⚠あてんしょんぷりーず!
※擬人化前提の話です。
※全員(見た目は)女です。
※∑🕶、👊🏹、🍣👁、☀️📱前提。
※以上のことが許せる人だけGO!↓
荒川はいつものように、太陽の背後を狙っていた。他の沼と比べても一段と大きく、圧倒的な存在感を放つ彼女を己の鉤爪で、己の手で切り裂くことが荒川の夢だった。それでも真っ当勝負では絶対に勝てないであろうことも荒川は分かっていた。だからこうして背後を取るのだ。
そんな太陽は荒川にも気づいていない様子でスタスタと何処かへ歩いて行く。荒川はしめたといった様子で音も無く建物の影から飛び出しその爪を太陽へ向けた。太陽はこちらを振り向かない。自分の勝ちだ、と荒川は思った。しかし、次の瞬間には自分の体は太陽の下、それも壁に打ち付けられていた。
目の前にいる太陽は片手で金色の磔を抱え、こちらを見下していた。意識が鮮明になり始めると共に、体に鈍い痛みがはしる。あぁ、弾き飛ばされたのだ、と理解するのにはそう時間はかからなかった。
「惨めですねぇ!?寿司ィ!?」
「あー、また負けちゃいました。」
「ったりめぇだろ、俺は神だぞ???神に勝てるとでも思ってるんですかぁ〜!?!?!?」
パッパッと体に付いた瓦礫の欠片を払い除けながら立ち上がる。手元を確認すれば、少し汚れてはいるもののまだ折れてはいない鉤爪が目に入った。太陽にしては大分加減した方だろう。自分を飛ばした当の本人は謝るどころか胸を張り自分で自分を褒め讃えていた。
「で??なんの用ですか、お寿司さん!?俺これから大事な野暮用があったんですけど!?襲う為だけに来たっつったら殺す。 」
「あー、何でしたっけ?」
荒川は首を傾げながら太陽を見る。太陽と荒川ではかなり身長差がある為、彼女が普通に立った状態だと視線は丁度太陽の腹の当たりにくる。だから太陽の顔を見るには顔上げなければいけないのだが、荒川は何故かいつもは上げるはずの顔を太陽の腹に固定し、じっと太陽の腹を見つめていた。
「おい!!!!なんなのこの寿司!?変態!?!?誰かぁ!!誰か大人の男の人呼んでぇ!!」
「・・・太陽さん 」
「な、なんですか??なんなんですかぁ!?!?」
「お腹触らせてください。」
「は???????」
荒川が突拍子もないことを言うのはいつものことだったが、この日はいつもに増して変なことを言い出した。
「え???なんで腹???」
「なんか気になっちゃいまして。」
「え????????」
「てことで触らせてください。」
「は!?あ!!!!おい!!!!」
太陽が止める暇もなく、荒川は太陽の腹に引っ付いた。手でペタペタと触ってみたり、頬や頭をぐりぐりと押し付けてみたり、その様子はさながら猫のようだった。
「えぇ・・・???結局なんなんだよ????」
「意外と硬いっすね。」
「なにそれ、煽ってる???」
「いや、褒めてます。」
太陽の腹は平均的な女性と比べれば腹筋も中々あるため、決してとても柔らかいとはいえないものだった。でも筋肉が良質なのだろう、ところどころ弾力も感じる、そんな腹だった。
「満足した????」
「あっはい」
「仕返しだコノヤロー!!!おめーの腹も触らせろください!! 」
「あっ、どうぞ。」
すんなりと承諾した荒川を自分の胸の下から持ち上げぷにぷにと腹の感触を確かめる。痩せた細い体はエクレアをも彷彿とさせる肉付きをしている。上から少し触るだけであばら骨が分かるほど華奢な体だった。でも、これほど細くなければあのスピードは出せないのだろう。そう考えていると、荒川が居心地悪そうにもぞもぞと動き始めたのでパッとその高さから荒川を落とした。彼女は特に苦戦する様子もなく綺麗に着地してみせた。
