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続き
第2話 秘密の条件
――翌朝。
星ヶ丘学園。
いつも通り、校門には生徒会長・ころんの姿があった。
ころん「おはよう。制服の着崩しは禁止だ」
生徒A「はい!」
ころん「遅刻するぞ。急げ」
生徒たちは慌てて校舎へ入っていく。
今日も完璧。
乱れのない制服。
冷静な表情。
誰に対しても平等な態度。
昨日のことなど、最初からなかったかのように。
――ただ。
ころん「……」
視線だけが、校舎の奥へ向く。
そこには。
さとみ「おはよ、会長」
壁にもたれたさとみがいた。
ころん「……」
さとみ「無視?」
ころん「仕事中だ」
さとみ「へぇ」
ころん「何か用か」
さとみ「昨日の約束、忘れてないかなーと思って」
ころん「……忘れてない」
さとみはニヤッと笑った。
さとみ「じゃあ放課後な」
ころん「……何をするつもりだ」
さとみ「秘密」
ころん「お前な……」
さとみ「じゃ、またあとで」
そう言って、さとみは去っていった。
その背中を見ながら。
ころん「……本当に面倒な奴だ」
そう呟いた。
――しかし。
ころんは知らなかった。
昨日の写真を撮ったのが、さとみだけではないことを。
昼休み。
生徒会室。
ころん「……」
一人で昼食を取っていると、
コンコン。
扉が叩かれた。
ころん「どうぞ」
ガチャ。
入ってきたのは――
さとみだった。
ころん「……またお前か」
さとみ「昼飯、一緒に食おうぜ」
ころん「断る」
さとみ「早っ」
ころん「ここは生徒会室だ。お前がいる場所じゃない」
さとみ「でも俺、会長の秘密知ってるし」
ころん「……」
ころんの手が止まる。
さとみ「ほら」
机の前に座る。
さとみ「昨日の写真」
ころん「……その話をするな」
さとみ「じゃあ条件追加」
ころん「何?」
さとみ「俺と飯食う」
ころん「……は?」
さとみ「それだけ」
ころん「それが条件?」
さとみ「うん」
ころんはしばらく黙った。
そして、小さくため息をつく。
ころん「……分かった」
さとみ「よっしゃ」
ころん「ただし、ここだけだ」
さとみ「了解」
さとみは嬉しそうに笑った。
二人は向かい合って昼食を食べ始める。
しばらく沈黙が続いた。
さとみ「……なあ」
ころん「何だ」
さとみ「会長って、いつも一人で飯食ってんの?」
ころん「……そうだな」
さとみ「友達は?」
ころん「必要ない」
さとみ「へぇ」
ころん「何だ」
さとみ「いや」
さとみは箸を止める。
さとみ「寂しくないのかなって」
ころん「……」
その言葉に。
ころんは一瞬だけ目を伏せた。
ころん「……慣れてる」
さとみ「慣れてるって、一番寂しいやつじゃん」
ころん「……」
さとみは、それ以上何も言わなかった。
ただ、いつものように笑っていた。
放課後。
約束通り、さとみはころんを呼び出した。
場所は――旧校舎。
人がほとんど来ない場所だった。
ころん「……ここで何をする」
さとみ「ちょっと付き合って」
ころん「それだけじゃ分からない」
さとみ「まあまあ」
さとみが扉を開ける。
その先には――
古びた音楽室。
ころん「……音楽室?」
さとみ「そう」
部屋の中央には、古いピアノが置かれている。
さとみ「弾ける?」
ころん「……少しだけ」
さとみ「じゃあ弾いて」
ころん「なぜ」
さとみ「俺が聞きたいから」
ころん「……」
ころんはピアノの前に座った。
そして、鍵盤に指を置く。
ポロン。
静かな音が、誰もいない音楽室に響く。
次第に。
ころんの指が滑らかに動き始める。
さとみ「……」
いつものころんとは違う。
無表情ではある。
けれど、その横顔はどこか穏やかだった。
演奏が終わる。
ころん「……終わった」
さとみ「すげぇ」
ころん「これくらい普通だ」
さとみ「普通じゃねえよ」
さとみは少し笑った。
さとみ「やっぱりさ」
ころん「?」
さとみ「会長って、俺が知ってる会長と全然違う」
ころん「……どういう意味だ」
さとみ「学校じゃ完璧」
ころんを見る。
さとみ「でもここでは、ちょっと普通の高校生っぽい」
ころん「……」
さとみ「俺は、こっちの方が好きだけど」
ころん「…………」
ころんの耳が赤くなる。
さとみ「ん?」
ころん「……何でもない」
さとみ「耳赤いぞ」
ころん「うるさい」
さとみ「照れてんの?」
ころん「帰る」
さとみ「待てって!」
ころんが立ち上がった、その時。
――ガチャ。
突然、音楽室の扉が開いた。
???「……あれ?」
二人が同時に振り向く。
そこに立っていたのは――
ころんの幼馴染だった。
ころん「……!」
幼馴染「ころちゃん?」
さとみ「……」
幼馴染は二人を見比べる。
そして。
幼馴染「……なんで、二人でここにいるの?」
ころん「……」
さとみ「……」
空気が凍る。
そして幼馴染は、ふと笑った。
幼馴染「もしかして――」
一歩、近づく。
幼馴染「二人、付き合ってる?」
ころん「違う!」
さとみ「……まだな」
ころん「さとみ!」
――こうして。
二人だけだったはずの秘密に。
新たな人物が近づき始めていた。
誤字あったら教えてください.ᐟ.ᐟ
おつみあ.ᐟ.ᐟ
コメント
1件
うわあ2話もすっごく良かった〜!🌸 ころん会長の完璧生徒会長なのにピアノ弾けるとか「慣れてる」って言っちゃうとことかギャップ萌えが止まらん😭💕 さとみくんの「まだな」発言に会長が真っ赤になってるのめっちゃ可愛すぎて叫んだわ…!! 最後に出てきた幼馴染も気になる〜次の話が待ち遠しいよ⋆♡ おつみあでした!