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「珍し。響、明日から夏休みだから浮かれてると思ったら元気ないじゃん」
隣の席のあさ美が言う。
「藤村先輩とデートしたりするんじゃないの?」
「そーよ。だ・か・ら!今日いろいろと奏ちゃんと計画しようと思ってたわけ!」
俺はあさ美に突っかかる。
「だから!に中点入れないで。いいじゃん、計画しなよ。うらやま。」
「その肝心な奏ちゃんが体調悪くて休んでるの」
俺は、スマホの奏ちゃんからのメッセージを見せる。
゛頭痛がひどくて休むね。また連絡する゛
「藤村先輩、休むのもいちいち響に連絡すんだ。ラブラブじゃん」
「そう。俺、大事にされてるの」
「もうその話聞き飽きたわぁ。てゆうか、先輩が学校にいないと響が騒ぐからちゃんと連絡くれるんじゃないの?」
それは、めっちゃあり得る。
「だから俺、心配だから終業式終わったら奏ちゃんの家に初めて行くわけ」
「結局、のろけね…夏休み楽しんでね」
「あさ美もな」
「あたしこの夏は絶対、彼氏作る!」
「頑張れ〜」と適当に言いながら俺は奏ちゃんにメールを打つ。
「あたしの話も聞けよっ」
とあさ美が怒っていた。
奏ちゃんの家に行くのは初めてだ。
住所を聞いてスマホのナビ機能で奏ちゃんちを目指す。
初めてのお家デート。
家族は今日いないってメールで言ってた。
奏ちゃんの家に二人きり。。
いや、今日は奏ちゃん病人だからな!
お見舞いだけして帰ろう。
それだけで我慢できたら俺、偉すぎだぞ。
自信はないけどな!
俺は、途中のコンビニでアイスやらジュースを買ってようやく奏ちゃんちに着いた。
ワクワクしながらピンポンを押す。
てか、奏ちゃんの家立派じゃね?もしかしてお坊ちゃん?お坊ちゃんぽいよな。
なんて考えてると、奏ちゃんがドアを開けた。
「響。いらっしゃい。道迷わなかった?暑いし大丈夫だった?」
「奏ちゃんこそ大丈夫なの?」
「うん大丈夫だよ、早く入りな」
「お邪魔します…」
急に恥ずかしくなる。
初めての奏ちゃんの家。
奏ちゃんの部屋。
「響、適当に座ってね」
「奏ちゃんの部屋綺麗だね。てゆうか、寝てなくて大丈夫なの?」
「うん、薬飲んだら頭痛治まった。たぶん睡眠不足」
「昨日寝られなかったの?」
「うん、いつものことだけど親が喧嘩しててね。昨日も怒鳴りあっててうるさかったから」
初耳。奏ちゃんの家庭事情。
なんか複雑そうだな。
「寝れない時は俺に電話してよ。」
「真夜中だったから、響に迷惑かけちゃうよ」
「真夜中だって何だって、奏ちゃんが困ってたら飛んでいくよ、俺」
奏ちゃんが微笑む。
Tシャツと薄手のハーフパンツ姿の奏ちゃんが新鮮。
部屋着なのかな、何着てもかっこいい。
奏ちゃんの部屋に二人きりという緊張で今さらドキドキしてきた。
「あっ奏ちゃんにお見舞い!アイス買ってきたから食べよ!」
気まずくなってコンビニの袋を奏ちゃんに渡す。
「ありがとう、響」
奏ちゃんの親ってどんな人だろう。
そんなことを考えていたら奏ちゃんが
「あっ!」と大きな声をあげた。
「響…アイスすごい溶けてるよ」
見ると、アイスの袋を勢いよく開けようとした奏ちゃんの手とTシャツがソーダアイスで濡れていた。
「えっ?マジごめん!ごめんだけど、奏ちゃん開ける前に溶けてるの気付かなかった?」
「響が俺の部屋にいるなぁと思ったら、嬉しくて…。ボーっとしてた」
「奏ちゃん…。俺のこと大好きなんだね」
俺は嬉しくて自分の頬を両手で包んで赤らんでみる。
そこは無視されて、奏ちゃんが言う。
「Tシャツ着替えないと」
と言って、奏ちゃんが背中を見せてTシャツを脱ぎ始める。
やばい、今の俺には刺激が強すぎる。
だけど見逃すわけにはいかない、奏ちゃんの生着替え。。
すると、奏ちゃんが後ろを振り向き微笑みながら
「じろじろ見ないでよ。響のえっち」
と言った。
見るよ、そりゃ見るよ。好きな人の裸だよ?
めっちゃ胸とか腹筋とかの筋肉が綺麗で、肌が白くて。この身体に抱き締められたい。
「奏ちゃん、せめてその裸を写メに撮ってもいい?」
「やぁだよっ!響、何考えてんの?」
「やぁだよ!って…奏ちゃん今の可愛すぎ。俺、可愛い死するよ?」
「だったら、俺もう何十回も響に可愛い死してるよ」
奏ちゃん…。なんて嬉しいこと言うの。
「奏ちゃん、俺可愛い?」
「可愛いよ。すっごく」
「じゃあ抱いて?」
「だぁめっ」
だぁめっは可愛いけど、ちょっとショック。
「響がそういう事したいのはわかってるけど」
「気付いてた?さすが奏ちゃん」
奏ちゃんがTシャツを脱いで、上半身裸のまま俺の横に座る。
俺はすかさず奏ちゃんの素肌に寄りかかる。
「奏ちゃんはしたくないの?俺とえっちなこと」
「したいよ、めちゃくちゃしたいよ」
座りながら見上げると、奏ちゃんの頬が赤い。
めちゃくちゃしたい…。嬉しい、奏ちゃん。
胸がギュッとなる。
同じ気持ちでいられることが嬉しい。
でもまた奏ちゃんは俺を天国から地獄へと落とす。
「響、でも俺たち男だから、その…。いろいろ大変じゃん」
えー、またその話ぃ!?