「どうでした?ワシのお腹の触り心地は?」
「お前もっと飯食ったほういいですよ???」
「食べてますよ〜?寿司。」
「そ、う、じゃ、なぁぁぁぁい!!!!!」
太陽は一頻り叫ぶと荒川をズルズルと引きずりながら何処かに行ってしまった。恐らく向かう先はマイドンランチだろう。そんな二人をたまたま見かけてしまった二沼がいた。二人は顔を見合わせるとニヤリと笑い、自分の相棒にもしてやろうとその場を走り去って行った。
「てことで」
「「腹見せろお前らァ/バチ!!」」
「「えぇ?」」
ここはナナメ村外れの氷虎の工房。そこで急にやって来た二人に正座させられているのはシグキンとこの工房の主、氷虎だった。二人を急に正座させたのは、先程の太陽と荒川のやり取りを目撃していたバチキンとオツキンだった。
「よりにもよってなんで腹なんだよ・・・」
「だって!!あんなの見たら気になっちゃうバチ!!」
「氷虎、マジで頼む!!一生のお願い!!」
「こんなことに一生を使われてもな・・・ 」
まだ頭にはてなマークを浮かべながら状況を飲み込もうとする二人。バチキンに関してはシグキンが了承する前に彼女(の腹)に抱きついた。
「うおっ!?」
「シグキン!!細いバチねぇ!?」
「開口一番がそれかよ!?悪かったな!細くて!!」
「でもシグキンらしくて私は好きバチ!!」
「なんか素直に褒め言葉として受け取れねぇ・・・」
グッと唇を噛み締めながら大人しくバチキンに抱かれるシグキン。その隣ではオツキンが涙目で氷虎を泣き落とそうとしていた。
「氷虎ぁ・・・」
「・・・・・・仕方ないな・・・今回だけだぞ。」
「っしゃあ!!やりぃ!!!」
「オ、オツキン!?」
さっきまでの涙は何処へやら、オツキンは勢いよく氷虎を押し倒した。押し倒すなり、オツキンは彼女の腹を揉み出した。
「柔けぇ〜!!てか氷虎太った?」
「お前デリカシーをどこやったんだ!!」
「シグキンも昔に比べたら太ったバチよね!!」
「肉付き良くなったって言えよ・・・」
シグキンも荒川に負けず劣らず細いが、これでも肉付きがよくなった方だとバチキンは言う。太ってはいないが細すぎない、ほどよい柔らかさも持った腹だった。
一方氷虎は、肥満体型ではないが他の沼達と比べればもっちりとした体型だ。原因は絶対に毎日のようにラーメンを食べているからだろうが、彼女にはその自覚がないらしい。
「バチキィン!!お返しだ!!」
「オツキン!!」
形勢逆転。先程まで下にいたシグキンと氷虎が逆にバチキンとオツキンを押し倒した。
「おら!どうだ!」
「アハハハ!!シグキン!!こちょがしいバチ!!」
「てか、お前結構腹筋あるな!?」
バチキンは重い銃火器を持って戦っているからだろう。全体的に筋肉がついている。腹筋ももちろん例外では無く、この中にいる誰よりも筋肉はついているだろう。
「オツキン、お前は随分と腹が柔らかいな。それに細いし。」
「仕方ないだろぉ!?」
オツキンも中々細いが、シグキンよりかはまだふっくらとしている。普段ほぼずっとマザイを作っているだけなのに何故痩せずらいのかは分からない。
「はー、はー、ヤバいバチな・・・」
「鍛えよ・・・」
何故か仕掛けた二人のほうが疲れているという異様な光景だが、何故か満足そうな顔をしていた。この話は四人の間でちょっとした笑い話になったらしく、その話は瞬く間に沼達の間に広まり、ちょっとしたブームのようなものになったらしい。
こういう話に喰いつかないわけがないのが作家で絵師のウイエだった。年中ネタ探してる彼女からしたら、とても美味しい話なのだ。
「と、いうことでお腹触らせてくれるかい?フク郎?」
「どういうことですかぁウイエ様ァ!!」
