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✧︎ とどろき.也 -うつろ
2,232
桃源暗鬼
四季愛され
ほのぼの(?)
⚠️普段カッコイイ人達含め、
皆様子がおかしいです。
それでも行ける方はGo!
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
ムダ先の鬼過ぎる鍛錬も終わって、やっと美味しい美味しい飯の時間……
だってのに!!!!!
「四季くんは僕の隣でッッッッ!!!!」
「お前は四季に何しでかすかわかんねぇから俺だっての!!!!」
「うるせぇ、俺に決まってるだろ。」
「あのっ、わ、私も一ノ瀬さんの隣がいいなぁ……なんて……って!すみません私みたいなゴミがでしゃばってすみませんすみません……」
「おいロクロォ。あーんしてやるから隣来いよ。」
「え゛。僕は四季くんの隣が……」
「あァ?わ・た・しだよな??なぁ??」
なんでみんな(漣を除いて)俺の隣を奪い合ってんだよ!?!?!?
「早く飯食いてぇのに……」
なんつっても今日は大好きな唐揚げ定食。絶対熱いうちに頬張りたい。席に座りてーけど、まさにその席の前で男たちの血で血を洗う(+1名のネガティブな女の子)の領土争いが勃発しているのだ。
「ゔ~ん……」
頭を抱えていると、
「しーきくんっ!」
と後ろから声をかけてきたのは、いつも以上ににこにこ輝いているチャラ先だった。
「四季くんが見えたから来ちゃったー!びっくりしたー??」
「後ろからだから余計びっくりしたわ!笑」
内心、救世主の登場にほっとした俺は自然といつもの調子で笑いかける。
が、未だ背後で火花を散らしている仲間達をどう引き剥がすか名案が浮かばない。
その時、俺の頭に天才的な閃きが降ってきた。
「なーチャラ先!昼飯食べる間だけ俺の事保健室に匿ってくんね??」
そう、俺という「特等席」を物理的に消滅させれば、皆争わずに平和的に飯が食える!我ながら天才的な発想だ。
「え~!四季くんこっち来てくれるの~!大歓迎だよ~!むしろ来て~!♡」
「まじ!じゃあ行かせてもらうわ!」
これでやっと念願の唐揚げにありつける……!今にも大音量で鳴りだしそうな腹をなだめ、チャラ先の隣に擦り寄った。
と同時に、チャラ先が俺の腰をがっちりとホールドしてくる。……まじでなんで??
色々ツッコミたいことは山積みだが、取り敢えずこの戦場(食堂)を出よう。
そう思った瞬間だった。
後ろから強引に首根っこを引っ掴まれた。
「グエッ」
「おい、お前どこ行くんだよ。」
「っ!皇后崎ッ!急に引っ張んじゃねーよ!」
いつも通りの憎まれ口を叩くコイツにイラつきながら振り返ると、そこにはさらに恐ろしい地獄絵図が広がっていた。
「ゔぅ……四季くんの隣は僕なのに……四季くんの唐揚げを頬張る頬っぺをつつきたかったッ……あーんとかして欲しかったのにっ……!そしてそのままいい雰囲気になって……グヘヘ」
「なんであのマスク野郎なんだよッ!クソ……」
「一ノ瀬さんの隣が良かった…うぅ、一ノ瀬さんの可愛らしい頬っぺを間近で見たかったのに……って、私に見られたら嫌ですよねすみませんジャンケンに負けた分際でしゃしゃり出てすみません埋まります……」
「ロクロぉ♡食べさせてやるよ♡」
「あ、ありがとう……漣さん……」
遊摺部は相変わらずきめぇし、みんなの俺に対する気持ちが限界突破しすぎてて本気で怖い。
おばけとかよりこえーかもしれねーぐらい。
てかみんな俺のほっぺそんなに好きなのかよ!?
