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スタート
ワンクッション
ーーーーーーー
夕方。
雨の降る日
涼し気な風に乗って雨の雫が頬に当たる
太陽は雲で覆い隠され、当たりは薄暗く、空気は湿っていた。
今日は最悪で最高の日。
何故なら全て終わるから
嬉しいこと
楽しいこと
感動したこと
それら全て無くなることに対する恐怖
…
ただ、それよりも、
悩み事
辛いこと
我慢すること
不安
叱られること
叩かれること
引きずられること
無理矢理何かをさせられること
プレッシャー
決めつけられること
暴言
人からの自分に対しての言葉
人からの視線
上げていくとキリがない程の嫌なこと。
それら全てが無くなると考えると、楽しいこと、嬉しいこととか、全部無くなる恐怖なんて、天秤にかけるまでも無い。
学校の屋上。
高い柵の向こう側に立つ。
優愛「たっか...笑、、」
そう呟く声は、少し震えていた。
その声の震えは、笑っているからなのか、
また、
死ぬことに対する恐怖なのか。
自分でも分からない。
優愛「...しにたく..なぃ、な、 」
気づくと、そう呟いていた。
ずっと死にたかった。
ずっと死を望んでいた、
いや、
死にたかったんじゃないのかもしれない。
生きたくなかったんじゃないだろうか、
生きたくないなら死ぬしかない。
死にたいのではなく、
生きたくない、のほうが正しいのだろう。
本当は死にたくない。
怖くて
怖くて
堪らない。
ただ、
私にとっては
生きることの方がよっぽど怖い。
雨で足元が不安定で、少しでも気を抜いたら滑って落ちてしまいそうで、後ろの柵を掴む手に力が入ってしまう。
その手を離すこと、いや、力を抜くことでさえ怖くて、足が震えている。
優愛「私、死ぬの無理かも...、」
そう小さな声で独り言を呟きながら座り込む。
座るスペースも少ないが、足を空中に垂らし、柵をがっちりと掴んでいるため、安定はしている。
少しだけ前に進み、落ちようとしてみるが怖くて体が硬直する。
いつから出ていたのか分からない涙が、視界を濁す。
優愛「私じゃ無理だ、ぁ、」
声の強弱が安定していなく、泣いているせいで声が上手く出せない。
瞬きをすると、毎回涙が頬を伝う。
ー分かるよ〜、、死ぬのって怖いよね。ー
そう優しい声が聞こえる。
その声の方向に視線を向けると、1人の少女が、柵の内側に立っている。
優愛「貴方、、誰なの、、」
泣いていることを誤魔化すため、視線を戻し、顔を伏せる。
羽音「私は羽音っていうの!!!ハーフなんだよー!」
‘’ハーフ”という言葉に興味を持ち、少し顔を上げる。
にひひっと笑う彼女の髪は、金色に輝いており、雨に打たれても、パサついていない。
サラサラの髪を揺らし、顔を傾ける彼女に目を奪われる。
羽音「友達にならない?私、友達いないんだ〜!笑」
そう明るい声で言いながら、柵に近付いてくる彼女。
そんな事を言ってくる子は1人も居なかったのに、
そんなことよりも驚いたのは、彼女の瞳の方だ。
宝石のように綺麗な水色の瞳。
光を反射して、余計に輝いている。
優愛「え、、、っ、、?」
咄嗟に言葉が出ず、思わずフリーズしてしまう。
羽音「勿論強制じゃないの!!なってくれたら嬉しいなーってだけで、!💦」
そう慌てて訂正するように早口で喋る彼女は、とても子供みたいで、少し可愛げがあった。
優愛「でも、、私、、今から自殺しようと、...」
そう言うと、彼女は先程とは顔つきが変わる。
全てを見透かしているような、
悲しいのだろうか、
いや、笑っているような気もする。
儚げな表情をし、顔を少し斜めに傾け、金色の髪を揺らし、こちらを見つめる。
羽音「そんな勇気、貴方にあるように見えないけど、?笑」
その一言に、体が反応する。
ビクッと肩が揺れ、
彼女の瞳を見つめ、
焦りを感じる。
優愛「そんなこと、、、」
彼女の言葉を否定しようとするも、その表情に少し驚き、言葉が詰まる。
彼女の顔から目が離せない。
あの表情は何なのだろう。
嫌な視線でも無い。
何かを貶しているような表情でも無い。
だからといって、笑う。という表現でも表せられない、寂しげな、淡い表情を浮かべていた。
その彼女の表情の事を数秒考えている間に、彼女は私の方へ近付いてくる。
動揺する私を包み込むような、
優しい、暖かいハグをしてくれた。
その瞬間、私はもっと涙が溢れてきた。
泣いてしまった。
恥ずかしいなんて感情は忘れて、
ただただ、その優しい抱擁に涙が止まらなかった。
すると、彼女は私を柵の内側へ引っ張り、座り込む私の背中を優しく撫でて、
私の話を心地の良い相槌を打ちながら聞いてくれた。
まるで、、彼女は...
ーーーーーーー
はい。
眠い。
風呂入らないといけない。
明日学校。
とても嫌。
あ、あああああああ頭おかしくなるーー!!!!!