テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

元貴に抱きしめられたまま、しばらく動けなかった。

(……体、だる……けど、なんか、あったかい)


「若井。シャワー、浴びよっか」


「えっ……あ、うん……」

頷いたものの、立ち上がろうとして膝がガクッと崩れた


一緒入る?って言おうと思ったけど、ぐっとこらえて若井を脱衣所まで運んだ



「どっち先入る?」


「元貴先はいりなよ」


「いいの、ありがと」



wki side


元貴の背中が風呂の中に消えていく

若井は静かに扉を閉め、その場に立ち尽くした


(……なんで、「一緒に入ろう」って言えなかったんだろう)


ドアの奥からシャワーの音

まだ身体の奥に残っている熱とだるさが、じんわりと自分を包んでいた


(あのまま、もう少しだけ――そばにいたかったのに)


言葉にすれば、きっと彼は笑って頷いてくれた

わかっている。でも、それでも言えなかった


恥ずかしかったのか、意地を張ってしまったのか、自分でもよくわからない

ただ、胸の奥にぽっかりと小さな空白ができたような気がした


(こんなときくらい、素直になればよかったのに)




omr side




髪にお湯を通しながら、そっと目を閉じる

まぶたの裏に浮かぶのは、さっきまで触れていた、若井のあたたかさ



湯気の中、小さく息を吐いた



それは寂しさでも、後悔でもなく――ただ、彼に甘えたいという、静かな想いだった



この作品はいかがでしたか?

42

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