「月島!」
君はそう言っていつも通り笑いかけてくれる。少し恥ずかしそうにしてる君は僕にこういった。
「俺、影山のことが好きなんだ」
知ってる。君が僕のものにならないことなんて。王様のことが好きなんて知ってる。王様も君のことが好きなんだから。
「影山な、すぐ俺にボケって言ってくるんだよ!酷くない!?」
そう言いながら笑う君はどこか楽しそうで。
もっと僕らが違う場所でもっと僕らが違う関係で出会っていたら君は僕のことを好きになってくれたのかな?僕がもっと違う価値観でもっと違う性格だったら君と結ばれたのかな?そう願っても無駄ということは知っているけど
君から
「影山と付き合ったんだ」
そう言われた。だから
グッバイ。僕の恋心。君の運命の人は思っていたとおり僕じゃなかったみたいだ。辛い。辛い。辛いな。でも君の嬉しそうな顔を見れて良かったよグッバイ。僕の初恋。そう言ってしまうと僕にとって君はなんだったんだろうね。答えは分からないし分かりたくもないんだ。たったひとつ確かなことがあるなら君は綺麗だよ。
「つっきー?」
「あ、ごめん」
最近、つっきーは僕が話しかけても上の空で話なんか全然聞いてないみたいだ。ずっと日向の方を見てニコニコしてる。僕は日向を少しだけ羨んだ。いいな。僕にはあんな顔しないのに。いいな。僕の方が先に知り合ったのに。
「日向がさー」
つっきーは日向の話ばかりしている。
「そんなに好きなら告白してみれば?」
「…ううん」
「どうして?」
「日向は王様のことが好きだから」
「…そっか…ごめん…」
その夜、僕は日向にイラついてしまった。
もっと僕らが違う場所でもっと僕らが違う関出会っていたら君は僕のことを好きになってくれたのかな?いたって純粋な心で叶わないと分かりきっていても伝えられる勇気があれば何か変わっていたのかな?そう願ったって虚しいだけなのさ。
「日向、王様と付き合ったんだって」
「そうだったんだ」
「…うん」
「辛いなら泣いたら?」
「いいの?」
「つっきーならいいよ」
「山口は優しいね」
「あの、さ、」
「どうした?」
「こんな時だから言うんだけど」
「ん?」
「ずっとつっきーのことが…」
ずっと片想いではいられない。
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