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「huka。これ着な」
マスターが私に差し出したのは洋服だった。
私のような失敗作が着ていいのか。
そう悩んだ末、マスターからの気持ちだと思い、貰うことにした。
「マスター、ありがとう」
私がそう言うとマスターは優しく微笑んで大きくて心地よく大きな手を私の頭にポンッと置いてくれた。
暫く歩いていると彼は一軒家の前で足と止め
「君に紹介したい子が居るんだよ」
そう言い始めた。
「紹介したい子…?」
私が問い掛けるとマスターはニコッと笑ってその一軒家の扉を開けた。
「おかえり…マスター…」
扉の中には1人の男の子が居た。
「ただいま、Fukase。君にサプライズがあるよ」
マスターはそう言うと、自分の背中に隠れていた私を優しく前に出し、ニコッと微笑んでいた。
「なんで?なんで居るの…??」
彼は私を見るなり、目いっぱいに涙を溜め、意味不明な事を言いながら私を見ていた。
「Fukase、hukaだよ」
マスターがそう言うとFukaseという人はいきなり泣き出して私に抱きついた。
「なんで泣いてるの?ダイジョウブ?」
私がそう問い掛けると彼は私を強く抱き締めて、ごめんねごめんね。とただその一言を何度も繰り返していた。
彼が落ち着いて寝た時。
マスターが私の肩に手を置き
「少し時間ある?」
そう問いかけた。
「ある」
私がそう答えるとマスターは私の手を優しく引っ張り、歩を進めひとつの部屋に連れ込んだ。
「さっきの子はね。君と同じVOCALOIDなんだよ…」
赤髪の少年。顔の半面がロボットのようになっていた。腕は包帯だらけ。
何やら辛い過去がありそうな悲しく笑う目。
そんな彼はFukaseというらしい。
「huka。思い出したくないかもしれないけどね、これは君の研究所での話だよ。」
マスターはそう言うと淡々と話し出した。
huka。それはVOCALOID機能Fukaseを解剖、そして改造して作られたAIVOCALOID機能だった。
製作途中予想外の出来事が起こり、AIVOCALOID機能hukaはエラーを起こし不良品となってしまった。
その後も今度作られていくhukaの為の実験材料として有色透明な液に着けられ、保管されていたのだ。
「君はあの子と同じなんだよ、」
私はFukaseから作られたAIなんだ。
そう納得出来たのはつかの間だった。
「じゃあ私って何なの…?」
そんな問いがつい口から出てしまった。
FukaseはFukase。hukaは…Fukase?
「hukaはhukaだよ。」
マスターはそう言うと私を強く抱き締めてくれた。
「マスター…ありがとう」
私がそう言うとマスターはニコッと微笑んで、次の話をしようか。そう真剣な顔で言った。
「さっき、いきなりFukaseが泣き出して驚いたでしょ…あれはね、Fukaseの過去に関係しているんだよ」
マスターはそういうとまた淡々と話し始めた。
/ 現在公開可能な情報 /
マスター
性別 / ¿?
身長 / 165
性格 / 気遣いが出来る優しい性格の持ち主。