コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
注意書き
・死ネタ
・人によってはハピエンと感じる人も
バットエンに感じる人もいる
・ゆうむい?むいゆう?
・話重い
・現パロ
・ぐろ
あの日、僕の兄さんは死んだ。
「──────無一郎!!!!」
兄さんの声が聞こえたその1秒後、 ドンッと大きな音を立てて 僕の兄さんは車に
跳ねられた。 ただ買い物に 2人で行った
だけなのに。兄さんは僕を庇って
僕の目の前で死んだ。
その姿は見るも無惨な姿で、
完全にミンチになっており、
これが兄さんなのか疑うぐらいに
ぐちゃぐちゃ になっていた。
目の前がくらんだ。
1分前まで楽しく話していたのに。
車に跳ねられた瞬間
こんな姿になるなんて。
…なんで?なんで周りの人は、
死んだ兄さんに スマホを向けるの?
なんで兄さんに向けて動画を撮るの?
誰も兄さんを助けてくれないの?
誰も警察を呼んでくれない。
誰も助けてくれない。
兄さんが死んで1ヶ月がたった今。
僕は鬱になってずっとベッドに
横たわっていた。
最近ストレスで寝れていない。
1ヶ月前は、僕が沢山寝すぎて兄さんに
起こされるのがルーティンだったのに、
今はもうまともに寝れなくなってしまった。
いつも起こしてくれる兄はもういない。
1人には大きすぎるダブルベッド。
今は一体何月何日だろう。
日付が分からないのでスマホで確認
しようとするが、
スマホの画面がバキバキで動かない。
兄さんとの 思い出を見ていた時に
苦しくなって スマホを割ったんだった。
今いるこの部屋は真っ暗。 明るいのが苦手に
なってからカーテンも全部閉めている。
まぁ、他にも部屋を暗くする
理由はあるが。
カーテンを閉めてても、
太陽の光がさしていた。
今はきっと 朝か昼なんだろうなとぼんやり
思った。
どうでもいいけど。
兄さんが死んでから食欲も湧かず、
何も食べない日々を送っている。
でも、人間の体は何かを食べないといけない
らしく、僕の体がSOSを出していた。
でも体が動かない。お腹がすいてるなんて
どうでもいい。
どうせ食べた所で味すらしないのだから。
僕はしばらくぼーっとしていると、
トイレに行きたくなった。
鬱になってもトイレはどうしても
行きたくなるもの。
僕はしょうがなく体を起こした。
その瞬間、とてつもない吐き気が襲う。
「、お”ぇ”……ゲホッ」
僕は急いでトイレに駆けつけ、トイレで
吐いてしまった。
でも、最近何も食べていないせいか、
吐くものすらなくなって胃液ばかり
口から出ている。
これも日常茶飯事になってもう慣れたが。
しばらくしてトイレを済ませた後、
またベッドに倒れ込んだ。
兄さんがいないから僕はこんな
ダメ男になっちゃったよ。
ねえ、兄さん。あの世から僕の事見てる?
僕もうだめなんだ。耐えられない。
歯磨きもお風呂も食事もまともに
出来なくて、 体力も失ってもう走ること
すら出来なくなった。
早く死にたいなぁ。早く 兄さんの所に行きたい。
僕は頑張って体を起こし
近くにある ロープを手に取り天井に縛った。
……そろそろこの人生は幕を閉じる。
今までこの部屋にはお世話になった。
たくさんの楽しい思い出がここにある。
僕は周りを見渡したあと微笑んで 首吊りを
した。
僕はしばらくすると目が覚めた。
ここは何処だろう。起き上がると
目の前に兄さんが立っていた。
つまり僕は首吊りに成功したのだ。
「…兄さん!!!」
僕は嬉しくて兄さんの方に駆け寄った。
すると急に左の頬の痛みを感じた。
兄さんにビンタされたのだ。
「…にいさん?」
「…このばか!!!」
兄さんは泣いていた。どうして泣いてるの?
「……お前っ、来るな!!」
「なんで…?僕は苦しかったんだよ。
兄さんがいなくて、毎日死にたいって
思ってたのに……」
「…俺が死んだ時、お前は鬱になって
夢も希望も失ってた。俺はそれに対して
怒ってるんだ。
勝手に置いていったのは 悪かった。
でも、お前は……
ご飯もまともに食べてないし風呂にも
入ってないし歯磨きもしてないし
毎日嘔吐してばっか。俺はそんな
お前の姿を見て胸が締め付けられたんだ。
なんで置いていったんだろうって
自分を責めた。
お前が自殺した時なんかもう絶望だった。」
「……だって、僕には兄さんしか
居 なかったから。最愛の人を目の前で
亡くし て、死んだ姿が
ぐちゃぐちゃ だったら メンタルやられるよ。
兄さんがいなくなってから全部が
どうでも良くなって、 ご飯もお風呂も
何もかも
めんどくさくなっちゃって。
兄さんと僕の部屋を見る度辛くなっちゃう
から部屋を毎日真っ暗にして暮らしてた。
もう耐えられなかったの。
毎日お腹も頭も痛いし毎日嘔吐しちゃうし
死ぬしか無かった。」
「……お前が辛いのは
分かってる。わかってるけど…
お前だけは楽しく過ごして欲しかった」
そう言うと兄さんは優しく僕を
抱きしめてくれた。
「…ごめんなさい」
僕も兄さんを抱き締め返した。