ウイエが一歩近づくごとにフク郎は一歩ずつ後退していく。しかし、家の中でのやり取りのため、限界がある。フク郎の背中が壁に触れ、もう逃げられないと彼女は悟った。対するウイエは怪しい手つきでじりじりとフク郎に近づいていた。
「覚悟するんだね・・・」
「いやぁぁぁぁ!!!いくらウイエ様といっても限度というものが・・・」
「問答無用!!これに着替えてきなさい・・・」
本気で怖がるフク郎と何故かノリノリなウイエ。何処からか取り出した服をそっとフク郎に渡し、寝室を指さした。フク郎は半泣きでその服を受け取り、ビクビクとしながら寝室に入っていった。ウイエはフク郎が出てくるのを椅子に腰掛けながら無言で待っていた。
しばらくすると寝室からだぼだぼのTシャツを羽織ったフク郎が恥ずかしそうに出てきた。Tシャツはワンピースのように広がる膝上ぐらいまでのオーバーサイズのものだった。
「ウ、ウイエ様・・・あの、これは・・・」
「あぁ、シュミタロウのものらしいよ。 」
「シュミタロウさんもTシャツとか着るんですね・・・ではなく!!なんでこんな破廉恥な・・・」
「いいじゃないか、可愛いよ」
「ウイエ様ァ・・・」
拳をぐっと握りしめ、わなわなと震えるフク郎。ウイエはフク郎のスケッチをさらさらと描き、メモを机の上に置く。そして椅子から立ち上がりフク郎の着ているTシャツを勢いよく捲り、その中に顔を突っ込んだ。
「ウ、ウ、ウ、ウ、ウイエ様ぁ!?」
「ふむ。」
フク郎がウイエを引き剥がそうとするのをやんわりと制し、ウイエは目の前にあるフク郎の腹をまじまじと観察する。彼女は魔法攻撃をメインに扱うため、筋肉などはほとんどなく子供のようにもっちりとしつつも少し細い腹だった。片手で揉んだり押したりしてみれば、上からフク郎の制止の声が上がる。どうやらこちょがしいらしい。
「いや〜ありがとう。フク郎。いいネタが取れたよ。」
「ウイエ様・・・私をネタにするのは構いませんが、もう少しお手柔らかに・・・」
「これは失礼。大分加減したと思ったんだけどね。」
「何処がですかぁ・・・」
涙目で体を隠すようにウイエから距離を取るフク郎。そんな様子の愛弟子を見てウイエは何か思いついたようでまたフク郎と距離を詰めた。
「ね、フク郎。私だけ楽しむのも悪いから、私の腹でも触ってみるかい?」
「ウウウウウイエ様の!?そんな、恐れ多いです・・・」
「いいよ、いいよ。ほら、どうぞ?」
「わわっ!?」
ウイエがフク郎の手を掴み、自分の腹へと誘導する。それでもフク郎は中々動こうとしなかった。
「どうだい?フク郎?」
「ウ、ウイエ様のお腹だなんて、柔らk・・・え?か、固い??」
「おや」
少し指を動かしただけでウイエの腹が固いと気付いたようだ。彼女は戦いではその高い防御力を生かしたタンクとしての役をこなす。仲間を鉄壁で守ったり、敵の注意を引き付けたりと、傷付くことがやはり多い立ち位置にある。だからか彼女の体には傷も増え、さらに鍛えれば難攻不落の鉄壁とかす。この腹も体つきも全てこれらの副産物だろう。
「か、固いですねウイエ様・・・」
「そりゃ、みんなを守るためさ。」
「そうですよね・・・はっ!!す、すいませんウイエ様!!思わず触りすぎてしまいました・・・ 」
「フフフ、別にいいのに。」
わたわたと焦りだすフク郎を見て微笑を零すウイエ。そんな二人の元にある沼が来客として訪れた。
「ウイエとフク郎はいるか。」
「おや、シュミタロウ。どうしたんだい?フク郎のお腹でも触りに来たのかい? 」
「ウイエ様ぁ!!」
顔を真っ赤にして怒るフク郎。シュミタロウは首を傾げてウイエを見ている。ウイエは少し口の端を上げ、話を続けた。
