テラーノベル
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荒い呼吸がようやく落ち着いてきた頃。
ソファにぐったりと沈み込む藤澤の頬に、若井の大きな手がそっと触れた。
「……喉、渇いただろ。飲め」
差し出されたグラスには冷たい水が注がれている。
縛られていた手首がまだ震えていたが、藤澤は両手でそれを受け取った。
ごく、ごく、ごく……。
喉を鳴らして水を飲み干し、息をつく。
「……美味しい……」
かすれた声でそう呟き、微笑んだ藤澤の顔を見て、若井の胸は甘く痛んだ。
「……可愛いな」
⸻
若井は藤澤をそっと抱き上げ、浴室へと連れていく。
「……よし、立てるか?」
「ん……大丈夫……」
足元はまだ覚束なかったが、若井の腕に支えられながら歩を進めた。
シャワーのお湯が降り注ぎ、二人の肌を伝う。
若井はシャンプーを手に取り、泡立てて藤澤の髪を優しく撫で洗う。
「……くすぐったい……」
「我慢しろ。綺麗にしてやる」
指先が頭皮をマッサージするように動き、藤澤は目を細めて身を委ねた。
「なんか……子供みたいだな、俺」
「俺の大事な猫を洗ってるだけだ」
真面目に言い切る若井に、藤澤は思わず笑い声を漏らした。
次に、ボディソープを泡立てて背中や腕を撫で洗っていく。
縛られて赤くなった手首の跡に指が触れるたび、若井は一瞬手を止め、優しくなぞるように洗った。
「……痛むか?」
「……ううん。若井がしてくれるから……気持ちいい……」
胸や腹も丁寧に洗われ、最後に脚まで。
すっかり泡に包まれた藤澤は、シャワーで流されながらうっとりと目を閉じた。
⸻
風呂上がり。
タオルで身体を包まれ、髪をドライヤーで乾かされる。
「風邪ひくと困るからな」
真剣な顔で髪を乾かしてくれる若井に、藤澤は頬を赤らめた。
「……若井、ほんと優しい……」
「当たり前だ」
その言葉が嬉しくて、藤澤は小さく「ふふっ」と笑った。
⸻
ソファに戻ると、ブランケットで二人の身体を包み込む。
暖かなぬくもりに守られながら、藤澤は鈴を小さく鳴らし、甘えた声で囁いた。
「……ねぇ、若井……今、一番して欲しいこと……聞いてもいい?」
「ん? なんだ」
藤澤は視線を逸らし、恥ずかしそうに唇を尖らせた。
「……ギューってしてて……」
一瞬の沈黙のあと、若井の顔に笑みが浮かぶ。
「……可愛すぎるだろ」
そう言って、強く抱きしめた。
大きな腕の中で、藤澤は安心しきったように目を閉じる。
「……俺、大好きだよ、若井」
震える声で告げられた言葉に、若井の胸が熱くなる。
「……俺もだ。大好きだ、涼ちゃん」
二人の心臓が重なり合う音が、静かな部屋に溶けていく。
⸻
やがて眠りに落ちる前、藤澤の首元で小さな音が響いた。
首輪の鈴が、微かに、けれど確かに鳴った。
それは、二人を結びつける永遠の証のように響き、
夜の静寂の中でいつまでも余韻を残した。
END
初めての系統だったので
すごく勉強になりました…!
ご期待に添えてるか心配ですが😅
ありがとうございました☺️
この出会いに感謝です💕
コメント
4件
終わっちゃったね〜 初めて読む系統だったからどんな感じにるかわかんないからドッキドキで見てた!!!
めっちゃドキドキしながら見させていただきました♪リクエスト答えてくださりありがとうございました♡♡