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私はいつものように、目覚ましの音で目を覚ます。
おでこに手の裏をのせ、天井を見つめる。
朝一番に考えるのは好きな人の顔だった。
「はぁ、、、、、どうしてこうも考えちゃうんだろう、、、心臓の音が、、、うるさい。」
静かな場所が好きなのに、自分でうるさくしてどうするんだと、自分に問いかける。
今日も好きな人に会えるんだ。そう考えると体温が熱くなる。なぜだろう、、科学的根拠はないはずなのに、、
そんなくだらないことを考えながら、自室のカーテンを開け、日光を浴びる。
眩しい。そんなことはあたりまえだ。だが、、、、、
今日も一段と空が綺麗だった。
朝ごはんも食べ、駆け足で家を出た。すぐ、今すぐにでも、、、、
「彼に会いたい」という気持ちが、胸をくすぐっていた。
「おはよう、さえ」
朝一番に声をかけてくれたのは、小学生時代からの友人、まなだった。
「おはよう、」
目をつむると、セミとカラスの二重合唱が聞こえてくる。それも、昨日と違う声で。
「さえはさぁ、好きな人いるの、?」
「ふぇ?」
あまりにも急な質問に、間抜けな声がまなの耳を通る
「『ふぇ』ってなによw」
彼女はあまりにもおかしそうに笑った。思わずまなの顔を見て私自身も腹を抱えて笑った。
「ごめん、びっくりしすぎて、w」
私は彼女に説明した。
「ってか、そのこえ、絶対いるでしょ、w」
彼女の言葉が、全身の体温を上げた。夏なのに、これ以上体温をあげるのは勘弁してほしいと思う。
「えぇ、どうだろね、」
二人の笑い声、それに重なるセミとカラスの音に、自分の心臓の音が混ざり合う。
「気になる、だれだろう、!?」
まなは好奇心旺盛な子供のようにキラキラと輝いた目で、私を見つめる、
「教えないよ~、まぁ、その気になったら言うかもね、」
彼女より少し前に出て、振り向く、そして言った。
「、、、っんふ、さえらしいね、」
彼女はさっきとはまるで別人のような澄んだ瞳で私を見つめ、涼しげな声で私に言ったのだった。