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1件
おお…第19話、ついに核心に迫ってきましたね。12年前の事故を知っていたという蓮くんのお父さんの告白、そして青い腕時計の人物が遂に姿を現すラスト。震えました。 特に心に残ったのは、静佳ちゃんが「今度は、一人じゃないから」って言ったところ。12年前の孤独を乗り越えて、みんなと一緒に立ち向かおうとする強さが感じられて、ぐっと来ました。そして誰一人帰らなかった仲間たちの温かさ…。 最終話まであと一話。全部のピースがどう嵌るのか、もう待ちきれないです。最後まで大切に読みます📖
第19話 最後の夜
「……そんな……」
蓮の父親は、スマホの画面を見つめたまま動かなかった。
「父さん?」
蓮が覗き込む。
「誰から?」
「……」
「父さん?」
ようやく、父親が顔を上げた。
「蓮」
「うん」
「今すぐ事務所へ戻る」
「……え?」
「湊音と静佳のところへ」
蓮の表情が変わる。
「何があったの?」
父親はスマホを握りしめた。
「……送信者が分かった」
「誰?」
「12年前から、ずっと追っていた人物だ」
「……!」
「そして――」
父親が低い声で続ける。
「その人物は、私たちのことを知りすぎている」
***
その頃、事務所。
「……」
静佳は、何度もスマホを見る。
「まだ連絡ない?」
湊音が聞く。
「うん」
「蓮……」
心音も心配そうに時計を見る。
「もうかなり時間経ってる」
「電話も出ない」
「……」
静佳は唇を噛んだ。
「私、探しに行く」
「待って」
心音が止める。
「一人で行くのはダメ」
「でも――」
「みんなで行こう」
おさでいが言った。
「蓮を探すなら、全員で」
「……うん」
その時。
「……あれ?」
ころんが窓の外を見る。
「何?」
「向こうの道路」
全員が窓へ集まる。
「……誰かいる?」
暗い道路。
街灯の下。
一人の人物が立っている。
「青い腕時計……」
静佳が呟いた。
「また……?」
湊音が前へ出る。
「俺、見てくる!」
「待って!」
莉犬が腕を掴む。
「一人で行ったらダメ!」
「でも!」
「今まで何回言われた?」
「……」
湊音は黙る。
そして。
「……分かった」
少しだけ悔しそうに笑った。
「みんなで行こう」
***
事務所の扉を開ける。
――誰もいない。
「……?」
湊音が辺りを見る。
「さっきまでいたのに」
「逃げた?」
さとみが周囲を見る。
「……いや」
静佳がしゃがみ込む。
「これ」
地面に、小さな紙が落ちていた。
拾い上げる。
そこには――
『公園へ。三人だけで。』
「……」
静佳の顔が曇る。
「三人だけって……」
「罠だろ」
さとみが言う。
「でも、蓮がいるかもしれない」
静佳が立ち上がる。
「行く」
「静佳!」
心音が止める。
「大丈夫」
「……」
「今度は、一人じゃないから」
「……」
心音は少し笑った。
「俺も行く」
「俺も」
おさでいが続く。
「俺たちも!」
ころんが手を挙げる。
「全員で行けばいいじゃん!」
「そうそう!」
ジェルも頷く。
「三人だけって言われても、聞く必要ないやろ」
「……みんな」
静佳の目が潤む。
「ありがとう」
***
その頃。
蓮は――
一人で公園へ向かっていた。
「……」
父親の制止を振り切って。
「俺が行く」
「蓮!」
「二人を待たせたくない」
「だが――」
「父さん」
蓮は振り返った。
「12年前、俺は何もできなかった」
「……」
「二人が離れていくのを、ただ見てた」
「でも今度は違う」
蓮は笑う。
「もう、一人じゃないから」
そして走り出す。
***
公園。
誰もいない。
「……」
蓮は辺りを見回す。
「誰かいる?」
返事はない。
すると。
「蓮!」
「……!」
振り返る。
「湊音……!」
「見つけた!」
静佳も走ってくる。
「蓮くん!」
「どうして……」
「どうしてじゃないよ!」
静佳が少し怒った顔をする。
「なんで連絡してくれなかったの!」
「……ごめん」
「心配した」
「……うん」
「すごく」
「……ごめん」
湊音も蓮の肩を叩く。
「もう一人で抱えるなよ」
「……うん」
「俺たち、約束しただろ?」
「……うん」
三人が並ぶ。
その時。
――パチ。
公園の照明が一斉についた。
「……!」
そして。
スピーカーから声が響いた。
『三人とも、揃ったね』
「誰!?」
湊音が叫ぶ。
返事はない。
『12年前と同じ場所』
『本当に懐かしい』
静佳が辺りを見回す。
