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『試験官の緑川ナルキで〜す。どーぞよろしくね?』
「はい、じゃあ最初は…えっと、奈々雪そや、くん??名字奈々雪なんだぁ〜初めて知った〜」
「…俺あんま名字好きじゃねぇーんだわ、あんまそっちの話はしなくて結構だから」
あんな親のことなんざ考えたくもねーわ…
「へぇ〜そうなんだ〜分かった〜まぁでも一旦こっちにおいで〜、試験のときは個人個人でやるからさ!」
そう言いそやを引っ張って連れて行ってしまった。
「ねぇ、そやくん大丈夫かな?」
れいが心配そうにいつりに聞いた。
「う〜ん、まぁ大丈夫っちゃ大丈夫だよ。でも、ナルキってのとそやはちょっとだけ相性が悪いかな〜」
「で、試験?ってのは何すりゃいいんだよ。」
「ん〜まぁまぁ、一旦ここ座って〜」
…こいつ多分人の話あんま聞かないタイプだろ……
笑顔が一瞬消え、まるで舐め回すようにこちらをじろじろと見てくる。
正直俺こいつ苦手だ…
「…異能力が、炎を操ることで〜、あとは〜赤ちゃんのとき路地裏に捨てられたんだっけ??」
資料らしきものをペラペラめくりながら話していた。
「あぁ、そーいやそうだったな。赤ん坊の時捨てられてよ、大変だったぜ…」
「ふーん、怒んないんだ?」
首をかしげながらこっちを見てくる。うざいな…
「別に怒りはしねーな…俺親のこと嫌いだし、見たことねーし…」
「ん〜どちらかというと、親がどうでもいいみたいな感じ??」
「そーだな、俺親のこと別に気にしてねーわ」
いやー納得した。納得した。どーでもいいんだわ俺のこと捨てたやつらのことはな。
「まぁいいや、分かった。んじゃあ君は一旦終わり〜、次は、立華れいくんっての連れてきて〜」
「ん〜りょーかい、れい連れて来るわ〜」
そういいドアを開けた。
「あ!そや〜どうだった〜?」
いつりが俺に気づいたらしく声をかけてきた。
「別に、知らん。特になんも言われなかった。」
「えぇ〜つまんないの〜」
こいつは一旦無視して、
「おい、れい。次お前だって。」
「えっ、僕??」
「おー、そうらしい、いってら〜」
「えぇ…じゃあ行ってくるね…」
「失礼します…」
「は〜いどうぞ〜、」
ナルキさんは足を組みながらなんかの資料を見ていた。
「あ、れいくんで合ってるよね??」
「え、あ、はい…」
「別にそんなに緊張しなくてもいいよ〜あ、そこに座って〜」
「あ、はい……」
そやくんは大丈夫そうだったけど…でもやっぱり怖いな…
「えっと、異能力はものをコピーするで合ってるよね??」
「はい、合ってます…」
「あ、そうそう、君たち4人は孤児院で育ったんだっけ??」
「え、あ、はい…そうですけど…どうして知ってるんですか…?」
「ん〜まぁ、色々調べたからね〜、ここの人たちは皆優秀だからさ〜」
調べたってことは、りれんのことも…
りれん大丈夫かな…?
やっぱりこの人怖いな…
「ねぇ、君さ、戦える、よね?」
こっちを見ながらニッコリと笑いかけてきた。
だがその笑顔はまるで貼り付けたような何も感情が乗っていない、
ただ…仮面を被っているようだった。
「っはい…戦えます。」
笑いかけられた瞬間空気が重くなった気がした。
肌が粟立つような感覚…
この人…確かに強い……きっと僕より、遥かに…
なんせ僕は、4人の中で一番弱いから…
これで第2話終了です。
読んでくださりありがとうございました。
次はいつりとりれんの試験です。
多分投稿頻度は急激に下がります。