何だか知らないが、目黒のプライベートを唯一知っている渡辺にとっては、ちゃんちゃら可笑しかった。

💙あっ…んぅっ……っい…っ！！

目黒が激しく渡辺を求めている時、肩や首に、時に強い痛みを感じて、声が出てしまう。

🖤翔太…出るよ？

💙いいよ…きて…っ

目黒が渡辺の中で果てた後、荒い息を吐いて、渡辺を抱きしめる。

すぐに背中を向けないのは、目黒の優しさだなと思うが、

💙やっぱり…

渡辺は鏡を確認して、ため息を吐いた。

💙ねえ、また、跡ついてんだけど

🖤んー？

目黒はとぼけるが、にやにやしている。

確信犯だな、と渡辺は呆れる。

💙蓮は、マーク付けないと気が済まないわけ？

二人きりでいる時だけ、二人は名前で呼び合う。

口を尖らせて抗議する渡辺を、目黒は愛おしそうに見つめている。

🖤ごめん、夢中で気づかなかった

💙嘘ばっか

コンシーラーで隠れるか？これ。

こっちは歯型だからだめだな。

渡辺は鏡を睨みながらぶつぶつ言っている。

衣装さんに言って、胸の開いた服は断らなければならない。

💙俺は鎖骨が売りなんだけど

どんな売りだよ、と目黒は笑ってから、少し脅すような口調で言った。

🖤他の男に見せんなよ、翔太の鎖骨

💙女はいいのか？

🖤問題外

目黒は後ろから、渡辺を抱きしめた。

鏡に端正な顔が並んで、渡辺はつい見惚れた。

しかし、目の奥はまだまだ子供っぽいなとも思っている。

🖤俺がミラノから帰るまで、残ってるといいな

💙仕事にならんわ

🖤浮気すんなよ

するかバカ、と振り返ったら、待ってましたとばかりにさらに深い口付けをされた。

1分以上求め合って、ようやく離れる。

そんな目黒の重い愛を、渡辺は実は気に入っている。

おわり。