「どこにいるの!?」
『君たちは、何も知らない』
『でも――』
『今日で全部終わる』
「……!」
蓮が拳を握る。
「出てこい!」
『蓮』
「……!」
『君のお父さんは、まだ嘘をついている』
「……何?」
『12年前の事故を起こしたのは――』
一瞬、音声が途切れる。
そして。
『君のお父さんじゃない』
蓮が息を呑む。
『でも、君のお父さんは――』
『事故が起きることを知っていた』
「……!」
「蓮……」
静佳が見る。
「違う……」
蓮が呟く。
「父さんがそんなこと……」
『信じられないなら』
『写真を見て』
その瞬間。
三人の前に、一枚の写真が落ちてくる。
蓮が拾う。
「……!」
そこには――
12年前の公園。
幼い三人。
そして。
その少し後ろに――
蓮の父親。
「……」
写真の裏には。
『彼は、事故が起こることを知っていた。』
「……父さん」
蓮の顔が青ざめる。
静佳がそっと蓮の手を握る。
「蓮くん」
「……」
「大丈夫」
「でも……」
「まだ何も分からない」
湊音も頷く。
「そうだよ」
「……二人とも」
「俺たちで確かめよう」
***
その時。
公園の入り口から――
「蓮!」
「……!」
蓮の父親が走ってくる。
その後ろには――
心音たち全員。
「父さん!」
「蓮!」
「大丈夫!?」
静佳がほっとする。
「みんな……」
だが。
蓮は写真を持ったまま父親を見る。
「父さん」
「……」
「これ、何?」
父親の顔が固まる。
「……」
「12年前」
蓮の声が震える。
「事故が起こるって、知ってたの?」
長い沈黙。
やがて。
父親が目を閉じた。
「……知っていた」
「……!」
全員が息を呑む。
「ただし」
父親は続けた。
「事故を起こしたのは私じゃない」
「じゃあ誰!?」
湊音が叫ぶ。
父親は三人を見る。
「……あの日」
「私が警戒していた人物は――」
そして。
ゆっくり一人の名前を口にした。
「君たちの近くにいた、大人だ。」
「……え?」
静佳が固まる。
「近くにいた……?」
「そうだ」
「でも」
心音が聞く。
「そんな人、誰なんですか?」
父親は答えようとした。
その瞬間。
「……!」
突然、スマホが鳴る。
父親が見る。
画面には――
『最後の答えを、事務所で。』
その下に。
『今夜12時。』
「……」
父親が顔を上げる。
「……まだ終わっていない」
***
午後11時40分。
全員、事務所へ戻っていた。
「あと20分……」
ころんが時計を見る。
「何が起こるんだろ」
「分からない」
莉犬が答える。
「でも、みんな一緒だから」
「うん」
静佳が頷く。
湊音も隣にいる。
蓮もいる。
そして。
心音とおさでいも。
すとぷりのみんなも。
Knight Xのみんなも。
AMPTAKxCOLORSのみんなも。
めておらのみんなも。
すにすてのみんなも。
誰一人、帰らなかった。
「……すごい人数だな」
蓮が苦笑する。
「そりゃそうでしょ」
莉犬が笑う。
「仲間だもん」
「……ありがとう」
***
午後11時59分。
「あと1分」
時計の針が進む。
「……」
静佳は湊音の手を握った。
「大丈夫?」
「うん」
「怖い?」
「ちょっと」
「私も」
二人で笑う。
蓮も二人を見る。
「俺もいるから」
「うん」
午後12時。
――パッ。
部屋のモニターが勝手についた。
画面に映ったのは――
12年前の公園。
そして。
そこにいた一人の人物。
「……!」
静佳が息を呑む。
「この人……」
「知ってるの?」
心音が聞く。
静佳は震える指で画面を指した。
「……私」
「この人、覚えてる」
「……!」
「12年前」
「私たちに声をかけてきた人……」
湊音も思い出す。
「……俺も」
蓮が画面を見る。
「じゃあ、この人が――」
画面が切り替わる。
現在の映像。
事務所の廊下。
そして。
そこを歩いている人物。
「……!」
全員が一斉に振り返る。
「まさか……」
廊下の向こうから。
ゆっくり人影が近づいてくる。
その手首には――
青い腕時計。
そして。
その人物が口を開く。
「……12年ぶりだね」
三人の顔が凍る。
「――湊音」
「――静佳」
「――蓮」
「……!」
「ずっと、会いたかったよ」
静佳が震える声で呟く。
「……あなたは」
その人物は――
ゆっくり笑った。
「覚えてないよね」
「でも私は――」
一歩、近づく。
「ずっと三人を見ていた。」
――そして。
12年前の真実が。
ついに、明かされようとしていた。
最終話まで、あと一話。