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私に下された条件というのはいくつかある。
まず、船に乗せてもらっている間私はマルコさんが率いる一番隊に入ること。
この船は一番隊から十六番隊までの隊があるらしい。
マルコさんは一番隊の隊長であり船医である。
なので一番隊は戦闘はもちろん主に医療班の役割をしているそうだ。
この世界には海賊や海賊達を捕まえる海軍というものも居る。
遭遇した際に戦わないといけない事態になったりするし、戦闘時にケガ人が増えることもある…。
一番隊でマルコさん達から医療についてしっかり学べとのことだ。
ただその代わり
「いぶきに戦闘はさせねェ。
この船では元々女戦闘員を入れねェ事にしてんだ。」
戦わない代わりに医療班として活躍しろということだ。
それに加え万が一の時に備えて護身術も学ぶようにと。
それらの条件とあともう一つ。
もう一つの重要な条件というのは
「この船に居させるのはあくまで記憶が戻るまでだ。
どこに向かおうとしてたのか、何をしようとしていたのか、どこから来たのか……何でもいい。
思い出したらすぐにマルコか俺に言え。
あァそれと、これはおめェはよっぽどねェだろうが、
ここに居る奴らの命を奪うって真似も御法度だ。
もし破った場合は女であろうと容赦しねェ……」
「はい、分かりました。」
記憶を失っているこんな私をここへ居させてくれるだなんて…。
それだけでもありがたい…。
私は下された条件を全て守ると約束し、深く頭を下げる。
「本当にありがとうございます。
ここへ居させて下さるからには、
精一杯皆さんのお役に立てるよう努力します…!」
「グラララ…大した奴だ。
生意気な小僧共を今まで見てきたが、
礼儀がきちんとなってる奴ァ好感が持てる。
いぶき、しばらくの間だが俺を父と呼べ。
俺ァここに居る奴らをみんな息子と呼んでんだ。
だからおめェも“娘”と呼ぶ。」
娘……
ナースの皆さんがさっき言ってたな…。
ここに居る人達を彼は家族のように思っているのだと…。
私も娘と思ってくれるんだ……?
何だか不思議だ……記憶が戻るまでの期間ではあるけど
家族として迎え入れてくれることに温かさを感じる。
「ありがとうございます、オヤジ…いや、
“お父さん”の方がいいでしょうか…?」
「グラララ、どちらでもいい。好きに呼べ。」
「じゃあ…“お父さん”で」
私を迎え入れてくれたお父さん達の為に
精一杯頑張らなきゃ…そう心に誓った。
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