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昨夜、珍しく同僚の中原から電話がかかってきた
織「珍しいな中原から電話なんて」
中「頼みたいことがあってな」
織「頼み?」
中「嗚呼、お前の前世の友達で今最も会いたがっている太宰の面倒を見てもらい」
織「………………………………」
二人の間に沈黙が続いた
俺は考えていた
何故中原は俺に太宰の面倒を依頼した理由を
本心は太宰に会える機会に嬉しく思っていた
しかし自分以外に太宰と親交がある人はいるはずだ
例を挙げるなら芥川だろう
その疑問を俺は中原に尋ねた
中「手前には前世で大きな借りがあるその礼だと思ってくれ」っと
借り?俺は中原に借りを作るようなことをしただろうかと疑問に思っていた
中「それでどうするんだ?受けるか?」
そんなの俺の返事は決まっている
織田作から渡された本は恋愛小説だった
私は恋愛小説は苦手だ
自分とはかけなれなた世界で誰かに愛されるなんてこと夢のようなものだったから
だけど織田作の小説は僕と同じ環境で育った少女でオークション会場で拾われて幸せや恋を知る物語だった
自分と同じ環境や心境で読みやすく
こんなに夢中になって読んだ小説は初めてだった
太宰「織田作の書いた小説とても面白かったよ」
織田「喜んでもらえてなによりだ」
太宰「ねぇ、織田作他に君が書いた小説はある?もっと読ませてよ!」
織田「構わないがそろそろお昼だ昼食を食べに行こう」
その後私達は織田作の行きつけのカレー屋さんに行って沢山話をしているうちに私はすっかり織田作に懐ついてしまった
織田作は面白い人で何処か懐かしさを感じる人だ
まるで昔からの知り合いみたいに……あれ?この感覚前にも何処かであったような?
織田「太宰?大丈夫か?」
太宰「あ、ごめんね少し考え事をしていてね」
織田「そうか、体調が悪くなったのかと心配したぞ」
太宰「ごめんね、そろそろ戻ろうか」
織田「嗚呼、そうだな」
太宰「ねぇ、織田作」
織田「どうした?」
太宰「私もあの小説の少女のように誰かに愛される日がくるかな」
すると織田作は不思議そうな顔をした
織田「太宰はもう中原に愛されるじゃないか」
太宰「そうだね、私は本当に中也さんから愛されていると思うよけどあくまでそれは恋愛的なものではないよ」
織田「お前は気がついていないかもしれないが中原は太宰を恋人のように愛おしそうに見ているぞ」
太宰「気のせいだよ、確かに中也さんはそうゆう恋人みたいな行動をするけど無自覚でそうゆうとことをする変わった人だから」
織田「太宰は昔から恋愛に関しては鈍いな」
太宰「昔から?」
織田「何でない、気にしないでくれ」
すっかり日は沈み辺りが暗くなり始める
中也「はぁー、思ったより遅くなっちまった」
予想以上に仕事が溜まっており片付けるのに大幅に時間がかかってしまった
早く太宰に会いたい
俺は織田の執務室へ進む速度を早めた
中也「悪い、遅くなっ……た」
織田の執務室の扉を開くとすやすやと気持ち良さそうに眠る太宰が目に入った
織田「さっきまで中原の帰りを待望していたんだんだが」
中也「待ちくたびれて眠ってしまったみたいだな」
織田「そのようだな」
中也「織田、遅くまで太宰の面倒を見てくれてありがとうなこれからもよろしく頼む」
織田「礼を言うのは俺の方だ、また太宰に会える機会をくれたこと感謝している」
中也「もう仕事は終わったのか?」
織田「いや、この資料に少しミスがあってな暫く部屋を抜ける」
中也「手前も夜遅くまで大変だな」
織田「いや、中原に比べたら俺はかなり楽な方だ」
そう言って織田は執務室を去っていった
二人っきりになり俺は太宰の横に座り改めて太宰を見つめた
窓から月光の光が差し込みそれに照らされる太宰は
中也「綺麗だな」
俺はつい本音を溢す
中也「今日はどんなことをして過ごしたんだ?」
勿論太宰は眠っているため返答は帰ってくるはずがないが俺は続けて太宰に問いかけた
中也「織田とは仲良くなれたか?」
中也「なぁ太宰…………いつになったら俺の好意に気がついてくれるんだ?」
そして俺はキスを落とした
中也「はぁ、何やってるだろ俺」
疲労でおかしくなっている自分に呆れていると何時の間にか太宰は目を覚ましていた
太宰「どうしたの中也さん?そんなに慌てて?」
中也「…………いや、何でもない」
太宰「変な中也さん、まあいいや私少しお手伝いに行ってくるね」
何故だろう今太宰に避けられ違和感がして
後を追うと太宰は逆方向に走って行った
俺は急いで太宰を追いかける
中也「おい、太宰!待てよ」
俺は太宰の腕を掴む
太宰「離して……よ」
そう弱々しく話す太宰の耳は真っ赤だった