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目を見開く幾ヶ瀬に、有夏の顔が近付く。
柔らかな唇が幾ヶ瀬のそれに重なり、同時に熱い舌が唇を割って入ってきた。
互いの口腔の粘膜を蹂躙するかのように舌を挿れたり、抜いたり、絡めたり。
激しい息づかいと、唾のたてる音が長い間つづく。
口の中が互いの唾でいっぱいになって、2人はようやく顔を離した。
コクリと音をたてて口中にたまった唾液を呑み込んでから、有夏が幾ヶ瀬の袖をつかむ。
「ユビじゃヤだ。ほかの……」
「有夏、かわいい……。ほかのって何? 何挿れてほしいの?」
言いながら幾ヶ瀬は、もどかしげに履いているものをずり下ろす。
屹立したそれの先端から溢れる白い液が、外からの灯かりに照らされてなまめかしく光っていた。
もう一度有夏の膝裏に手を差し込み、そのまま腰をくねらせる。
「あぁぁ……んっ」
深い処を抉られ、有夏が切なげに呻く。
「いく、せっ……て……」
「ん?」
「てぇ……」
「手?」
求められるまま、ゆらゆら揺れる白い手に指を絡めると、有夏もキュッと握り返してくる。
快感に歪む口元が、微かに笑みを作ったように見受けられた。
「ありか……そんな、締めたら俺、すぐイッちゃうよ……?」
肉壁にキュウキュウ締め上げられながら、それでも腰の動きを止められない。
有夏の奥を突いて、内部をかき回し、そして入口をくすぐる。
繰り返す動作が徐々に切羽詰まった速さになっていく。
いく、と口に出していたのだろう。
有夏がふるふると首を振る。
「だめぇ、もうちょ……がんばれ」
「えぇ? んん……がんばる、よ」
仕切り直すように腰の動きが止まった。
ゆっくり奥をかき回して、それから締めつけ具合を確かめるように出し入れする。
もっともっととせがむ有夏だが、足はガクガク震え、腰は痙攣していた。
恥ずかしいくらい高い声をもらして。
はだけた胸元を赤く染めて。
そんな有夏を見下ろしして、うわ言のように「かわいい……」と呟き、幾ヶ瀬も全身を震わせた。
「ありか……。ナカ、出して、いい……?」
根元まで差し込んだまま抱き寄せた耳元に囁く。
トロリとした目で有夏が頷いた。
「んっ……腹ン中、ヘンっ」
「ごめ。あとでちゃんと掻き出してあげる、から……ね」
できるだけ長い間、恋人の中にいたい。
幾ヶ瀬のそれは力を失ってズルリと滑り出ても、先端部分を有夏の内部に残したままだ。
「いくせぇ?」
有夏がもぞりと身を捩って、やっと2人は離れたのだった。
喘ぐように激しい呼吸を繰り返して後、ようやく有夏が身を起こす。
「はぁ……もぅ、なにこれ。きもちい……」
内部に出されたモノがドロリと動く度に、深い吐息をつく。
隣りで幾ヶ瀬が軽い笑い声をあげた。
「そんなに気持ち良かった? ねぇ、気持ち良かった? 俺も良かったよ?」
「うわ……」
途端、有夏が顔をしかめる。
ネェ、キモチヨカッタって何なんだ?
まさか行為の感想を求めているのか?
「そんなもん聞くな、引くわ」と、いつもの調子で憎まれ口を叩く気にもなれず、有夏は押し黙る。
頬を赤らめる有夏の腰を、幾ヶ瀬は寝ころんだままかき抱いた。
「うんうん、そんなに良かったかぁ。有夏のいいところは全部知ってるもん。あ、でも……」
「なに?」
腰を撫でまわす手がピタリと動きを止めた。
「何だろ、やっぱ久々で焦ってたかな」
「なんだよ。てか別に久々でもねぇだろ。昨日はしてねぇかなってぐらいだろ。有夏はゲームで忙しいんだ」
有夏の訝し気な声など幾ヶ瀬は聞いちゃいないようで。
しまった、なんて呟いている。
「俺としたことが。有夏のこっちのいいところ、ちっとも触ってあげなかったな……」
ごめんねと言いながら幾ヶ瀬の指が有夏の胸をつつく。
先端を弾かれ、彼は身を固くした。
「もぉムリ! もぉしない!」
「そぉ?」
言いながらもう片方の手はおしりに伸びる。
「いくせ?」
「だって、掻き出してあげないと」
しれっとした感じで言うと、呆れた表情で口を開きかけた有夏の上にドンと体重をかける。
「んん、おもい……。ちょ? ムリだって?」
「大丈夫だって、有夏」
「なにがだいじょぶだよ、幾ヶ瀬ぇ?」
さっきまでの乱れっぷりが嘘のように呆れ顔を作った有夏であるが、幾ヶ瀬は知っている。
彼のいいところを指でちょっとなぞれば、何だったら舌先でチロチロ舐めてやれば、途端に崩れてしがみついてくることを。
「いいところ」完
※いやはや、エロ話は筆が進みますなぁ! まったくもって、ほくほく気分でございますよ※
※今回も読んでくださってありがとうございました※
※ではまた週末に新しいお話を投稿します。よかったら見に来てね※