「ほら、今流行ってるじゃないか、沼の腹の感触確かめるやつ。」
「あぁ、他の沼達がやっていたな。」
「それをフク郎でやってみようと思ってね。それでこんな格好をして貰ってるって訳さ。」
「なるほど。」
「理解しないでください!!シュミタロウさん!!!」
「と、いうことでシュミタロウのも触らせてね。」
「む。」
「ウイエ様!?ショタに触るのは犯罪ですよ!?」
「俺はショタじゃないぞ、フク郎。」
ウイエはシュミタロウを掴み、その小さな腹に手を当てる。後ろでフク郎が混乱して師を止めようとする声が上がったが、ウイエはそんなこと気にも止めずに行為を続行した。小さくなっても流石は宇宙最強の沼、シュミタロウだ。その体に見合わないガッチリとした筋肉質な体が目に入った。この姿だろうが大きくなろうが体格でシュミタロウの右に出るものはこの世には居ないだろう。
「流石だねシュミタロウ。とても筋肉質ないい体じゃないか。」
「そうか?」
「あぁ。」
ふにふにとシュミタロウの腹を触りながらシュミタロウに語りかけるウイエ。ロリショタノータッチのフク郎は後ろを向いて目を塞いでいた。
「フク郎、そこまでしなくてもいいだろう?ほら、ムキムキのいい体だよ? 」
「辞めてくださいウイエ様ぁ・・・見たくないです!!まだ純粋なシュミタロウさんで居てほしいんですぅ・・・」
「フフフ、なんだいそれは?」
「俺は純粋じゃないのか・・・?」
「君も中々天然だねぇ、本当に宇宙最強なのかい?」
この後ウイエによる盛大なフク郎弄りが行われたそうだ・・・
「あづ〜」
「なんだ?」
「腹触らせてくれぇ〜」
「はぁ!?」
一方こちらはマスタベタウン。ここにはあづキンとJackが住んでいた。普段は(7割ほどJackのせいで)働き詰めの彼女も今日は珍しく休みを取っているらしく、旅館の一室でのんびりと家事をしていた。
「な、な、お前ェ!!どういう風の吹き回しだよ!?」
「いや〜、最近流行ってるジャマイカ、沼の腹ぽよ。」
「どういう言葉だよ・・・まぁ、でも俺も他の奴らの聞くな。 」
「そんで、我もやってみたくなっちゃってぇ〜☆ 」
「『なっちゃってぇ〜☆』じゃねぇよ!!アホ!! 」
あづキンがJackの頭をポカリと殴りつける。全然本気の力では無いのでJackも怯むことなく近づいてきたあづキンの腹に思いっきり抱きついた。
「うおっ!?」
「あーーーあづの腹柔けぇ〜〜〜あったけぇなぁ・・・」
「離れろJack!!」
口では離れろと言いつつも満更でもなさそうなあづキン。Jackもそれを知ってか知らずかあづキンの腹にぐりぐりと頭を押し付けている。彼女の腹も程よく引き締まってはいるものの、ふわふわとした柔らかさが残る、まさに「オカン」を感じる腹だった。
「満足かよ?」
「はぁ〜、癒されたじぇ〜、ほら!あづも我の腹に飛び込んでこい!!」
「えぇ???」
瞬速であづキンの腹部から顔を上げ、逆に腕を広げあづキンを迎え入れる体制を取るJack。あづキンは恥ずかしがりながらもおずおずとJackにもたれ掛かるようにして腹に倒れ込んだ。
「固、お前ェ・・・」
「そりゃ我最強ですからぁ?」
Jackが胸を張り、ふんぞり返る。彼女は肉体で戦うことが多い沼なため、ウイエ以上に傷が多い。腕にも足にも腹にもかなり筋肉がかなりついている。シュミタロウ、ウイエ、太陽に続き、Jackも筋骨隆々な沼の一人てある。そんな沼の腹なんて柔らかい訳もなく、カチカチの肉枕だった。
「やっぱり固ぇよお前・・・」
「あづが柔らかいんだろぉ?」
「おめーが固ぇんだよ!!よし、離れる。」
「早いぞあづぅぅぅ!!??」
「同じくらいだろ!?お愛顧だよ。」
