この作品はいかがでしたか?
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『今日はもう、帰っていいぞ。』
『え、どうしてですか…』
鬼塚さんに帰っていいぞと言われてしまった。
『鬼塚様!どうしてですか!』
如月さんも必死に言う。
『昨日のこととかあるだろ?今日は休め。そして、明日またくればいい。』
『・・・』
鬼塚さんは気を使ってくれたみたいだ。
『もうお昼だし、食堂でなんか食ってからでもいい。』
と、いうことで、
食堂で昼食をとる。
如月さんは焼肉丼を、
僕は、
『焼肉丼、オススメだぜ?』
如月さんが勧めてくる。
『じゃあそうしよう。』
そして、2つの焼肉丼と、琥珀さん用の和定食をそれぞれ食べた。
『なぁ、銅!』
如月さんに呼ばれた。
『何かありましたか?』
『銅、訓練施設にいかねぇか?』
そういえば、訓練施設があったんだったな。
あれ?
あの時、初めてここにきた時も如月さんもいたよな。
何をしてたんだ?
『如月さん、初めてここに来た時、如月さんもここに…』
『あぁ、あの時は休みの日でさ、ここは休みの日とかでも来ていいんだよ。』
そうなんだ。
僕も強くなりたかったんだ。
僕は琥珀さんを見る。
琥珀さんは笑顔で、頷いてくれた。
『僕は訓練施設に行きます。』
『よしゃ!じゃ、行こうぜ!』
そういうことで訓練施設へ行く。
色々設定して、
また、あのアンドロイドが出てくる。
僕は、剣を構える。
そして走り、剣を振るう。
相手のレベルを上げ、何度も戦う。
敵レベル 攻撃力.強 防御力.強 速さ.強
戦闘時間 0分47秒
それなりに戦った中で1番の記録だった。
『銅、なかなかやるな!』
如月さんが言う。
敵レベル 攻撃力.鬼極強 防御力.鬼極強 速さ.鬼極強
戦闘時間 1分26秒
最上級をあっさりと、クリアしていた。
鬼極強とかもうよくわからない、
このレベルをクリアするのは、剣士として長く戦かった人でもかなり難しいらしいのに…
『皮肉にしか聞こえない。』
『昔の銅なら1分くらいで倒せるだろうけどな。』
昔の僕は一体何者なんだよ。
1体だけならなんとかなるけど、複数を相手にすると途端に難しくなる。
そして、隣には…
『もうムリ〜』
琥珀さんも、アンドロイドと戦っていたが、
疲れているようだ。
『どうだ?もう少し続けるか?』
如月さんが訊いてきた。
正直、かなり疲れている。
けど、コツを掴んできた気がする。
『少し休んだらもうちょっとだけしようかな。』
『銅、やる気だな!』
まだ、ほど遠くとも、
如月さんのようになりたい。
『よし!』
僕は、立ち上がる。
さぁ、もっと速く!
複数のアンドロイドと戦う。
『じゃあな!銅!』
『はい、お疲れ様でした!』
如月さんと別れて、
僕は少しゆっくりする。
少しは、強くなれただろうか。
琥珀さんに頭を撫でられる。
心地よい。
安心できた。
『僕たちも帰ろうか。』
『うん、』
僕と琥珀さんはベンチから立ち、帰ろうとした。
と、
『まだここにいたのか。今まで自主練してたのか?』
『わぁ!あ、ああすみません!あ、いえ、申し訳ございませんでした!』
急に誰かが声をかけてきた。
急のことで驚いてしまった。
声がした方を見ると…
鬼塚さんが立っていた。
先ほどの声は鬼塚さんだった。
『すまん、驚かせたようだな。どうだ、なんかコツを掴めたか?』
『は、はい!少しではありますが、コツを掴めた気がします!』
緊張する。
鬼塚さんはなんか怖いんだよな。
『そうか。ふっ、そんな緊張することはない。別に、かしこまらなくてもいいぞ?』
鬼塚さんは少し、笑顔を見せてくれた。
鬼塚さんは普段はそれほど怖い人ではないのかもしれない。
『そうだ。スマホ、持ってないだろ。』
そう言って、鬼塚さんがポケットからスマホを取り出した。
そして、
それを、僕の前に差し出した。
『これ、やるよ。仕事でも使うだろうし、』
え?
『いやいやいやさすがに受け取れませんよこんな貴重なものを2つもなんてとても…』
僕は必死に両手を横に振りながら言った。
『遠慮しなくていい。これも仕事だと思えばいいさ。』
そう言ってまた差し出す。
僕は恐る恐るそれを受け取った。
初めてのスマホ。
重厚感がある。
『とりあえず設定などをして、すぐ使えるようにしよう。』
そう言って、鬼塚さんに教えられながら設定する。
パスワードなどを決めて入力していく。
そして。
『これで設定はおわりだ。これで2つともすぐに使える。あとは…これが電話でこれがメールだ。だけど、こっちを使えば無料で両方ともできる。追加をしたければこうすればできる。』
知らないことばかりで混乱する。
だが、鬼塚さんがわからないことも丁寧に教えてくれた。
『大体はこんなもんか。何かわからなければさっき言ったところに電話すれば教えるから、まぁ今日はもう帰れ。』
鬼塚さんがポケットに手を入れて言った。
『長い間、丁寧に教えていただきありがとうございました。』
僕は頭を下げて、言った。
琥珀さんも、頭を下げた。
鬼塚さんは何も言わずに手をあげて、どこかへ行った。
さて、帰ろう。
今日は、久しぶりに琥珀さんが借りている家まで帰ることに。
僕と、琥珀さんは歩く。
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