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この日は朝から雨が降っていた。
窓には水滴が浸っていて
外の景色がよく見えない。
雨の日は
いつも憂鬱だった。
自分の心の中を見ているようで
悲しくなる。
でも
雨の日は必ず来てくれる人がいた。
zm「やっほー、emさん」
“脅威”と呼ばれる
優しさの塊。
em「zmさん、来てくれたんですね。」
毎回の会話。
こう言うと、彼は決まって照れくさそうに笑う。
zm「今日は…雨やからな。」
em「……そうですね。」
2人で外を見つめる。
zm「……em、最近笑ってへんよな」
em「…そう見えますか?」
zm「悩んどるんやろ」
貴方にはバレバレですか。
流石です。
em「まぁ…大した悩みではありませんが。」
彼は悲しそうな顔をした。
zm「相談しろって言うたやん…。みんな聞いてくれるで。」
“優しい奴ばっかやからさ。”
em「…………」
みんな優しいから。
『貴方、優しいですね。』
“あんなの演技に決まってんだろw”
“誰もお前の味方なんかしねぇよ”
聞き慣れた、欺く材料。
もううんざりしていた。
軽々しく投げられたその言葉にイライラして
2度目でようやく理解したことを吐き捨てる。
em「…優しい人って」
em「いつまでも優しくないですよ。」