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「どうしてって、…。」
佐野さんの困ったような声がした。
「私はほんとに大丈夫です。」
「んー…」
「自分で自分の価値下げんな。それだけ。」
「そうだ、それだ!仁人ありがと。」
「…なるほど、。」
やっぱりよくわからない。
どうしても自分は価値のある人間だって
どう頑張っても思えない。
「正直に事の経緯を話してもいいけどね。」
「いっそのこと話しちゃう?」
「陽菜ちゃんは?困らへんの?」
「ぁー…私も大丈夫です。」
どうせ家族とは縁切ってるし、って言えば
「え!嘘やん!ほんま?!」
誰よりも驚いた塩﨑さん。
「ほんとです。」
「えぇー!いつ?」
「卒業式終わりに絶縁宣言してきました。」
「会わないし連絡もしない。」
「だからそっちも連絡してこないでって。」
素直に報告すれば
『そっかそっか。でも良かったね?』って
謎のフォロー。
思わず吹き出せば
「そんなフォロー望んでねぇって。」
って、私の心の声を勝手に代弁した仁人くん。
それに余計に笑いが止まらなくなって
仁人くんの隣でケラケラ笑っていたら
「陽菜って意外とゲラ?」
って、佐野さん。
「そうだよ。この子、ほんとはよく笑うの。」
なんでも見透かしたかのように言ってくる
仁人くんになんだか悔しくなって
「私のことよく知らないでしょ。」
って、口を尖らせれば
「なんとなくなら知ってるよ?」
だって。
「自己肯定感が低いのも」
「お喋りが得意じゃなくて1対1を好むのも」
「料理と読書が好きなことも」
「実は構ってちゃんなところも」
「それなりに一緒にいればわかることだよ?」
「私の保護者みたい、。」
血の繋がりなんてない。
少し、ちぐはぐな関係性かもしれない。
けどたしかに
仁人くんは私の親代わりであって
親戚に近い感覚がある。
「もうさー」
「親戚ってことにして正直に言っちゃ駄目?」
「いいんじゃない?」
「陽菜は?どう?」
「いいと思う。」
「何かあったときは俺たちも守るから。」
だから安心して?って柔太朗さん。