まだ行ってほしくなさそうなJackを置いて立ち上がり家事を再開するあづキン。その後を雛のように追いかけるJack。マスタベタウンは今日も平和です。
「マリちゃぁ〜〜ん!!!お腹触らせてぇ〜!!!」
「帰れ!!!」
ここはフサキンの廟堂。そこに何時ものように居座りギャルゲーに勤しむマリキン。そこにこの廟堂の主、フサキンが突撃してきた。いつもならマリキンがゲーム中にはあまり彼女の邪魔をしないフサキンだが、今日は違う様だった。
「えぇ〜?ケチぃ〜!!それにここ俺のなんですけど〜!!」
「あっそ、帰れ。」
「ねぇ〜、話ぐらい聞いてよ〜!?」
「じょーだん、じょーだん。で、なんだって?」
「だから、お腹触らせてって!」
「はぁ〜??? 」
片手でスマホのようなものを高速タップしながらフサキンの話を聞いているマリキン。いや、本当にちゃんと聞いているかは謎である。
「い〜じゃん!減るもんじゃないし!」
「減るんだよ!俺のメンタルは!」
「あーあー、聞こえませーん!!突撃ぃ〜!! 」
「あっ!おい!フサ!!」
フサキンはマリキンの肩に体重をかけ、彼女を床に押し倒した。マリキンが混乱して手が止まった一瞬の隙をついて、腹に頭突きをするかのごとく顔を押し込んだ。
「うごっ!?」
「うぉ〜!いい匂いする〜!!それにもっちもっちじゃ〜ん!!」
「フ、サ!!や、め、ろ!!」
「やだぁ〜!!」
マリキンとフサキンでは腕力に圧倒的な差があるため、引き剥がすことも出来ずにマリキンはただただ無意味な抵抗を続けることしかできなかった。
「あ〜、なんか疲れが一瞬で吹っ飛ぶわこれ・・・」
「お前が吹っ飛ばした分の疲れは俺に来てるけどな??」
「ごめぇ〜ん☆」
謝る気なんて微塵もないフサキンは相変わらずマリキンの腹に顔を突っ込んでいる。彼女は肉弾戦で戦うことは少なく、遠距離での攻撃や味方のサポートに回る方が得意な沼の為、筋肉はほとんどついていない。不健康極まりない生活をしているのに、何故太らず痩せすぎず適当な細さを保っているのだろうか。
「マリちゃん細いよね〜、なぁんでこんなに細いの??」
「知らね。」
「適当だな〜」
顔を上げぶぅっと口を尖らすフサキン。マリキンもゆっくりと起き上がり、スマホのようなものも手に取らずフサキンの方を向いていた。
「さ〜て次はお前の番だぞ?準備はいいか!?」
「よ〜し!来いよ!! 」
「おらァ!! 」
「キャー!!」
ノリノリでフサキンを押し倒し、それにフサキンもノリよく返す。彼女もフサキンの羽織に頭を入れて、ぐりぐりと腹に頭を押し付ける。どうやら擽ったいようで上から笑い声があがる。
「アッハハハハ!!!こちょがしい!こちょがしいよ、マリちゃん!!」
「仕返しだ!この野郎!! 」
マリキンはフサキンの少し柔らかい腹に顔を埋める。彼女の体は最近人体錬成を行って体を作ったばかりだからか、体がまだ新しい。その為、傷も汚れも少ない。腹もまだ鍛え途中なのか半端な腹筋が少しだけついていた。
「おめーも十分柔けぇじゃねぇか!」
「俺まだ生まれたてなんだも〜ん!!」
もぞもぞとフサキンの羽織から顔を出すマリキン。あぐらをかいて座り直すとスマホのようなものを手に取り、ガチャをまた始めた。フサキンもすっと起き上がり、マリキンのスマホゲームを覗いた。ポップな画面に映し出される様々な見た目のキャラクター達。何処かで見たような顔がどんどんと表示されていく。それをぼんやりと眺めていると、自分とマリキンの間に大きな手が割り込んで来た。左手の薬指にオレンジ色の宝石がはめ込まれた銀色のリングが光る。太陽だ。
「はぁ〜、近いですよぉ!?!?コイツは俺のなんだよ!?距離感保て!!」
