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20
あまね🍡💠
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昼休み。
朝霧湊は弁当を持って屋上へ向かった。
扉を開けると、すでに椿小春と神童輝羅の姿があった。
「お、湊。」
「こんにちは、湊くん。」
自然と挨拶を交わし、三人はいつもの場所へ腰を下ろした。
屋上には心地よい風が吹いている。
小春の肩には、一羽の小鳥がちょこんと乗っていた。
「その子、前に話してた鳥?」
湊が尋ねる。
小春は嬉しそうに頷いた。
「うん。もうすっかり元気になったよ。」
小鳥は小春の頬をつつき、楽しそうに鳴いた。
「相変わらず懐いてるな。」
輝羅が言う。
「小春は動物に好かれるからな。」
「そうかな?」
照れたように笑う小春。
その様子を見て、湊も思わず笑みを浮かべた。
「そういえばさ。」
湊は弁当を開きながら言った。
「二人って将来何になりたいとかあるの?」
小春と輝羅は顔を見合わせた。
最初に口を開いたのは小春だった。
「私は獣医さんかな。」
「やっぱり。」
湊は納得したように頷く。
「動物を助けたいんだ。」
小春は優しく小鳥の頭を撫でた。
「おばあちゃんの影響もあるしね。」
琴葉の顔を思い浮かべたのか、小春は少し微笑んだ。
「いい夢じゃねぇか。」
輝羅が言う。
「輝羅は?」
湊が聞く。
すると輝羅は迷いなく答えた。
「俺は誰よりも強くなる。」
その言葉には一切の迷いがなかった。
「軍隊とか?」
「国の仕事かもしれねぇな。」
輝羅は空を見上げる。
「能力を持って生まれた以上、責任があると思ってる。」
湊は少し驚いた。
普段は自信満々な輝羅だが、その言葉には覚悟のようなものが感じられた。
「湊は?」
今度は輝羅が聞いた。
「俺?」
湊は少し考える。
そして照れくさそうに頭を掻いた。
「保育士かな。」
「保育士?」
小春が目を丸くする。
「うん。」
湊は笑った。
「子供好きだし。」
「似合うかも。」
小春が言う。
「確かに。」
輝羅も珍しく同意した。
「子供に好かれそうだ。」
三人は思わず笑った。
能力も違う。
目指す未来も違う。
それでも今、この時間は不思議と心地よかった。
これがずっと続けばいい。
そんなことを湊は少しだけ思った。
――――――
放課後。
育成プログラム施設。
一人の男が机に置かれた資料を見つめていた。
日下部隼人。
国の育成プログラムを担当する教官の一人である。
彼の視線は、一枚の資料で止まった。
そこに書かれていた名前。
――朝霧湊。
日下部は静かに呟く。
「朝霧湊……か。」
窓の外では夕日が沈み始めていた。
そして日下部は再び資料へ目を落とす。
その表情は、どこか興味深そうだった。
第八話 当たり前じゃない日常 完
コメント
1件
うわああ第8話読み終えたよ〜!!😭💕 屋上での三人の将来の話、めっちゃ良かった…! 湊くんの保育士志望、めっちゃ似合うし輝羅の「責任がある」って言葉に覚悟感じたよ…。 小春ちゃんが獣医さん目指すのも納得!鳥さんに懐かれてる姿がもう尊すぎる🥺✨ 最後の日下部さんの登場で一気に空気変わった…!次が気になりすぎるよ〜!!🌸