「まじでなんでそんな俺の隣がいいんだよ?」
「そりゃ「それは四季くんが可愛いからだよね~!♡」
「被せてくんな。」
「え~?でも言いたかったことはこれでしょ~??」
は??俺が、可愛い???全員頭のネジがまとめて吹っ飛んだのか??流石に俺が可愛いはないだろ。100%ねー。ありえねー。だが、矢継ぎ早に浴びせられた「可愛い」というド直球な愛の言葉に、俺の貧弱なキャパは完全に限界を迎えた。
頭からプスプスと知恵熱のような煙が出始めている。
マジで、誰かこの地獄から助けてくれ~……!
「四季、ここで何をしている。」
その声は……!!!!
「ムダ先~!!!!泣」
恐怖の象徴だったはずのムダ先が、この時ばかりは世界一の救世主に見えた。一気に気持ちが押し寄せてきたのか、半泣きでムダ先へと駆け寄ろうとする。……が。
「おい、お前ら。俺の生徒に気安く触るな」
ムダ先はチャラ先の手をバシィィィンッ!と容赦なく叩き落とすと、そのまま俺の肩をぐいっと自分の方へ引き寄せた。
「え、ムダ先……?」
「四季、お前は俺の隣だ。担任として、お前の偏食と食事マナーを直近で監視する義務がある」
「いやだのっちそれ建前でしょ!目がマジじゃん!」
救世主、一瞬で敵陣営に寝返る。
これには黙っていない周りの猛獣たちが一斉に吠え出した。
「ハァ!?しょくむけんよう?だろ無陀野!!」
「先生だからってずるいですぅぅぅ!!四季くんの隣は僕の特等席ぃ!!」
「おい無陀野、そこどけ。俺が四季の飯の面倒を見る」
「お前ら、教師に向かってその口の利き方はなんだ。……四季、時間の無駄だ。行くぞ」
「ちょ、ムダ先力強いっての!、!」
まさに泥沼。大の大人と現役高校生たちが、一人の男子高校生の隣を巡ってガチの言い合いを始めようとしている。
ああ~……俺の胃に届くはずの唐揚げが、どんどん遠ざかっていく……。
ちなみに、屏風ヶ浦とロクロはしょげながら
サクサクと音を立てて唐揚げを静かに食べていた。
良いな~、俺も早く食いてーのに……
その時、食堂の入口付近に見覚えのある人影が目に入った。
「あァ? 何だ?随分と賑やかじゃねぇか」
「真澄隊長、おそらく間違えて食堂に……って、四季くん!?」
「真澄隊長!!馨さん!!」
まさかの練馬の2人が登場。今度こそ、今度こそまともな理性を持ち合わせた大人が来てくれた!!
「馨さんと真澄隊長~!助けてくれ~!泣
みんなが俺の隣座るって言ってきかなくて飯が食えねぇんだよ~!!」
藁にもすがる思いで叫ぶと、馨さんと真澄隊長は一瞬驚いたように目を見開いた後、それぞれ考え込む姿勢に入った。後、
「……なるほど。四季くんの隣を、ですか。……真澄隊長。本日の用件も済んだ事ですし、”僕だけ”ここで昼食を済ませてもよろしいでしょうか?」
「あ?…おい馨。”俺が”『元羅刹』の先輩として、一ノ瀬の面倒を見てやらねぇといけねぇみたいだからな。譲らねぇぞ。」
なんて、俺が必死な思いで縋った最後の希望を簡単にぶち破ってくれる”最悪”な返事を寄越しやがった。
「おいおいおいおい!!!!何言ってんだあんたら!!!???」
そう戸惑う俺を気にすることなく 馨さんがスタスタと早足でこちらへ歩み寄ってきて、ムダ先の反対側、俺の右隣に来る。
「四季くん、お手本として、僕が君の隣で食事の作法を教えてあげるね。ほら、こっちにおいで。」
「あァ? 抜け駆けすんじゃねぇよ馨。一ノ瀬、お前は俺の隣だ。菓子でも奢ってやるからこっち来い」
「ちょっと!!!!真澄隊長まで四季くんを何サラッと囲い込もうとしてるんですか!?!?!?」
「あァ!? 外部の人間が四季に触ってんじゃねぇよ!!」