「あ〜、太陽!もう!今は俺がマリちゃんと話してたんだよ!」
「へっ!知らね〜!!」
「頭おも・・・」
マリキンがギャルゲをやる中、頭上に突然現れた太陽。マリキンの頭の上に自分の胸を置いて楽をしながら、フサキンと言い争いをしていた。
「お嫁さんが大事なのは分かるけどさぁ?少しは俺もマリちゃんと話たいんだけど?」
「さっきまで話してたでしょー???プププー(笑)(笑)(笑)」
「なんコイツ???鰓の呼吸くらわすぞ!?」
「やれるもんならやってみてくださいよ〜???」
「言ったなぁ!?表出ろ!!!エセ太陽神!!」
「は????????俺が神なのは事実ですけど????上等だゴラァ!!!! 」
「やめろお前ら・・・」
マリキンが声のトーンを少し下げて二人に声を掛ける。そう言われれば二人は睨み合いながらも、渋々といった様子で定位置に戻った。太陽がここまで大人しくマリキンの指示に従うのは彼女が大切だからなのだろうか。何を隠そう太陽とマリキンは少し前に盛大な結婚式を終え、晴れて結ばれた身になったのだ。だから二人の左手薬指には指輪がはめ込まれている。
「もうちょっとしたら出てきなよ〜?俺だって暇じゃないし〜?」
「いや、思いっきり暇だろお前。」
「あり、バレた?」
「バレバレだわ、何年お前を見てきたと思ってんだ。」
「キャ!!嬉しい!!」
「はぁ???????マリキンさぁん????」
「あ、太陽が爆発しそう。」
この後太陽がしばらくマリキンにベッタリだったということは言うまでも無いだろう。
「カシキィ〜ン!!!腹触らせろぉ〜!!!」
「断る。」
「なんでだぁ!?」
ここはユリレイズ。そこでいつものようにカシキンは見回りをしていた。そこに突然ざくろが現れた。彼女が神出鬼没なのはいつものことなのでカシキンも驚くことなく淡々と言葉を返した。
「いいだろぉ!!他の奴らもやってんだぞぉ!? 」
「しかし当方は断る。」
「えぇ〜??」
ざくろが残念そうな声を出しながらカシキンに付いて歩く。カシキンはそんなこと気にも止めず、町中を歩いて行く。ざくろはしばらくじっとカシキンの背を見つめていたが、突然何を思い立ったのかクローンを増やしカシキンを捕まえた。
「ざ、ざくろ!?」
「「「カシキン確保〜!!!」」」
ざくろ達はカシキンを数の暴力で押さえつけ恐らく本体であろうざくろがカシキンのコルセットを外し腹に抱きつくようにして顔を埋めた。
「ざ、く、ろ!!止めろ!!」
カシキンが暴れて抵抗するも大量のざくろ達にはかなわなかった。
「やだ!!てかカシキン腹硬!!」
「あ、ざくろさんなにしてるんすか?」
そこに今一番彼女が見られたくないであろう荒川がどこからともなく現れた。傍から見ればざくろに襲われているようにも思えるその光景に荒川は特に突っ込むこと もなく、カシキンのほうに近づいていった。
「楽しそうなことしてますね、ざくろさん。ワシも混ぜてくださいよ」
「荒川!?」
恐らく止めてくれると思っていたのであろうカシキンが目を見開く。自分の目線の下には二人の沼が自分の腹に顔を押し付けあっている光景が見えた。
「硬いっすね〜」
「だよなぁ!?」
彼女の腹は騎士として、きちんと鍛えられ引き締まった腹なので柔らかいはずがなかった。
「あ〜満足!」
「っすね」
ざくろと荒川がぱっと手を離すと同時にざくろのクローン達は一斉に蜘蛛の子を散らすように去っていった。解放されたカシキンは真っ先に視点をざくろに向け、捕まえた。
「ざくろぉ!!!」
「うぉっ!なんだよカシキィン!!」
「やられたらやり返す!倍返しだ!!荒川!!」
「あ、はい。」
