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⚠️BL的要素あり
「すげぇ雨だな…急ぎの任務が来なきゃいいが」
ジメジメするのは嫌いだ。
誰だってそう思うだろうし、好きとか言うやつはきっと蛙にでも憧れてるんだと思ってる。
特に理由もないが、部屋を見渡してみる。
小さなアパートの小さな部屋なので置ける物も限られてくる。 かと言って必要最低限の物しか置いていないので、凄く殺風景な部屋だと思う。
ジリリリン
電話が鳴る。 多分あいつか、と少し気だるげに受話器をとる。
「…もしもしぃ?」
『なぁ、ちょっとお前ん家寄ってもいいか?』
「はぁ?なんだよ突然、要件は?」
案の定、電話相手は当たっていたようだ。
彼の相棒であるマリオ・ズッケェロからだった。
少し人の話を聞かないところがあり、長年一緒にいるサーレーでも手を焼いていた。
『ん~、気分的に?』
「別に良いけどよぉ、どしゃ降りなのに本当に来る気なのか?」
『どしゃ降りでも行きたいって気分なのぉ~。じゃ、鍵開けておけよぉ』
ぷつッ 電話が切れる。
電話ごしでも騒がしいあいつ。
そんな彼にサーレーは密かに抱いていた。恋心を。
自分でも気づかないくらいこっそりだが、いつか分かる時が来る。
雨の勢いが弱まった。 きっとこれから晴れるだろう。