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第3話 幼なじみの気持ち
「付き合ってる?」
その言葉が、音楽室に響いた。
ころん「……違う」
さとみ「まだな」
ころん「だから違うって!」
莉犬「……ふーん?」
ころんの幼なじみ――莉犬。
昔からころんのことを知っている。
小さい頃から一緒に遊んで。
学校も同じ。
ころんが生徒会長になってからも、変わらずそばにいた。
そして――
莉犬は、ころんが好きだった。
ずっと。
だからこそ。
ころんの隣にいるさとみが、少し気に入らなかった。
莉犬「……ころちゃん」
ころん「何?」
莉犬「今日、一緒に帰ろ」
ころん「……ああ」
さとみ「へぇ」
莉犬「……何?」
さとみ「別に?」
莉犬はさとみをじっと見る。
莉犬「ころちゃんに変なことしてないよね?」
さとみ「変なことって?」
莉犬「……」
さとみ「俺たち、秘密があるから」
莉犬「秘密?」
ころん「お前!」
さとみは楽しそうに笑う。
莉犬「……ころちゃん?」
ころん「……何でもない」
莉犬「そう……」
莉犬は笑った。
けれど。
その笑顔は少しだけ寂しそうだった。
帰り道。
ころんと莉犬は並んで歩いていた。
莉犬「ねえ、ころちゃん」
ころん「何だ?」
莉犬「最近、ピンク頭と仲いいよね」
ころん「……そう?」
莉犬「うん」
ころん「別に仲良くはない」
莉犬「でも、一緒にいるじゃん」
ころん「……」
莉犬「昔はさ」
莉犬は少し笑う。
莉犬「放課後、いつも俺と一緒だったのに」
ころん「……昔の話だろ」
莉犬「そうだけど」
少しの沈黙。
莉犬「俺さ」
ころん「?」
莉犬「ころちゃんのこと、誰よりも知ってると思ってた」
ころんは足を止めた。
ころん「……莉犬君?」
莉犬「でも最近、知らないことが増えてきた」
莉犬は笑っている。
けれど、その目は笑っていなかった。
莉犬「……ちょっと寂しいな」
ころん「……」
ころんは何も言えなかった。
翌日。
昼休み。
教室がざわついていた。
生徒A「転校生来るらしいぞ」
生徒B「マジ?」
生徒C「今日から?」
莉犬「転校生かぁ」
莉犬は窓の外を眺めていた。
すると。
担任「入ってこい」
ガラッ。
教室の扉が開く。
一人の男子生徒が入ってきた。
るぅと「今日からこの学校に通うことになりました」
るぅと「よろしくお願いします」
莉犬「……」
その瞬間。
なぜか。
莉犬の胸が――
ドクン。
大きく鳴った。
莉犬「……え?」
その男子生徒は、穏やかに笑っていた。
るぅと「名前は――」
るぅと「るぅとです」
莉犬「……」
目が離せない。
自分でも理由が分からなかった。
ただ。
その笑顔を見た瞬間。
なぜか、心が温かくなった。
莉犬「……何だろ」
そして。
まだ莉犬自身も気づいていない。
この出会いが――
いつか自分の「好き」という気持ちを、大きく変えてしまうことを。
放課後。
生徒会室。
ころん「……莉犬君、今日はどうしたんだ?」
莉犬「え?」
ころん「さっきからぼーっとしてる」
莉犬「……別に」
ころん「そう?」
莉犬「うん」
そこへ。
さとみ「おーい、会長」
ころん「……またお前か」
さとみ「昨日の続き」
ころん「何の話だ」
さとみ「秘密の話」
莉犬「……」
莉犬は二人を見る。
以前なら。
ころんの隣にいるのは自分だと思っていた。
けれど。
今は――
なぜか、さっきの転校生の顔が頭から離れなかった。
莉犬「……俺、帰るね」
ころん「莉犬君?」
莉犬「また明日」
そう言って、莉犬は生徒会室を出ていった。
廊下を歩きながら。
莉犬「……何でだろ」
胸に手を当てる。
莉犬「ころちゃんのことが好きだったはずなのに……」
そして。
小さく呟く。
莉犬「……あの人のこと、もっと知りたい」
――幼なじみへの恋が。
少しずつ。
別の恋へと変わり始めていた。
名前莉犬
ころんの幼なじみ
好きな人ころんだが後から、、、
名前るぅと
転校生
好きな人???
コメント
1件
おお、3話お疲れさまです! 莉犬くんの「知らないことが増えてきた」って台詞、すごくグッときました。幼なじみだからこそ見える距離感の変化って切ないですよね…。それなのに転校生・るぅと君の登場で胸が鳴るラスト、この先の恋の揺れ動きがすごく気になります!「秘密」って言葉も二度出てきて、まだ明かされてない何かがあるんですね…続き楽しみにしてます!