カシキンに呼ばれた荒川が素早く動いてざくろを後ろから羽交い締めにした。少し身長差はあったが荒川にとっては特に関係はなさそうだった。その間にカシキンはざくろの腹を揉み始めた。
「どうだざくろ!!」
「あはは!!カシキン!!こちょいって!!」
ざくろが身を捩らせなんとか逃れようとするがそれも無駄な抵抗に終わった。彼女の腹はまるで幼子のごとく色白で柔らかかった。クローン達にもきっとこの情報は引き継がれているのだろう。
「ざくろ、お前は鍛えたほういいんじゃないか?」
「え〜?めんどくさぁ〜い!!」
カシキンがざくろから手を離せば荒川もぱっとざくろから離れる。ざくろはぐるぐると肩を回しながら背伸びをした。
「じゃ!あーしはエロいおねーさん探しに行ってくっから!!」
彼女は用事が終わるやいなや嵐の様に走り去っていった。荒川とカシキンは顔を見合わせ、二人でユリレイズの見回りを再開したらしい。
「エクレア!あ、あの・・・」
「おん?」
ここはアグハウス。オオモリシティの海外沿いに建つこの家は、よくありとあらゆる沼達に爆破されたり、破壊されたりしているが今日は比較的平和な日のようだった。そこに今居るのは家主のアクシズと半同棲状態にあるエクレアだった。
「えっと・・・」
「なんだよ、早く言えよ?」
中々言い出しずらい話題のようで、アクシズはおどおどしながらエクレアと話している。そんなアクシズにイラついている様子のエクレアはカウンターの上に置いている指をせわしなく動かしている。
「はぁ〜・・・どうせあれだろ?お前も腹さわりたいんだろ?」
「お、お前エスパーか!?」
トントンと指の動きは止めることなくアクシズに話しかける。どうやらビンゴで彼女は大層驚いていた。
「ん、おらこいよ」
「い、いいの・・・?」
「なんでお前相手に躊躇しねーといけねぇんだよ」
エクレアは手を広げアクシズが来るのを待っている。アクシズはキョロキョロと目を泳がせながらそろそろとエクレアに近づいて行った。エクレアもエクレアで特に彼女に手を出す事も無くじっと事の顛末を見守っていた。
「し、失礼します・・・」
「おう」
アクシズがゆっくりと様子を伺うようにエクレアの腹に手をかける。ヤク中だからなのか、それとも最速のスピードを出す為なのか彼女の体はあばら骨が見て分かるほど痩せ細っていた。
「お、お前飯食ってる?? 」
「食っとるわ!!」
エクレアの腹を触りながら目線を合わせ話しかけるアクシズ。どうやら食事はちゃんとしているらしいが、本当に心配になるレベルの細さだった。
「おら、お前のビール腹も揉ませろ」
「ビールっ腹じゃねぇって!!」
アクシズが反論がするがそれに反論することなくエクレアは、彼女の着ているパーカーを脱がし、腹を揉み始めた。
「あー、普通。」
「普通?」
「あぁ、硬くもねぇし柔らかすぎねぇし。」
「そりゃ普通だな・・・」
すぐに興味を無くしたのかエクレアはすぐにアクシズから離れ、カウンターの席に静かに座り直した。アクシズも立ち上がり酒瓶が入っている棚を漁り、二本の酒瓶を片手で持ちながらエクレアの隣に座った。エクレアはチラリとアクシズの方を見てニヤリと笑った。
「はっ、昼間っから飲むのかよ?」
「飲まねぇの?」
「飲むけどよ、 おらジョッキ寄越せ」
アクシズから受け取ったジョッキに並々と酒を注ぐ。カチンとジョッキとジョッキがぶつかる音がアグハウスに木霊する。昼間から始まった酒盛りはまだまだこれからだろう。
𝑭𝒊𝒏.
ありがとうございました
コメント
8件
ふへっ尊っ……グヘッ(お巡りさんコイツです) 助けてください。尊すぎて口角が上がりっぱなしです。家族に見られたら終わりです。
てえてえ(*'▽')ゴフッ、、チーン