「暗殺者が口を割る前に」
怒りに任せ、次々に書類を破く。
どうせ残すわけにはいかない。
「僕が暗殺ギルドと繋がっている証拠を可能な限り処分しなければ…!」
もう暖炉の火たきにしか使えないほどに小さくなった書類が、バラバラとフレデリクの足元に落ちていく。
紙一片たりとも残してはいけない。
――そうしなければ自分の身が危ない。
怒りでクラクラとする頭を抑え、フレデリクはただひたすらに書類を破り続けた。
昼下がりの柔らかな日差しが皇宮を照らしていた。
皇女宮では、アンジェリカがフェリクスを抱きかかえたまま同じ場所を行ったり来たりしている。
昼の温かさに気付くこともなく、落ち着か**************************
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