と遊摺部と皇后崎が同時に机を叩き、
「お前ら、四季の可愛い頬っぺを拝めるのは俺たち同期の特権だろッ!?」
と矢颪が叫び、
「も~全員まとめてあの世に強制連行しちゃうぞ~?♡」とチャラ先が怪しく笑う。
ムダ先、チャラ先、皇后崎、矢颪、遊摺部、真澄隊長、馨さん。総勢8名の男たちが、俺の定食を囲むようにして、あーだこーだと言い合い始めた。響き渡る怒号。飛び交う殺気。その中心で、俺は静かに、自分のトレイの上を見つめていた。
大好きな、唐揚げ定食。カラッと揚がって、黄金色に輝いていたはずの、俺の唐揚げ。
じゅうじゅうと音を立てていたはずの油はすっかり冷め、衣はしんなりと元気を失い、心なしか白米も冷気で硬くなっているように見える。
……冷めちまった。
俺が、どんだけ楽しみにしてたと思ってんだ。あの鬼みたいな鍛錬を、この唐揚げだけを心の支えにして乗り切ったってのに。
ピキッ、と俺の頭の中で、何かが完璧に弾け飛ぶ音がした。
「……おい」
地を這うような俺の声に、目の前で掴み合っていた皇后崎と遊摺部がピクッと動きを止める。
「あんたらのせいで……ッ」
冷え切った唐揚げに視線を落としたまま、全身を猛烈な怒りで震わせる。 その瞬間、食堂全体の温度が、ムダ先の凍結能力でも食らったかのように一気に氷点下まで下がった。
「俺の唐揚げが、キンッキンに冷えてやがるだろうがァァァァァァッッッッ!!!!!!」
食堂に響き渡る、魂の絶叫。
「可愛いとか、隣がいいとか、どーでもいいんだよ!!唐揚げは熱いうちに食うから美味ぇんだろ!!お前ら全員、俺の大事な唐揚げの命を奪った大罪人だ!!反省しろ!!」
あまりの剣幕に、さっきまで淡々と俺を奪おうとしていたムダ先すらも
「あ、いや、すまん……」
と気圧されて一歩後退り、
馨さんも
「し、四季くん、落ち着いて……」
と俺を必死に宥める。
遊摺部にいたっては
「四季くんが怒ったぁぁぁ!!」と縮こまって泣き叫んでいる。
「もう隣なんて誰一人座らせねぇ!!今日はもう全員、俺に近寄ってくんなーーー!!」
結局その日の昼休み。食堂のど真ん中で、誰も近づけないほどのドス黒いオーラを放ちながら、一人寂しく冷え切った唐揚げをしょもしょもと噛み締める俺と。
そこから半径5メートル以上の距離を保ち、全員(真澄隊長と皇后崎、ムダ先を除き)で綺麗過ぎる正座をしている。
「本当に申し訳ありませんでした……」
とそこは全員で消え入りそうな声で謝り続けている。正に、大人&男たちの、奇妙な地獄絵図が完成形だ。
(もう絶対こいつらと飯食わねぇ……!!泣)
俺がご飯食べ終わったと思ったら、みんながお詫びっつって山ほどお菓子持ってきてくれてさ…。……いや、嬉しいけどよ?あんなにたくさん貰っちゃったら、なんか俺……逆にすげぇ申し訳なくなってくるじゃんか……
𝓯𝓲𝓷___
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……オチが分かりません!ごめんなさい🥹
皆さんに楽しんで頂けたなら私はこの作品を書いてよかったなと思えます!
感想等ぜひコメントしていただけると今後の活動の励みになります!
それではまた別の物語で👋
コメント
1件
わかる〜〜!!唐揚げ冷めたときの絶望感、ほんとヤバいよね(泣)! 主人公の「飯は熱いうちに食うから美味ぇんだよ!!」って怒鳴ったシーン、個人的にめっちゃ刺さった……! それまで可愛い可愛い言われてた子が、食い意地で全員黙らせるの最高だったよ🤍 最後みんなで正座して謝ってるのも面白すぎたw 続き、読みたいな……!🍗💥